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増刊号特集 最近のトピックス2025 Clinical Dermatology 2025
5.皮膚科医のための臨床トピックス
トコジラミ刺症の診断とトコジラミの駆除対策
Diagnosis of bed bug bites and countermeasures for bed bug extermination
夏秋 優
1
Masaru NATSUAKI
1
1公立学校共済組合近畿中央病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kinki Central Hospital, Itami, Japan
キーワード:
トコジラミ刺症
,
殺虫剤抵抗性トコジラミ
Keyword:
トコジラミ刺症
,
殺虫剤抵抗性トコジラミ
pp.161-164
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050161
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summary
トコジラミは室内に生息する吸血性昆虫で,人や荷物の移動と共に移動・拡散している.近年,ピレスロイド系殺虫剤抵抗性トコジラミが世界各地で蔓延しているが,国内でも宿泊施設や民家内で繁殖したトコジラミによる刺症例が増加しており,今後さらなる増加が懸念される.臨床的には露出部を中心に瘙痒を伴う浸潤性紅斑や紅色丘疹が孤立性に多発して認められるが,吸血中に口器を刺し変えるため,狭い範囲に複数の皮疹が不規則に配列するのが特徴である.昼間は室内の隙間に潜み,夜間の就寝中に吸血するため虫体の発見は困難で,「うそ寝作戦」を活用して捕獲することで診断確定できる.殺虫剤抵抗性トコジラミを駆除するための家庭用殺虫剤として,待ち伏せ式のプロポクスルとメトキサジアゾン,燻煙式のブロフラニリドが有効である.

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