Japanese
English
今月の主題 Helicobacter pyloriの診断と臨床応用
総論
Helicobacter pylori感染と免疫応答
Immune responses in Helicobacter pylori infection
林 俊治
1
,
下村 裕史
1
,
平井 義一
1
Syunji HAYASHI
1
,
Hirofumi SIMOMURA
1
,
Yoshikazu HIRAI
1
1自治医科大学感染・免疫学講座細菌学部門
キーワード:
Helicobacter pylori
,
免疫応答
,
Th1細胞
,
ワクチン
Keyword:
Helicobacter pylori
,
免疫応答
,
Th1細胞
,
ワクチン
pp.151-157
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102228
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Helicobacter pyloriは小児期に胃に感染し,多くは生涯にわたる持続感染となる.この感染において,血中抗体価は上昇し,胃粘膜での特異IgAも確認できるものの,胃からの除菌は起こらない.感染胃は慢性胃炎となっており,胃内での免疫反応がかえって粘膜傷害を起こしていると考えられている.感染胃粘膜ではTh1反応が優位となっており,TLRを代表とする自然免疫系の賦活やIL-8などによる非特異免疫反応も,これと関連しながら持続的粘膜傷害を起こしていると思われる.ワクチンの検討も行われているが,ヒトでの実用化にはまだ多くの問題がある.
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