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研修医当直御法度百例帖 第2版

研修医当直御法度百例帖 第2版
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筆頭著者 寺沢 秀一 (著)

福井大学医学部地域医療推進講座教授

三輪書店

電子版ISBN 978-4-89590-561-9

電子版発売日 2016年6月6日

ページ数 396

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-89590-428-5

印刷版発行年月 2013年1月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895904285

書籍・雑誌概要

研修医のバイブル『研修医当直御法度 症例帖』を大改訂!
初版の77症例を最新の知見に基づいた鑑別法、治療方法に塗り替えるとともに、推奨文献も大幅にupdate。さらに10年間の間に開催された症例検討会において取り上げられた「つまづき症例」の中から、厳選した23症例を新たに追加。全100症例として、タイトルも「症例帖」から「百例帖」へ!
「間違いをした人を責めず、その教訓を共有してこそ進歩する」という恩師の言葉を実践する、救急医としての著者のメッセージが伝わってくる渾身の第2版。

目次

1 意識障害
case 1 昏睡状態で発見,頭蓋内器質病変を疑う
すべての意識障害患者は50%ブドウ糖2アンプル静注から
case 2 高血圧,突然の激しい頭痛と嘔吐
高血圧性脳症と誤診されるくも膜下出血
case 3 突然の精神症状
40歳以後の初めての精神症状や痙攣は器質的なものを考える
case 4 軽い脳梗塞と思われた認知症と片麻痺
脳卒中にみえる患者の落とし穴(1) 軽い脳梗塞と誤診されることの多い慢性硬膜下血腫
case 5 持続する腹部症状から昏睡へ
脳卒中にみえる患者の落とし穴(2) 神経学的左右差(片麻痺、半身痙攣)があるから頭蓋内器質的病変とは限らない
case 6 家で倒れているのを発見、片麻痺あり、ショック状態
脳卒中にみえる患者の落とし穴(3) 頭蓋内病変だけではショックにならない
case 7 道路で倒れていた、嘔吐の跡あり
高血圧性脳幹(橋部)出血と誤診される有機リン中毒
case 8 統合失調症で加療中、痙攣と意識障害
精神科患者の意識障害だから薬物中毒とは限らない
case 9 進行性乳癌患者の意識障害
悪性腫瘍患者の意識障害だから脳転移、とは限らない

2 めまい・失神・痙攣
case 10 めまい、嘔吐から昏睡へ
内耳性めまいと誤診される小脳出血
case 11 回転性めまい、嘔吐で受診,頭部CTスキャン正常
回転性めまい、初診時に神経内科医さえもだまされる脳梗塞あり!
case 12 後頸部痛が先行した回転性めまい
これまで経験のない一側の後頸部、後頭部痛は椎骨動脈解離を考える!
case 13 「めまいで動けない」と受診した高血圧治療中の患者
「めまい」で最も怖いのはvertigoではなく、pre-syncope!
case 14 突然気を失った
「めまい(pre-syncope)、失神、意識障害、痙攣」は3群に分ける!
case 15 特発性てんかんの治療中の痙攣発作
痙攣重積は30分以内に止めるべし!

3 呼吸・循環
case 16 前胸部絞扼感(過去3回軽い発作あり)
Risk factorのある胸痛患者は循環器内科医への相談なしに帰すな
case 17 前胸部痛、ただし心電図異常なし
1回の心筋マーカー、心電図のみで急性心筋梗塞を否定するな!
case 18 気管支喘息重積
気管支喘息重積は、前日に診た医師の責任
case 19 気管支喘息治療中,呼吸困難増強
PaCO2 42Torrは正常か?
case 20 高齢者のwheezing dyspnea
気管支喘息vs心臓喘息
case 21 主訴「咳止めがほしい」から呼吸不全へ
主訴「咳」で左心不全が受診する!
 case 22 喘鳴を伴った呼吸困難
stridorか? wheezingか?
case 23 嘔吐中の胸痛、心窩部痛
急性心筋梗塞→大動脈解離→肺塞栓→食道破裂の順に考える

4 ショック・乏尿
case 24 突然の激しい腹痛が持続、やがて意識障害も出現
ショックの見かけだけをよくする昇圧薬
case 25 上腹部痛の持続、微熱でショックに陥る
解熱鎮痛薬でマスクされる敗血症性ショック
case 26 蜂に刺されてショック状態
治療し過ぎるアナフィラキシーショック
case 27 激しい嘔吐による脱水と乏尿
ちょっと待て、ほんとにいるのかラシックス

5 急性腹症
case 28 激しい下腹部痛「今、生理中です」
若い女性の下腹部痛は、そうでないとわかるまで子宮外妊娠として扱う
case 29 増強する下腹部痛、悪寒、発熱
虫垂炎の穿孔と誤診されるPID(骨盤腹膜炎)
case 30 腹痛、嘔吐、発熱
虫垂炎が誤診されることの多い患者群
case 31 周期的な臍周囲の腹痛・嘔吐、排ガス・排便なし
内科医が長く診すぎる腸閉塞
case 32 高齢者の激しい腹痛
高齢+心房細動+激しい腹痛なのに腹膜刺激徴候なし→腸梗塞の初期
case 33 主訴「浣腸して便を出してほしい」
便秘による腹痛と誤認される特発性S状結腸穿孔!

