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高次脳機能障害ABC

高次脳機能障害ABC
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筆頭著者 網本 和 (編)

文光堂

電子版ISBN

電子版発売日 2021年11月29日

ページ数 236

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-8306-4529-7

印刷版発行年月 2015年11月

DOI https://doi.org/10.50936/9784830645297

書籍・雑誌概要

リハビリテーション関連職種を目指す学生・臨床経験の浅い初学者を基本的な対象と想定しているが,指導的立場にある経験者にも知識・情報を整理して新たな展望を拓くことにも役立つ,臨床家(professional)のための実践書である.障害の定義・概要,なぜその障害が出現するのか,評価とアプローチとその流れ,症例提示,理論的背景や臨床におけるさらに一歩進んだ解説に加え,画像診断についても解説している.

目次

第1章 高次脳機能障害のABC
 高次脳機能障害のABC
  A 高次脳機能障害をめぐって(aspects of higher brain dysfunction)
  B 脳の可塑性(brain plasticity)
  C 認知リハビリテーション(cognitive rehabilitation)
第2章 高次脳機能障害の実際
 1 意識障害
  1) 意識障害とは?
  2) 意識の中枢はどこ?
  3) 意識障害の原因は?
  4) 重症の意識障害患者の大切なサイン
  5) 意識障害を評価する
  6) 意識障害の判断に迷う病態
  7) 意識障害に対するアプローチ
  8) 評価と治療アプローチの流れ
  9) 症例提示
  10)治療経過のまとめと解釈
  11)ADVANCED LEVEL▶頭部画像から診る意識障害
  12)まとめ
 2 注意障害
  1) 注意とは?
  2) 注意障害の評価
   1) 机上検査
   2) 日常生活の観察による評価
  3) 注意障害の責任病巣
  4) 注意障害に対するアプローチ
  5) 治療アプローチ決定までの流れ
  6) 症例提示
  7) ADVANCED LEVEL▶運動課題と認知課題,どちらの処理を優先する?
  8) まとめ
 3 認知症
  1) 認知症とは?
  2) なぜ認知症が出現するのか?
  3) 認知症に伴う症状は?
  4) 認知症に対する評価は?
  5) 認知症に対するアプローチは?
   1. 認知トレーニング
   2. 運動療法
   3. 日常生活への支援
   4. 介護者への支援
  6) 評価と治療アプローチの流れ
  7) 症例提示
   1. 基本情報
   2. 特別養護老人ホーム入居時の評価
  8) 初期評価中の担当セラピストの考察内容と治療経過
  9) ADVANCED LEVEL▶日常生活動作の基礎となる機能を向上する
  10)まとめ
 4 失語症
  1) 失語症とは?
  2) 失語症のタイプと症状,損傷部位
   1. 失語症研究の流れ
    1) 古典論─ウェルニッケ-リヒトハイムのモデル
    2) ボストン学派による失語症候群
  3) 失語症研究の最近の動向
   1. 認知神経心理学的アプローチ
   2. 計算論的認知神経心理学
   3. 表出や理解に影響を及ぼす語の属性
  4) 失語症の評価と訓練
   1. 評 価
   2. 訓 練
  5) ADVANCED LEVEL▶ブローカ失語およびウェルニッケ失語患者における文の発話
   1. 文発話のプロセス
    1) 語彙プロセス:XバーとD構造
    2) 統語処理とS構造
    3) 形態・音韻処理
   2. ブローカ失語における文発話の障害─助詞の誤用
    1) 仮名単語,仮名非語の音読
    2) 名詞,動詞,助詞の読み
    3) 助詞の音読成績と頻度
    4) 患者Aの音読障害と文法障害
   3. ウェルニッケ失語患者の発話─意味不明のジャーゴン発話
    1) 動詞の活用検査
    2) 外国語話者のジャーゴン発話
   4. 脳の損傷部位と症状
  6) まとめ
 5 失行症
  1) 失行とは?
  2) なぜ失行が出現するのか?
  3) 失行にはどのような種類があるのか?
  4) 脳のどこが損傷されると出現するのか?
  5) 失行を評価する
  6) 失行に対するアプローチ
  7) 評価とアプローチの流れ
  8) 症例提示
  9) ADVANCED LEVEL▶失行メカニズムの解明に向けて
  10)まとめ
