連載 おとなが読む絵本——ケアする人,ケアされる人のために・134
人生の最後に遺す「贈り物」とは
柳田 邦男
pp.688-689
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200771
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医学・医療や「生と死」にかかわるテーマの作品を書くために,多くの医師や医学研究者に出会ってきたが,“面白い人”だと魅せられる人物が多いのは,小児科,病理学,神経内科,心療内科,終末期医療などの分野であるような気がする。“面白い人”というのは,ユーモアやジョークが上手だという意味ではない。人間,心,死,病気の本質などについて深く考えていたり,幅広い読書によって知性を高めていたり,会話の端々に深い人間観が感じられたりする人といった意味だ。もちろん他の専門分野の医師や医学研究者にも,そういう人はいるのだが。
順天堂大学医学部の病理・腫瘍学教授の樋野興夫先生も,“面白い人”の1人だ。がん患者やその家族のための“悩みごと相談窓口”とも言うべき「がん哲学外来」の創始者だ。
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