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職場×発達障害

職場×発達障害
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筆頭著者 五十嵐 良雄 (編著)

メディカルケア虎ノ門理事長

南山堂

電子版ISBN 978-4-525-98246-1

電子版発売日 2017年9月11日

ページ数 184

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-525-18161-1

印刷版発行年月 2017年6月

DOI https://doi.org/10.15104/9784525181611

書籍・雑誌概要

「なんとなく周囲に溶け込めない」「空気を読むのが苦手」…そんな悩みを抱える大人が増えているといわれる昨今,職場においてもこのような従業員と,その周囲の人々への対応に苦慮するケースも多い.本書は発達障害傾向のある事例を多数紹介し,専門外来に至るプロセスから職場復帰まで,職場の産業医が直面する判断に悩むポイントを押さえた.

目次

第1章 発達障害を正しく知り,対応する
 1 産業精神保健分野における発達障害(廣 尚典)
  A.職場における発達障害
  B.事例性と産業医の視座
  C.発達障害に見られる事例性
  D.健康障害と就業面の配慮
  E.就業面の配慮の限界
  F.職場における発達障害者への対応と支援
   1.発達障害と確定診断を受け,障害者手帳を保持している者
   2.発達障害と確定診断を受け,障害者手帳を保持していない者
   3.発達障害が疑われ,職場で問題行動などが事例化している者
   4.職場でとくに問題を起こしていないが,産業保健職が接触を持つ中で発達障害が疑われた者
  G.いわゆる「グレーゾーン」をめぐる問題

 2 発達障害とは(市川宏伸)
  A.発達障害の現状
  B.さまざまな分野と発達障害
   1.発達障害と保健・福祉
   2.発達障害と教育
   3.発達障害と司法
  C.発達障害の特徴
   1.その数の多さ
   2.外見からの課題の分かりにくさ
   3.発達障害の存在の境界は明確ではない
   4.外見上は課題が改善したように見えることもある
   5.家族的背景を持つことがある
   6.いくつかの発達障害が同時に存在していることは珍しくない

  D.発達障害と診断
   1.操作的診断基準
   2.DSM-5について
  E.発達障害と社会的対応
   1.さまざまな法律と支援
   2.発達障害と就労
  F.発達障害をどう考えるか
  G.発達障害における今後の課題

 3 職場での対応~産業保健の役割を中心として~(塚本浩二)
  A.発達障害傾向が見られやすい社会的背景と基本的対応法
   1.現代の社会的背景
   2.「発達障害傾向のある者」への基本的対応法
  B.業務管理が基本
   1.業務遂行の状況を確認する
   2.業務遂行に問題を生じさせている要因を見つける
   3.発達障害の視点から見る
   4.事例性,疾病性,それぞれに対応する
  C.連携の在り方について:監視カメラ型か鏡型か?
   1.監視カメラ型連携
   2.鏡型連携
  D.医療につなげる・つながるとき
     クレームの電話を受けたことを契機に電話に出ることができなくなった
     体調不良のため欠勤が多く,周囲から孤立してしまった
     うっかりミスが多い,指示を守らない,仕事を放置してしまうなどについて叱責を受け,出社できなくなった
     特定業務の能力は高いが,それ以外の部下の育成・教育に関する業務はできず,周囲から不満が噴出し休職となった

 4 企業での顧問医として見る発達障害 (五十嵐良雄)
    ・リワークプログラムを通じて発達障害の存在が確認できたが,職場が障害性を理解できなかったため,再休職.
     その後再びリワークプログラムを利用し,障害者職業センターのジョブコーチ支援を導入しうまくいった
    ・強迫性障害.入社時から強迫症状が目立つが,背景に発達障害がありそうな社員.
     本人からはある程度の理解は得られたが,本人家族の受容が困難で将来が見えない
    ・注意欠如多動性障害(ADHD).本人のミスに激高した上司が暴力行為を起こして労災に認定.
     休職となったが,リワークプログラムに参加し,発達障害を受容した本人の経過は良好
    ・アスペルガー障害.数回の休職を繰り返しながら,異動して本社に戻るタイミングで発達障害と診断され,
     リハビリテーションプログラムに参加して,自己受容ができた