 6 失認症
  1) 失認とは?
  2) なぜ失認が出現するのか?
  3) 失認にはどのような種類があるのか?
  4) 脳のどこが損傷されると出現するのか?
  5) 失認を評価する
  6) 失認に対するアプローチ
  7) 評価とアプローチの流れ
  8) 症例提示
  9) 動く対象の認知
  10)まとめ
 7 半側空間無視
  1) 半側空間無視とは?
  2) 半側空間無視の一般的症状
  3) 左側が見えないのか?
  4) なぜ無視が生じるのか?(症候学的仮説)
  5) 脳のどこが損傷すると半側空間無視が生じるのか?
  6) なぜ無視が生じるのか?(神経科学的仮説)
  7) 半側空間無視だけか?
  8) 半側空間無視の評価
  9) 半側空間無視へのアプローチ
  10)評価と治療アプローチの流れ
  11)症例提示
  12)ADVANCED LEVEL▶視覚的注意の制御
  13)まとめ
 8 Pusher現象
  1) Pusher現象とは?
  2) なぜPusher現象が出現するのか?
  3) 脳のどこが損傷されると出現するのか?
  4) 麻痺側へ傾いているからといって,すべてがPusher現象ではない!
  5) Pusher現象を評価する
  6) Pusher現象に対するアプローチ
  7) 評価と治療アプローチの流れ
  8) 症例提示
  9) 初期評価中の担当セラピストの考察内容と治療経過
  10)ADVANCED LEVEL▶脳機能解剖の視点からの戦略
  11)まとめ
 9 記憶障害
  1) 記憶障害とは?
  2) 記憶にもいろいろな種類がある
   1. 記憶している時間による分類
   2. 生活時間の流れに沿った分類
    1) 過去から積み上げられてきた記憶
    2) 現在の意識を作り上げている記憶
    3) 近未来に予定した行動を駆動する記憶
  3) 記憶障害にもいろいろなタイプがある
   1. 純粋健忘症候群
   2. コルサコフ症候群
   3. 頭部外傷後遺症による健忘症状
   4. 意味記憶障害
  4) 記憶障害をどのように検査するか
  5) 記憶障害のリハビリテーション(「脳トレ」「メモ取れ」「枠はめ」トレーニング)
  6) ADVANCED LEVEL▶障害の気づき(アウェアネス)へのアプローチ
  7) 認知症の記憶障害に対する対応
  8) 症例提示
  9) まとめ
 10 遂行機能障害
  1) 遂行機能とは?
  2) 前頭葉機能を理解するための枠組み
  3) 遂行機能の検査にはどのようなものがあるか
  4) 遂行機能障害によって社会生活に起きそうな問題を予想する
  5) 遂行機能障害のリハビリテーション
   1. 遂行機能障害の改善を目指す直接トレーニング
   2. 遂行機能障害を有する患者の日常生活への適応を向上させるアプローチ
   3. 遂行機能障害を有する患者の就労支援
   4. 遂行機能障害の外的代償手段
   5. まとめ
  6) ADVANCED LEVEL▶前頭葉損傷による物品の系列的操作の障害
                 ─action disorganization syndrome─
  7) まとめ
第3章 解剖学的基盤と画像診断
 1 画像の診かたの基礎
  1) 機能解剖の基礎
  2) 形態画像と機能画像
 2 前頭葉障害画像と臨床症状
  1) 発動性の低下(アパシー)
  2) ワーキングメモリーの障害
  3) 遂行機能障害
  4) 注意障害
  5) 流暢性の障害
  6) 病識の低下
  7) 情緒・感情のコントロールの障害
  8) 道具の強迫的使用・他人の手徴候(alien hand)
  9) 展望的記憶の障害
  10)運動障害
 3 頭頂葉障害画像と臨床症状
  1) 右頭頂葉
  2) 左頭頂葉
 4 側頭葉障害画像と臨床症状
  1) 聴覚情報の処理の障害
  2) 記憶障害
  3) クリューヴァー・ビューシー症候群
 5 後頭葉障害画像と臨床症状
  1) 一次視覚野(17野)を主とする障害
  2) 二次視覚野(18野,19野)を主とする障害
  3) 相貌失認
  4) バリント症候群
  5) 同時失認
  6) 街並失認
 6 基底核障害画像と臨床症状
  1) 基底核の構造と機能,大脳半球との線維連絡
  2) 視床の構造と機能,大脳半球との線維連絡
 7 fMRI,fNIRSなど脳機能画像
  1) ニューロイメージングの技術が脳機能を視覚化する
  2) fMRI(機能的MRI)は脳活動の何を見ているのか
  3) fMRIの実際
  4) fNIRS(機能的NIRS)は脳活動の何を見ているのか
  5) fNIRSの実際
  6) fMRI/fNIRSを利用した脳卒中の機能回復に関する研究
索引