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はじめての老化学・病理学
人間科学のためのライフサイエンス入門
筆頭著者 千葉 卓哉 (著)
コロナ社
電子版ISBN
電子版発売日 2022年6月27日
ページ数 174
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-339-07811-4
印刷版発行年月 2016年4月
書籍・雑誌概要
寿命と老化を中心に解説し,老化に伴って発症する身近な疾患の病理学を学べるよう構成。我々がなぜ老化し,病気になり,やがて死に至るのかを考え,天寿を全うするにはどのような科学的信頼のある方法があるのかを理解してほしい。
目次
第1部 現代科学と老化学・病理学
第1章 寿命・老化学概論
1.1 ヒトは何歳まで生きられるのか
1.2 ヒトの寿命は延長できるのか
1.3 アンチエイジングとは何か
1.4 病理学と遺伝学
1.5 老化学が研究対象とする生物
1.6 老化の基礎研究と臨床研究
1.7 わが国の死因と生活習慣病
1.8 死亡率とゴンペルツ関数
1.9 平均寿命の延伸と社会的課題
第2章 病理学概論
2.1 診療科と基礎医学教室
2.2 病理学とは何か
2.3 個体を構成する階層
2.4 疾病の成り立ちと回復
2.5 人体病理学と実験病理学
2.6 病理学総論と病理学各論
第3章 医科学研究の方法論
3.1 顕微鏡による観察法
3.2 組織標本の作製法
3.3 PCR法
3.4 DNA配列の解読法
3.5 DNAマイクロアレイ解析法
3.6 古典的生物学から分子生物学の方法論へ
第4章 長寿科学研究のいま
4.1 カロリー制限とは何か
4.2 老化研究に用いられるモデル生物
4.3 植物由来の抗酸化成分
4.4 サーチュインとは何か
4. 5DNAの発現調節
4.6 タンパク質の修飾と立体構造
4.7 サーチュインタンパク質の細胞内局在と標的分子
4.8 サーチュインタンパク質と寿命制御
4.9 サーチュインタンパク質とカロリー制限
4.10 哺乳類におけるNAD合成系とサーチュインの働き
第5章 カロリー制限模倣物の候補とその作用
5.1 サーチュイン活性化剤 ―レスベラトロール―
5.2 免疫抑制剤 ―ラパマイシン―
5.3 降圧剤 ―テルミサルタン―
5.4 抗糖尿病薬 ―メトホルミン―
5.5 抗高脂血症薬 ―プラバスタチン―
5.6 抗肥満ホルモン ―アディポネクチン―
5.7 代謝改善剤 ―ロシグリタゾン―
5.8 グルコース類似体 ―グルコサミン―
5.9 ニューロペプチドY活性化剤 ―グレリン―
5.10 その他のカロリー制限模倣物
第2部 人間科学のための長寿科学
第6章 長寿科学入門
6.1 平均寿命と健康寿命の違い
6.2 生物学的に見た寿命の延長戦略
6.3 健康福祉産業の創造
6.4 セルフメディケーションと健康食品
6.5 一塩基多型と疾病
第7章 老化の定義とその特徴
7.1 老化研究の目標
7.2 加齢・老化・寿命・死とその定義
7.3 老化の特徴
7.4 死の三徴候
7.5 短寿命および長寿命変異体を用いた老化研究
7.6 加齢とロコモティブシンドローム
7.7 流動性知能と結晶性知能
第8章 さまざまな老化の学説
8.1 老化の基本学説
8.2 個体レベルから分子レベルでの老化の仮説
8.3 遺伝情報による寿命の支配と環境による修飾
第9章 老化の分子メカニズム
9.1 ミトコンドリアとフリーラジカル
9.2 フリーラジカルによる生体分子への影響
9.3 酸化ストレスと老化疾患の発症
9.4 紫外線によるDNAの修飾
9.5 酸化ストレスの抑制と寿命
9.6 細胞の老化
9.7 細胞老化と個体老化
9.8 細胞周期とテロメア
9.9 老化細胞の形質
9.10 有性生殖と老化