6 消化管出血
case 34 繰り返し持続するコーヒー残渣様嘔吐
コーヒー残渣様嘔吐だから主病変が消化管出血、とは限らない
case 35 当初、痔の出血と思われた大量の下血
血便、いつも痔とは限らない
case 36 高齢者の「下痢ぎみ」
高齢者の「下痢してます」にご用心

7 頭頸部外傷
case 37 外傷治療中の急変
必ずけがをした理由を聴くべし
case 38 オートバイ事故、頭蓋内損傷+ショック
頭部外傷だけならショックにならない
case 39 事故後、意識は改善するも四肢が動かない
顔面、頭部外傷で意識障害のある患者は、頸椎損傷もあるものとして扱う!
case 40 泥酔して道路に倒れていた
泥酔だけ? それとも泥酔+頭蓋内損傷?

8 胸・腹・骨盤外傷
case 41 オートバイ事故、心電図は洞性頻脈だが心肺停止
緊張性気胸は絶対見逃すな!
case 42 事故で左側胸部打撲、しかし胸部X線撮影で血気胸認めず
肋骨骨折の合併症
case 43 腹部を鉄棒で打撲後、増強する腹痛、嘔吐
遅れて所見の出てくる腹部外傷が多い
case 44 交通事故で骨盤骨折、輸液中ショックとなるv不安定骨盤骨折は容易に2,000ml以上出血する
case 45 左胸を庖丁で刺されたが、歩いて来院
穿通性外傷、電撃傷―見かけと中身は大違い

9 特殊救急
case 46 ブロバリン100錠飲んで1時間後来院
吐かせるべきか、胃洗浄すべきか、それとも……
case 47 ガソリンを吸い込んだ
中毒でも催吐、胃洗浄が禁忌のことがある
case 48 車の排気ガスによる自殺企図
高気圧酸素療法で遅発性一酸化炭素中毒を防ぐ努力をしたことが重要!
case 49 溺水で心肺停止した小児
低体温溺水患者の心肺蘇生は特別
 case 50 マラソン中倒れた、尿がコーラ色
「軽い熱中症」?→ミオグロビン尿→急性腎不全に注意
case 51 猫に手を咬まれた!
動物咬傷で特に怖いのは猫咬傷!
case 52 マムシに咬まれ、肘部をひもで強く縛って来院
毒蛇咬傷は治療し過ぎるな!

10 その他の救急疾患
case 53 糖尿病治療中、全身倦怠、食欲不振、悪心、嘔吐
糖尿病患者の不定愁訴にご用心
case 54 脱力、手足のしびれ、呼吸がしにくい
過換気症候群と誤診されやすい疾患群
case 55 甲状腺機能亢進症治療中、咽頭痛と発熱、翌日ショック状態
主訴が「風邪(発熱、咽頭痛)」でも命に関わる場合がある
case 56 風邪様症状と嘔吐の乳幼児
2歳以下の嘔吐では腸重積と髄膜炎を見逃すな!
case 57 頭痛、嘔吐が先行し、視力障害
頭痛、嘔吐しか訴えない緑内障
case 58 変形性膝関節症治療中、急激な右膝の痛みと腫脹
単発性関節炎+発熱は細菌性関節炎が否定できるまで帰すな!
case 59 突然の一側の陰嚢痛
40歳以下の一側の急性陰嚢痛は、そうでないとわかるまでは精巣捻転として扱う
case 60 腰痛で受診してショック状態へ
尿管結石と誤認される腹部大動脈瘤破裂
case 61 股関節痛? で受診した高齢女性
整形外科疾患と誤認される閉鎖孔ヘルニア嵌頓
case 62 「蜂窩織炎」で帰したらショックで搬送される!
蜂窩織炎と誤認される壊死性筋膜炎
case 63 下肢の蜂窩織炎として紹介された1例
下肢の腫脹、発赤は深部静脈血栓症の否定から
case 64 顔面の発疹から全身痙攣、意識障害
頸部より上の帯状疱疹は中枢神経への波及をマークする
case 65 転倒して腰痛から意識障害へ
高齢者では必ず、既往歴、使用薬を把握すべし
case 66 「排尿時にプツプツした感じがする」
精神科? 心療内科? の患者への対応術を磨くべし

