特集 看護学生と喫煙の問題―教育プログラムから看護実践まで
看護学生を対象とした「喫煙に関する教育プログラム」
岡田 加奈子
1
1千葉大学教育学部養護教諭養成課程臨床医科学・看護学講座
pp.414-421
発行日 1997年6月25日
Published Date 1997/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901625
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諸外国に比べ,日本においては喫煙対策が遅れ,また男性喫煙者率が著しく高い状況にある.そんな中で,健康に関わる医療従事者の果たすべき役割は今後ますます大きくなると考えられる.医療従事者の中でも,近年喫煙に関する医師の役割が認識されつつある現状に比べ,看護者はいまだそのような段階には至っていないように思われる.また,医師の喫煙者率が同年代のそれに比べ低い一方で,看護婦の喫煙者率は同年代の女性に比べ高い.そこで,看護者になる前の看護学生の時に喫煙に関する学習を行なうことが非常に大切であると筆者は考えている.
看護学生を対象とした喫煙に関する教育が必要であり,かつ重要である理由は,1つには看護婦とともに看護学生の喫煙者率が高いことがあげられる.そして看護者の喫煙に関する役割に関連して,2つ目には将来看護者になったときに喫煙者に対し禁煙支援を行なうことができること,そして3つ目には将来禁煙環境の推進者となること1)があげられる.これらの理由から,著者らは看護学生を対象とした「喫煙に関する教育プログラム」を開発し,幾度かの評価と改訂を繰り返した後,この最終プログラムに至った.本論では,プログラムの目的,概要とともにその一部を具体的に示す.
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