Japanese
English
症例報告
皮角様外観を呈した頭部の筋上皮腫の1例
A case of myoepithelioma presenting as a cutaneous horn on the scalp
江口 令
1
,
金子 高英
1
,
阿部 澄乃
2
,
髙森 建二
1
,
須賀 康
1
Rei EGUCHI
1
,
Takahide KANEKO
1
,
Sumino ABE
2
,
Kenji TAKAMORI
1
,
Yasushi SUGA
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院皮膚科
2東京臨海病院皮膚科
1Division of Dermatology, Juntendo University Urayasu Hospital, Urayasu, Japan
2Division of Dermatology, Tokyo Rinkai Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
筋上皮腫
,
皮角
,
頭部腫瘍
Keyword:
筋上皮腫
,
皮角
,
頭部腫瘍
pp.125-130
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790020125
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要約 96歳,女性.後頭部に生じた角状の皮膚結節を主訴に来院した.病理所見として真皮内に線維性被膜を有する多結節性病変を認め,粘液腫状の間質と,好酸性の細胞質と類円形の核を有する形質細胞様の腫瘍細胞が網目状や小胞巣状に増生していた.管腔構造,核の異形成や異常分裂細胞などはなかった.免疫組織化学的検査ではα-SMA,p63,サイトケラチン,CK5/6は陽性であり,S100蛋白も散在性に陽性であった.一方,ビメンチン,GFAPは陰性であったため,筋上皮腫と診断した.頭頸部発生の筋上皮腫は稀であり,皮角様の外観を呈したものは,調べえた限り自験例のみであった.本邦での報告例では再発は認めなかったが,良性や低悪性度の場合であっても局所再発のリスクは約20%あると報告されており,必要時の追加切除や術後の長期的なフォローが必要である.
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