9.11 免疫機能の低下と個体の老化
9.12 神経内分泌(ホルモン)と老化
第10章 環境や遺伝子が老化に及ぼす影響
10.1 エピジェネティクスによる寿命の制御
10.2 環境因子と発ガン
10.3 ストレスと老化
10.4 老化促進と早老症
10.5 早老症と部分的早老症
10.6 動物の体の大きさと最長寿命
10.7 有性生殖と無性生殖
10.8 進化の過程における老化形質の選択
10.9 老化の多面拮抗発現説
10.1 老化の使い捨て体細胞仮説
第11章 抗老化の実験研究と実践
11.1 カロリー制限した動物と長寿命変異体の類似性
11.2 カロリー制限によって発症・進行が抑制される疾患
11.3 カロリー制限にはなぜ抗老化効果があるのか
11.4 GH/インスリン/IGF―1シグナル伝達系による寿命制御
11.5 レプチンによる神経内分泌系の制御
11.6 遺伝的肥満型ラットに対するカロリー制限の影響
11.7 霊長類に対するカロリー制限の効果
11.8 カロリー制限の効果を模倣する物質の候補
11.9 カロリー制限の負の側面
11.1 科学的かつ安全なアンチエイジング
第12章 栄養素の代謝と吸収
12.1 代謝のあらまし
12.2 代謝とエネルギー産生
12.3 食品の機能性
12.4 糖質代謝と食物繊維
第3部 人間科学のための病理学
第13章 疾病の成り立ち
13.1 疾病のカテゴリー
13.2 病理学から見た生体の反応
13.3 病因とは何か
13.4 内因と外因の組合せによる疾病の発症
第14章 細胞傷害と細胞の応答
14.1 細胞傷害の要因
14.2 異常封入体とその形態
14.3 細胞傷害による細胞の形態変化
14.4 細胞傷害の原因と酸素の役割
14.5 不可逆的変化と細胞死
14.6 壊死とアポトーシス
14.7 壊死の種類とその形態変化
14.8 アポトーシスとその形態変化
14.9 アポトーシスのメカニズム
14.1 細胞傷害に対する適応
14.11 肥大の分類と原因
14.12 萎縮の分類と原因
14.13 化生と発ガン
14.14 再生力と再生の種類
14.15 ヘテロファジーとオートファジー
14.16 細胞傷害による代謝異常
第15章 生活習慣と関連した疾病
15.1 循環器系とは何か
15.2 虚血とその原因
15.3 全身性の循環障害
15.4 出血の種類
15.5 炎症と浮腫
15.6 生活習慣病とその要因
15.7 高血圧症とその要因
15.8 脳卒中の分類
15.9 虚血性心疾患とその要因
15.10 血糖値の調節と糖尿病
15.11 糖尿病の合併症
15.12 脂質代謝異常と肝疾患
15.13 肥満とアディポサイトカイン
15.14 血管の老化と動脈硬化症
15.15 痛風とその要因
15.16 メタボリックシンドロームとその定義
第16章 腫瘍
16.1 腫瘍とは何か
16.2 腫瘍の形態と分化度
16.3 腫瘍の細胞異型と構造異型
16.4 良性腫瘍と悪性腫瘍の違い
16.5 組織発生による腫瘍の分類
16.6 腫瘍の発生病理
16.7 腫瘍発生の二段階説(多段階説)
16.8 発生するガンと年齢との関連
16.9 悪性腫瘍の転移様式
16.10 腫瘍の診断と治療法
16.11 放射線障害と発ガン
引用・参考文献
索引
コーヒーブレイク
実験動物が与えてくれる科学的進歩
生命科学系研究者のキャリアパス
科学研究のインパクト
学術研究と営利企業の関係と利益相反
ラスカー賞の日本人受賞者
TLO(技術移転機関)
老化と寿命を左右する遺伝子とその名前の由来
老化のフリーラジカル説
徐福伝説
オーファンドラッグとアンメットメディカルニーズ
コンビニエンスストアで100円当たり最も高カロリーな食品は何か
生体における栄養素代謝とサプリメント
遺伝子による寿命の決定
慢性閉塞性肺疾患と肺炎
BMIと平均余命
遺伝的要因によっておこるガン