特集 DNP(Doctor of Nursing Practice)が未来を切り拓く—「研究」と「実践」をつなぐ高度実践看護師の新たなチャレンジ
DNPプロジェクトの具体例
訪問看護師のプリセプターを対象とした,地域における準備教育プログラムの作成と実装の準備
佐藤 直子
1,2
1聖路加国際大学大学院看護学研究科
2東京ひかりナースステーション
pp.276-280
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580030276
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プロジェクトの着想とプロジェクトの意義
聖路加国際大学大学院博士課程DNPコースに1期生として入学した私は,大学教員をしながら訪問看護事業所に関わりを続けている在宅看護専門看護師であった。
長く訪問看護に携わった経験から,プロジェクトを検討する上で私が特に注目したのは,訪問看護をすることに意欲をもって入職した看護師がさまざまな理由で離職してしまうことと,それによって,新入職者を受け入れた職場も疲弊してしまうという課題であった。ただ,訪問看護事業所は規模が小さいため中途採用が多いことや,また入職時期も一定ではなく,年度はじめの4月以外の時期に分散して入職するケースが多いこと,加えて,看護師10名を超える大規模事業所でも年に1名程度の採用しかないことなどから,限られた期間で1つの場においてプロジェクトを行うことは難しいと感じた。DNPのプロジェクトは一般化を目指すものではなく,一定の場での改善を図るものであるが,私は1つの訪問看護事業所ではなく,東京都内の1つの自治体(以下,A区)にある複数の訪問看護事業所を対象にして,プロジェクトを進めたいと考えた。

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