11 検査(1) 画像検査
case 67 バイク事故で呼吸困難
ポータブル撮影にするか、X線室まで行かせるか
case 68 X線撮影の指示の出し方が鍵!
X線撮影の指示の仕方が勝負
case 69 単純X線写真のみかた
単純撮影の読影に強くなれ!
case 70 外傷後、歩行可能な股関節痛、X線で骨折は認めない
救急室で最も多い見逃し、それは骨折
case 71 大動脈解離を疑って胸部CTスキャンをしたが…
単純CTスキャンで大動脈解離を否定しない

12 検査(2) 血液・心電図
case 72 発症後早期の赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット
発症後早期の1回の血算で急性の出血の有無や出血量の判定をしてはならない
case 73 慢性腎不全治療中、食欲不振、全身倦怠
検査結果を待つ時間が命とり
case 74 戸外で倒れていて心肺停止状態
心電図が心静止(フラット)だから死亡、とは限らない

13 手技・機器
case 75 気管支喘息発作で意識障害、転送中嘔吐のため呼吸停止
輸液ルートの「確保」、気道の「確保」とは何か?
case 76 心肺蘇生での気管内挿管
心肺蘇生での気管内挿管は入れ過ぎが多い
case 77 腹部刺創で右大腿静脈に輸液ルート
腹部、骨盤の外傷では下半身に輸液ルートをとるな!
case 78 心室細動で電気ショックを行うも、除細動器が作動しない
除細動器が壊れていた?
case 79 チューブの挿入ミス
胸腔チューブ、膀胱留置カテーテル、鼻胃チューブ、どれも合併症あり
case 80 血胸を疑い、胸腔穿刺するも陰性
Negative tap means nothing !
case 81 酸素投与器具の選択
酸素投与に強くなれ!

14 輸液・薬品
case 82 点滴ボトルのとり違え
病院でも、ボトルにはすぐ名前を!
case 83 輸液のもれ、スピード調節
ドパミンの輸液がもれた!
case 84 気管支喘息発作でアミノフィリン静注
アミノフィリン(ネオフィリン)静注での心肺停止
case 85 ジアゼパムの投与スピード
呼吸、循環不全で暴れる患者にセルシン静注は殺人(罪)剤
case 86 膿胸からひどい悪臭のある膿
悪臭(+)なら嫌気性菌の感染を考えた抗菌薬の選択を

15 トリアージ
case 87 救急室への電話の問い合わせ
電話の段階で大事なトリアージが始まっている
case 88 救急外来で受診手続き中、心肺停止
救急車以外で来た患者が軽症とは限らない(待合室でも心肺停止する)
case 89 内科外来宛の紹介状
内科外来に紹介されてきた患者だから内科の病気とは限らない
case 90 「胆石胆嚢炎」として朝まで診ていたらショックに陥る
胆石胆嚢炎と総胆管結石・胆管炎とは大違い!

16 チームワーク・人間関係
case 91 当直医から日直医へ患者の引き継ぎ
医師から医師への引き継ぎ患者は要注意
case 92 交通事故で日直医が脳外科医、整形外科医、胸部外科医にコンサルテーション
複数科の医師が診る患者は要注意
case 93 救急室にいつも来る軽症患者
救急室の「常連さん」にご用心
case 94 気難しい上籍医が当直の夜
気難しい上籍医へのコンサルテーション術

17 患者の秘密・倫理
case 95 患者の同僚から病状を聞かれて正直に答えた
患者の秘密を守る義務
case 96 交通事故で運ばれた泥酔患者
患者の権利と道義的責任
case 97 13歳のエホバの証人教団信者
13歳の患者を「判断能力のある患者」とみなせるか?
case 98 「階段から転落した」4歳男児
乳児、幼児の外傷は常に虐待も考慮する!

18 診療姿勢・謝罪
case 99 入浴中の心肺停止
救急車から二人の救急患者が降りてきた
case 100 山でマムシに咬まれた男性
患者が亡くなってからも大事な仕事がある

  One Point Study
代謝性アシドーシスの鑑別
電解質異常の救急治療の3原則
Oncologic Emergency
不整脈で急死しうる先天性3羽ガラス
痙攣重積のアプローチ
めまいの鑑別診断
急性腹症のDo & Don't
カナダ頭部CTルール
外傷による低血圧~ショック患者
外傷診断のピットフォールズ
溺水のマネジメント10カ条
偶発性低体温症 accidental hypothermia(深部体温<35℃)
熱中症(heat illness)の分類
糖尿病性ケトアシドーシスの治療
過換気症候群のピットフォールズ
細菌性髄膜炎の起炎菌と抗菌薬の選択
眼科救急のランクづけ
検査のまとめ
緊急薬剤投与の注意点
緊急時使用の薬剤一覧