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死を迎える日のための心得と作法17カ条

死を迎える日のための心得と作法17カ条
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筆頭著者 藤腹 明子 (著)

青海社

電子版ISBN

電子版発売日 2022年8月8日

ページ数 250

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-902249-21-7

印刷版発行年月 2006年7月

DOI https://doi.org/10.57286/9784902249217

書籍・雑誌概要

死にゆく一人ひとりが、主体的、積極的に自分らしい最期を迎えられるように努力することこそ、現状の末期医療をより良いものにしていく。また、看取りや末期医療は、死を迎える個々人の「心得と作法」に基づいて行われるべきものである。
 本書は日本人のこころの在りようや、より「日本的」ということを意識した、死を迎える日のための、あるいは看取られるための心構え(心得)や実際(作法)を具体的に記している。末期医療を受けるご本人、ご家族、最後の生を支える医療・福祉に携わる方々にとって心のよりどころとなるであろう。

目次

いつか死を迎える日のための心得と作法について
第1カ条 人として生まれることは難しく、今あるいのちが有難いこと
 なぜ人として生まれることは難しく、今あるいのちが有難いのか
 人に生まるるは難く、いま生命あるは有難く/「有り難い」ということについて
 生命(いのち)の始まり、生命(いのち)の終わり
 『仏教聖典』にみる生命観
 生命の捉え方/『仏教聖典』にみる命と生命/『仏教聖典』にみる「命」の捉え方/命の前提となる考え方/得難い生命の延長戦上にある命の終わり

第2カ条 人はいつか必ず死を迎えるものであると自覚すること
 いつか“散るさくら”になることを自覚を
 生死に向き合うことは、真実に向き合うこと
 いのち教育の大切さ
 人はいつ頃から死の概念が分かるのか/人生の幕はいつ降りてくるか分からない/いのち教育の必要性と大切さ

第3カ条 日々、生死一如と心得て生きること
 生死一如・無情迅速ということについて
 変化・変転し続けている存在としての人間
 「生死一如」と心得て生きるために
 過去・現在・未来という時間の流れのなかで/今の時間を行き、生死観を育む
 「生死一如」に対する想いの馳せ方
 死のこちら側の死を想うこと/死の瞬間の死を想うこと/死のむこう側の死を想うこと

第4カ条 死ぬとき・死に方・死に場所を平生より思いえがくこと
 人生をより豊かなものとするために残りの時間を意識する
 四つの生涯段階(四住期)に学ぶ人生の意義
 現代人の死ぬとき・死に方・死に場所
 死ぬとき/死に方/死に場所

第5カ条 限りあるいのちの短さを知ることは、死に支度には必要なこと
 “病名告知”ということについて
 病名告知の実態とその目的
 病名告知の実態/病名告知が問題となる理由/病名告知の目的/病名告知の条件
 なぜ、限りある命の短さを知ることが大事なのか

第6カ条 死ぬということは、この世からあの世へと旅立つこと
 ターミナルケアの語源には境界という意味が
 三途の川にも境界が
 臨死体験者のバリア体験にも境界が
 死後の世界に対する人々の態度
 新たな価値観への転換となるもの/あの世の存在への賭け
 死という超え難い一線を乗り越えるために

第7カ条 自分の「願い」を第一にして看取られること
 だれも相手には成り代わりえない存在であるがゆえに
 「恕」の心について/同感という能力/死を学ぶ、死に学ぶ
 死を畏れ、死を恐れずに
 死に対するおそれ/死に対する畏れと恐れ/死を畏れ、死を恐れずに生きる生き方を
 平生から自身の願いを明らかに
 自分の願いをリビングウィルに託す/自分の意思をエンディングノートに記す

第8カ条 死に向かう過程で生じる五つの苦しみを心得ておくこと
 生老病死に伴う苦しみ
 末期にある人やその家族の苦(苦痛・苦悩)
 五つの側面からみた苦(苦痛・苦悩)
 基本的欲求に伴う苦/身体的側面の苦/内的側面の苦/社会的側面の苦/生活面の苦/看取られる者もその家族も、死にゆく過程で生じる苦を心得ていること
 「痛み」という苦痛について
 痛みが人に与える影響/痛みの原因については説明を受けること/痛みの感じ方と心の状態

