今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
多発性骨髄腫
和泉 透
1
1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター血液内科
キーワード:
正球性正色素性貧血
,
M蛋白血症
,
蛋白分画
,
骨髄穿刺
Keyword:
正球性正色素性貧血
,
M蛋白血症
,
蛋白分画
,
骨髄穿刺
pp.646-649
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202745
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初診(診察)時症状・所見
患者は60歳代,男性.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.ある日の夜間に右膝痛を自覚した.就寝後に激痛となったので,独立行政法人国立病院機構仙台医療センター(以下,当センター)の救急外来を受診した.受診時に39℃の発熱を認めたため,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のPCR検査を行ったが陰性であった.右膝関節炎の診断で当センターの整形外科に入院した.
ヘモグロビン(hemoglobin:Hb)9.3の貧血(正球性正色素性貧血)を認めた.白血球数(white blood cell count:WBC)は基準範囲内で,C反応性蛋白質(C-reactive protein:CRP)は軽度に高値であった.アルブミン(albumin:Alb)は3.0と低値であった.腎障害はなかった(表1).
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