FOCUS
ダイバーシティ&インクルージョン社会における臨床検査技師教育
關谷 暁子
1
1北陸大学医療保健学部
pp.433-435
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530040433
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臨床検査技師の需給推計と日臨技の未来構想
2024年12月現在,日本臨床検査学教育協議会には,108の臨床検査技師養成施設(以下,養成施設)が加盟している.この数は2014年の80施設の約1.4倍であり,現在も微増を続けている.毎年,約3,800人の新たな臨床検査技師が誕生している.
一方で,臨床検査技師の需給バランスについては,「おおよそ2031年から2037年ごろに供給過剰になる」との推計が報告された1).この推計には検査の種類ごとの労力の違い,検査以外の業務量,保険収載検査項目の変化,地域による医療課題の違い2)などの諸要素が一切考慮されておらず,本質的な需給推計として用いることには限界がある.しかしながら,加速する人口減少に伴い医療ニーズが減少すれば,全体としての臨床検査技師の需要も減少すると考えられる.AIを用いた医療技術の革新など,人口変動以外の外部環境の変化もあいまって,臨床検査技師のマジョリティである“医療機関や検査センターで臨床検査業務を行う臨床検査技師(以下,狭義の臨床検査技師)”が供給過剰となる可能性は看過し難い.

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