FOCUS
適切な血液培養を実施するために—検体採取法と各種指標モニタリングの重要性
坂梨 大輔
1
,
三鴨 廣繁
2
1愛知医科大学病院感染制御部感染検査室
2愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学
pp.346-348
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530030346
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はじめに
ヒトの血液は通常無菌状態であるが,何らかの理由で血中に細菌や真菌が侵入することがある(菌血症).菌血症は一過性で無症状の場合もあるが,免疫機能が低下した患者や病原性の高い菌種においては,病巣の転移・生体の過剰な反応による敗血症など,深刻な血流感染症を引き起こす.生体にとって異常事態である菌血症(ひいては血流感染症)の診断,原因微生物の同定および有効な抗菌薬の選択に必要不可欠な検査が血液培養である.血液培養の検出率向上および汚染防止のためには,対象患者,タイミング,採血手技,採取量,セット数などが適切であることが必須である.また,検査室においては血液培養検査のさまざまな指標をモニタリングし,効果的なフィードバックを実施していくことが重要である.本稿では,適切な血液培養検査を実施するために重要な点を概説する.
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