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増刊号特集 最近のトピックス2025 Clinical Dermatology 2025
3.新しい検査法と診断法
MEFVバリアントは汎発性膿疱性乾癬の疾患関連遺伝子である
MEFV variants are a predisposing factor for generalized pustular psoriasis
吉川 剛典
1
Takenori YOSHIKAWA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科
1Department of Dermatology, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
キーワード:
自己炎症性角化症
,
膿疱性乾癬
,
GPP
,
MEFV
,
パイリン
Keyword:
自己炎症性角化症
,
膿疱性乾癬
,
GPP
,
MEFV
,
パイリン
pp.89-93
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050089
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summary
汎発性膿疱性乾癬(generalized pustular psoriasis : GPP)は,無菌性の好中球性膿疱や全身倦怠感を特徴とする重篤な乾癬のサブタイプである.GPPは多因子疾患であり,発症には遺伝的素因も重要で,これまでに複数の疾患関連遺伝子の報告がある.近年,日本人GPP患者の網羅的遺伝子バリアント解析により,MEFVも疾患関連遺伝子とわかった.MEFVは家族性地中海熱の疾患関連遺伝子としても知られており,両疾患の病態に類似性があると予想される.MEFVはパイリンインフラマソームの構成蛋白であるパイリンをコードし,主に好中球と単球で発現する.MEFV関連GPPでも,変異型パイリンを持つ好中球や単球からIL-1βやIL-18が過剰に分泌され,これらがケラチノサイトを刺激し,最終的に皮膚への好中球浸潤を促進する可能性がある.今後,抗IL-1β抗体やコルヒチンといった家族性地中海熱の治療薬のリポジショニングや,MEFV関連のシグナル伝達を標的とした新規治療戦略の確立が期待される.

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