特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
特定の疾患や状況への対応
せん妄(低活動型)—うつ,認知症とどこが違うのか?
小川 朝生
1
1国立がん研究センター東病院精神腫瘍科
キーワード:
せん妄
,
器質性精神障害
,
認知機能障害
,
高齢者ケア
Keyword:
せん妄
,
器質性精神障害
,
認知機能障害
,
高齢者ケア
pp.1060-1063
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620071060
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Point
◎せん妄は身体的な要因で生じた脳の機能不全状態(意識障害)である.せん妄の治療目標は意識障害の治療であり,身体要因の検索と対応にある.
◎せん妄は,数時間〜数日の単位で急激に発症する.認知症は数カ月単位での変化である.急激に出現した認知機能障害を認めた場合にはまずせん妄を疑う.
◎せん妄を発症すると,その後の身体機能低下や認知症の発症・進行につながる.そのため,高齢者の入院に際しては,せん妄の予防が重要である.

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