特集 看護学—その未来を語る—日本看護系大学協議会(JANPU)50周年記念式典より
特別講演
看護学への期待—哲学の視点から
榊原 哲也
1
1東京女子大学現代教養学部
pp.36-43
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700590010036
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
看護との出会い
このたびは日本看護系大学協議会50周年,まことにおめでとうございます。私は哲学の中でも現象学を専門にしており,特にフッサールの現象学を研究してきました。その研究を深める過程で,さまざまなきっかけから看護に関心をもちました。
科研費の取り組みとして,看護学研究者の守田美奈子先生(日本赤十字看護大学学長・教授)や西村ユミ先生(東京都立大学副学長・教授)などとともに共同研究を行い,看護に対する関心から「ケアの現象学」への展開を探り,さらに発展させて「医療現象学」の確立をめざしました。自身で看護師にインタビューを行い論文にまとめたり,書籍も執筆したりしています。そうした活動の中で『看護教育』誌(医学書院)からベナーに関する連載の依頼を受けた際は,編集部が私に,「看護に恋した哲学者」という名前をつけてくれました。気恥ずかしかったのですが,「看護師」ではなく「看護」に恋するのならまあいいかなと思い,そのまま連載タイトルになっています(「看護に恋した哲学者が読む—ベナーがわかる!腑に落ちる!」)(榊原,2018)。そして「看護に恋した哲学者」は現在も,医療とケアの現象学を追求しています(図1,2)。

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