第9カ条 看取ってくれる人々の役割・立場を心得ておくこと
 看取りに関わってくれる専門家たち
 看護師の役割/医師の役割/ソーシャルワーカーの役割/宗教家の役割/薬剤師の役割/栄養士の役割/理学療法士・作業療法士の役割/音楽療法士の役割/ボランティアの役割/家族の役割
 在宅ターミナルケアを希望する人への関わり

第10カ条 看取られるということは、本人のみならず家族も含めて見護(みまも)られること
 「家族」とはどのような存在なのか
 末期患者を抱えた家族の苦とそのニーズ
 基本的欲求に伴う苦/身体的側面の苦/内的側面の苦/社会的側面の苦/生活面の苦
 家族の死は、残される者にとっても危機的な出来事
 対象喪失と悲嘆・予期的悲嘆について
 正常な悲嘆の心理過程、病的な悲嘆の心理過程
 家族が少しでも早く元の日常生活を取り戻すために
 配偶者を亡くした男性と女性の気持ちの相違

第11カ条 看取られる者・看取る者共々に目指すのは「救い」ということ
 「救い」の概念
 看取られる者・看取る者がめざす「救い」とは
 看取りがめざすものからみた「救い」とは
 人としての望ましい臨終・死からみた「救い」/看取る側からみた望ましい臨終・死からみた「救い」
 最期の瞬間(とき)の救いをめざして
 「救い」は個々人の問題である/看取られる者も看取る者も、共に生死観を育むことの大切さ

第12カ条 自分の生き様・死に様を決めるのは、自らの生死観であるということ
 生死観とは何か
 なぜ、生死観が大切なのか
 生死観はその人の死の迎え方を左右する/生死観は個々が育んでいくもの
 人の生き様、死に様に学ぶ生死観

第13カ条 看取りの善し悪しは、看取りを受ける本人が決めること
 看取りと評価
 看取りはどのような視点で評価されるのが望ましいのか
 末期患者のQOLからみた評価/QOLと病名・病状・予後などを知っていること/各人の「死を迎えるため心得と作法」からみた善し悪しの判断/家族の立場からみた善し悪しの判断も大切に

第14カ条 死を迎える日に、心残りや憂いがないように努めること
 人それぞれに生き様、死に様があるけれど
 死に向かう三ヶ月という期間の大切さ
 中世の臨終行儀書にみる臨終時の心得と作法
 心残りや憂いがない最期を迎えるために

第15カ条 死にゆくとしても、言いたい放題、わがまま放題は避けること
 「病む」という体験がもたらすもの
 病気は人を「わがまま」にさせることがある
 自己中心性/依存性/怒り・攻撃性
 言いたい放題、わがまま放題を避けたい理由
 「わがまま」と「わがまま」/「わがまま」である自分に「これでいい」といいたい/看取られる者、看取る者が共に「わがまま」でいられるように

第16カ条 自分の臨終・死後処置については、自身の願いを伝えること
 危篤・臨終とはどのような状態・状況をいうのか
 危篤とは/臨終・命終とは
 死後処置の目的とその実際
 死後処置が行われる前に/死後処置の実際
 臨終・命終・死後処置に対する希望とエンディングノート

第17カ条 死に向けて心得ておくべきことには、看取られた後の事柄も含まれること
 死にまつわる文化には、その国固有のものがある
 人が死んでからお墓に入るまで
 「人の死から埋葬までの手続きとその実際」の見学から知りえたこと
 死亡届と火葬許可証/葬儀の費用はいくらかかるのか/入棺体験を通じて感じたこと/火葬・斎場・墓石などのこと/お墓ディレクターについて
 死後に対する心得・希望とエンディングノート
 死に備えるために必要な教養