特集 循環器診療 それ,ホント?
特集にあたって
香坂 俊
1,2,3,4
1慶應義塾大学医学部 内科学(循環器)
2慶應義塾大学病院 国際診療部
3日本医療研究開発機構
4横浜市立大学 データサイエンス研究科
pp.1974-1975
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620121974
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循環器診療は,医学のなかでも特にダイナミックに変化し続けている領域の1つです.新しい病態理解や治療法が次々と登場し,これまで「常識」とされていたことが,数年のうちに「非常識」になることも珍しくありませんでした.
たとえば,かつて冠動脈疾患といえば「ただちにカテーテル」というのが半ば合言葉のように語られていましたが,現在では「まずはLDLコレステロール値を可能な限り下げる」という戦略が重視されるようになっています.また,心不全治療の中心も,長らく利尿薬による症状緩和が第一と考えられてきましたが,近年では診療ガイドラインに基づく至適薬物治療(GDMT)が予後改善の柱として位置づけられています.こうした変化は,教科書的な知識や臨床経験だけではカバーしきれない,まさに日進月歩の世界です.

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