特集 DNP(Doctor of Nursing Practice)が未来を切り拓く—「研究」と「実践」をつなぐ高度実践看護師の新たなチャレンジ
DNPプロジェクトの具体例
高齢者向け住まいで暮らす健康高齢者を対象としたACPプログラムの開発
松本 佐知子
1,2
1日本赤十字看護大学さいたま看護学部
2日本赤十字看護大学大学院看護学研究科
pp.282-286
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580030282
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DNPプロジェクトの背景
筆者がDNPコース在籍時に勤務していた高齢者向け住まいは,「日常生活が自立している高齢者が入居し,介護が必要になっても最期まで安心して自分らしく暮らし続けられるようサポートする」というコンセプトで運営されており,高齢者が健康なうちに,終の住処として自分の意思で入居していた。
健康で自立している入居者が8割以上を占め,入居期間は10年以上と見込まれる人が多かった。入居後の数年間は自立フロアで生活し,重度要介護状態になったり,End of Lifeケア(以下,EOLケア)が必要となったりした時に,手厚いケアが受けられる介護フロアに移り,最期まで暮らす事例が大半を占めていた。死亡時の平均年齢は約90歳で,約半数が老衰・認知症パターン(Lunny et al., 2003)の死の過程をたどり,施設内で亡くなっていた。

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