技術講座 輸血
多発性骨髄腫患者の輸血検査における非特異反応と分子標的薬への対応
細川 美香
1
1大阪大学医学部附属病院輸血部
pp.692-698
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530070692
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
●多発性骨髄腫患者検体は,輸血検査において連銭形成を引き起こす場合がありますが,凝集と連銭形成は生理食塩液置換法で鑑別することができます.
●抗CD38モノクローナル抗体治療薬は間接抗グロブリン試験(IAT)において汎反応性の凝集を呈します.
●抗CD38モノクローナル抗体治療薬がもたらす偽陽性の解消法として用いられている0.2mol/L DTT処理は,K抗原が変性されることが問題となっており,K抗原が完全に変性されないよう考案された方法が0.01mol/L DTT処理(大阪法)です.

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.