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増刊号特集 最近のトピックス2025 Clinical Dermatology 2025
1.最近話題の皮膚疾患
Trichophyton indotineaeによる体部白癬
Dermatophyosis by Trichophyton indotineae
原田 和俊
1
,
加倉井 真樹
2
Kazutoshi HARADA
1
,
Maki KAKURAI
2
1東京医科大学皮膚科学分野
2加倉井皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
2Kakurai Dermatology Clinic, Shimotsuma, Japan
キーワード:
Trichophyton indotineae
,
体部白癬
,
テルビナフィン
,
輸入感染症
,
真菌培養
Keyword:
Trichophyton indotineae
,
体部白癬
,
テルビナフィン
,
輸入感染症
,
真菌培養
pp.17-20
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050017
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summary
Trichophyton indotineaeはKanoらによって命名された新種の白癬菌(皮膚糸状菌)である.T. indotineaeはT. interdigitaleの近縁種であるが,病原性が高く,強い感染力を有し,多くの株がテルビナフィンへ耐性を示す.T. indotineaeによる体部白癬は,比較的大きな病変が多発し,融合傾向を示すが,足白癬は合併しない.インドでは以前から本真菌による体部白癬が爆発的に流行し,大きな社会問題となっていた.本邦では2020年にインド人の輸入例としてT. indotineaeによる体部白癬が初めて報告された.現在のところ,国内で流行はみられていないが,日本人への感染例も報告されていることから注意が必要である.T. indotineaeの同定には遺伝子検査や生化学的検査が必須であり,本真菌による体部白癬を疑った場合には,真菌培養を行うことが重要である.

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