特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
特定の疾患や状況への対応
認知症者に認められる不安に配慮した診療アプローチ
谷向 仁
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1名古屋市立大学大学院看護学研究科精神保健看護学
キーワード:
認知症
,
不安
,
支持的対応
,
鑑別
,
専門医への紹介
Keyword:
認知症
,
不安
,
支持的対応
,
鑑別
,
専門医への紹介
pp.1055-1059
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620071055
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Point
◎さまざまな機能障害により日常生活がうまく回らず自信を失い,人間関係の変化や認知症に対する社会のスティグマなどを体験している認知症者の不安や恐怖を理解する.
◎認知症の進行度や認知症の種類によって異なる不安の特徴について理解を深め,それぞれに沿った対応を検討する.
◎不安は必ずしも言語的に表出されるわけではなく,イライラや不穏,焦燥,落ち着きのなさといった形で現れることもある.
◎イライラや不穏,焦燥が認められた場合,まず身体症状や内服薬による影響を考え丁寧に診察を行うことが大切である.これらを行わずに安易な向精神薬の使用は行わない.
◎病状の評価や対応が難しいと感じた場合には,速やかに精神科医などの専門医に相談する.

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