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Rinsho Hifuka Volume 79, Issue 2 （February 2025）

臨床皮膚科 79巻2号（2025年2月発行）

Japanese English

症例報告

手術を施行したMorbihan病の1例 A case of Morbihan's disease treated with surgery 玉理紗帆 ¹ , 森岡理恵子 ¹ , 中山宏文 ² , 宮本純平 ³ , 水野寛 ⁴ Saho TAMARI ¹ , Rieko MORIOKA ¹ , Hirofumi NAKAYAMA ² , Junpei MIYAMOTO ³ , Hiroshi MIZUNO ⁴ ¹JR広島病院皮膚科 ²JR広島病院病理診断科 ³宮本形成外科 ⁴医療法人社団水野皮ふ科 ¹Division of Dermatology, Medical Corporation JR Hiroshima Hospital, Hiroshima, Japan ²Division of Pathology, Medical Corporation JR Hiroshima Hospital, Hiroshima, Japan ³Miyamoto Plastic Surgery Clinic, Hiroshima, Japan ⁴Mizuno Dermatology Clinic, Hiroshima, Japan キーワード： Morbihan病 , 酒皶 , 眼瞼浮腫 Keyword: Morbihan病 , 酒皶 , 眼瞼浮腫 pp.119-124

発行日 2025年2月1日 Published Date 2025/2/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790020119

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要約　59歳，男性．数年前から顔面に紅斑を生じ，1年前から左上眼瞼浮腫を伴った．徐々に浮腫が悪化し視野に影響するため，当院を紹介受診した．初診時，左上眼瞼から両頰部，鼻部に浮腫性紅斑，左上眼瞼浮腫・腫脹を認めた．紅斑部のダーモスコピー像では脂腺周囲を取り囲むような紅斑や不規則な毛細血管拡張，小膿疱を認め，酒皶と考えた．左上眼瞼の皮膚生検では毛包に一致して好中球浸潤，壊死および異物を伴わない小型の肉芽腫の形成があり，肥満細胞が散在していた．以上の所見からMorbihan病と考え，ドキシサイクリン塩酸塩・ミノサイクリン塩酸塩の内服およびメトロニダゾール軟膏外用で加療し，紅斑は改善したが浮腫と視野障害が残存し，早期の改善を患者が希望したため他院形成外科で手術を施行された．術後，左上眼瞼浮腫と視野障害は改善し経過観察中である．薬物療法で改善が不十分な場合には，外科的治療が追加治療の選択肢となりうると考えられた．