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増刊号特集 最近のトピックス2025 Clinical Dermatology 2025
4.皮膚疾患治療のポイント
マイクロニードルの皮膚科領域への応用
Microneedle in dermatology
岩田 浩明
1
Hiroaki IWATA
1
1岐阜大学大学院医学系研究科皮膚科
1Department of Dermatology, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
キーワード:
マイクロニードル
,
ワクチン
,
抗原提示細胞
,
免疫応答
Keyword:
マイクロニードル
,
ワクチン
,
抗原提示細胞
,
免疫応答
pp.119-123
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050119
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summary
マイクロニードルは,近年注目されている医療技術である.美容目的と医療目的の2つの使用法に分けられる.医療用はまだ臨床応用に至らず研究段階であるが,美容目的にはすでに実用化されたものがある.溶解型マイクロニードルを用いた日本脳炎ワクチン接種の臨床研究ではいくつかの興味深い結果が得られた.第一に,少ない抗原量で効率的に抗体価の上昇が得られた.一方で,接種部位局所の紅斑や色素沈着の副反応が多くの症例で観察された.これらの理由として,マイクロニードルでは皮下注射に比べ浅いところに抗原が接種されるため,効率的に樹状細胞に取り込まれ強い免疫応答が惹起されるためと考えられる.マイクロニードルは,直接的に薬物を体内に送達するので内服と異なり消化管での分解の心配がないため,蛋白製剤やmRNA製剤などのdrug delivery systemとして応用ができる可能性がある.

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