第2章 発達障害と分かったら~専門外来,心理療法,復職支援~
 1 発達障害専門外来から見えること(岡本龍也,飯島優子)
  A.当院の発達障害専門外来の概要
   1.専門外来で実施している評価尺度
   2.受診者の特徴
  B.産業医,産業保健スタッフに知っておいてほしいポイント
   1.初診紹介時のポイント
   2.職場で問題となりやすいポイント
   3.学生と失職者の悩み
  C.発達障害の診断に伴う問題
   1.情報の氾濫,過剰診断
   2.診断を受けることのメリット・デメリット
   3.発達障害と診断することの難しさの問題
  D.産業医からの紹介を受けて
    ・発達障害の典型的な事例.重なる意思疎通不良やケアレスミスにより人間関係が悪化し,
     産業医より紹介を受けて外来へ来た
    ・発達障害と誤認された事例.意思疎通がうまくいかないことから発達障害を疑われ,
     産業医面談を経て当院外来へ紹介されてきた(福島 南)

 2 リワーク外来から見えること (五十嵐良雄,岡本龍也)
    ・苦手な業務の担当になり,周囲から孤立.仕事への意欲が低下して休職に至った
    ・リワークプログラムを経て復職したが,再休職して退職.その後,就労支援事業所に通所し,
     障害者雇用で非正規雇用から正規雇用を目指し,安定的な勤務につながった(吉村 淳)

 3 発達障害の心理社会療法 (高橋 望,福島 南)
    ・上司からの指示,同僚と話す内容を記憶することや,他者の気持ちを読むことが苦手で疲弊してしまい,
     うつ病と診断され休職に至った
    ・業務内容の変化,持病の悪化に伴い仕事上のミスが増えたり,他者の発言の真意(趣旨,意図)が
     つかめないことが多くなり,そのことで自己評価が低下し休職を繰り返す(高橋 望)

 4 コーディネーターによる復職時の会社との連携 (吉村 淳,飯島優子)
  A.会社との連携の必要性
  B.会社との連携 <成功事例>
     職場内で問題を抱える中で抑うつ症状が出て休職となった.リワークプログラムに参加し,ADHDと診断され,
     コーディネーターとの連携で職場復帰ができた
  C.会社との連携 <失敗事例>
     家庭環境の影響もあり対人関係への緊張,不安が大きく,仕事が手に付かない状況で自宅療養し
     リワークプログラムへ参加
  D.リワークコーディネーターの視点による連携の流れと注意点
  E.会社との連携におけるリワークコーディネーターの役割
  F.より良い連携に向けて

第3章 発達障害に有効な外的資源を活用する
 1 企業を支援するCAPでの取り組み紹介 (山口佳奈,松村英哉)
    ・復職に際し障害者職業センターの「就労準備支援」を利用したケース.
     慣れない管理業務や仕事の失敗から自信を無くし,業務遂行が困難となり休職になった
    ・コミュニケーションスキル不足から部下の統率が困難となり休職.
     復職に際しリワーク・トライアルを利用し,発達障害が疑われた(松村英哉)

 2 発達障害とストレスチェック制度との関連(松村英哉,山口佳奈)
  A.ストレスチェック制度における面接指導の概要
  B.発達障害の特徴
   1.強いこだわり
   2.社会性の障害
   3.コミュニケーションの障害
  C.発達障害を持つ従業員に対する職場の評価
  D.面接指導後の対応
  E.発達障害とストレスチェック制度との関連

 3 就労移行支援事業所での発達障害の就労への取り組み(萩原健司,古野洋一)
  A.就労移行支援事業所とは
  B.就労移行支援事業所「ライフ&ワーク」の事業活動
  C.「ライフ&ワーク」の利用規定と利用者の特徴
   1.一般就労と障害者就労の違い
   2.プログラム
   3.主治医との連携
   4.スタッフに関して
   5.企業との連携
   6.採用面接の実際
  D.就労移行支援事業所における発達障害の事例
    ・大手企業に就職するが度重なるミスがきっかけで退職となり,その後,障害者雇用で再就職した
    ・大学院を休学中に就労移行支援事業所を利用して,障害者雇用での採用につながった
    ・発達障害を隠しての就職を目指したが,生活リズムが安定せず,途中で通所を中止することになった
    ・障害受容はできていたが,障害者雇用に抵抗感があったため,
     人材紹介会社に登録して「障害者」を伏せたクローズで就職した
    ・大学に進学後,勉強についていけなくなり,自宅に引きこもってしまった.
     休学中に当事業所に通所したが,途中で通所できなくなり中止となった
  E.障害者雇用を受け入れている会社の声
   1.大手企業特例子会社(採用担当者)
   2.人材紹介会社の特例子会社(採用担当者)
   3.金融機関(所属部署の上司)
  F.企業側から見る障害者雇用の注意点と実際
   1.発達障害について障害受容できていない場合
   2.クローズでの就職を希望する場合
   3.実習先に採用される場合
   4.非正規雇用から正規雇用を目指す場合
   5.本人の現実検討力がなく,高い目標を設定し障害受容が難しい場合
   6.企業と就労支援事業所との連携の必要性(萩原健司)

あとがき

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