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ザ・テキスト 食道・胃・十二指腸ESD

ザ・テキスト 食道・胃・十二指腸ESD
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筆頭著者 大圃 研 (編)

NTT東日本関東病院 消化管内科 部長

その他の著者等 千葉秀幸 編

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2021年11月15日

ページ数 504

判型 A4

印刷版ISBN 978-4-7653-1887-7

印刷版発行年月 2021年11月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765318877

書籍・雑誌概要

好評を博した「ザ・テキスト大腸ESD」の続編、上部消化管編が堂々完成! 内視鏡のトッププロフェッショナルであるDr.大圃のESD手技を細かなテクニックに分解し、実症例をあげながら解説。食道ESD・胃ESDに加えて、全く新しい分野として十二指腸ESDに関してもボリュームを割き体系的に解説。大圃組が全力をあげて完成させた、上部消化管ESDテキストの決定版!

■本書の特色
●大圃組直系・少数精鋭による執筆で、一貫性のある“考え方を含めた流儀”を学ぶことができる。
●基礎・初級・中級・上級のレベル別かつ部位別に手技を解説。確実にステップアップできる。
●実際の経験症例を動画で提示。“明日の症例”に対する具体的なイメージトレーニングができる。事前にトレーニングすることができない偶発症についても、単純な対処方法のみならず、入院マネージメントまで、具体的なフローを詳細に記載し、反省点まで提示。
●症例動画にくわえテクニックに特化した動画を豊富に公開(約110本)。ポイントのみの抜粋ではなく、実際のテクニックをその前後から長めに収録し、一連の手技の中にその技がいかに組み込まれているのかを臨場感をもって視聴できる。
THE TEXT ESD Ver. Colon(ザ・テキスト大腸ESD)が発売されて、早2年が経ちました。大腸ESDの普及に伴って多くの大腸ESDに関する本が出版された時期でしたが、幸いにも好評をいただいているようです。そこでぜひ上部のESDに関しても執筆を、というお話を今回金芳堂の黒澤さんからいただきました。

ESDはまず上部消化管に関して普及が進み、同時にその手技を詳説した本も多く出版されてきました。ただ、大腸ESDに先んじて技術的な習熟を迎えたこともあって出版から時間が経っているものが多いことも事実です。私たちの一門は治療内視鏡に関しては全臓器を対象としてきました。その中で大腸ESDが習熟するにつれ、そこで培った手法が上部ESDに大きく反映されるようになりました。そのスタイルは上部ESDが中心であった過去とは大きく様変わりしています。また、最近では十二指腸のESDの施行施設も増えていますが、それに関して詳述した本はまだないのが現状かと思います。そこで、今一度古くて新しい、“上部のESDの今“というものをまとめることも意味があるのでは、と今回上梓するに至りました。

内視鏡技術に何が正解だと決める気は毛頭ありませんが、手技にスタイル・流派というものは厳然と存在し、それを存立基盤として個々の手技は成立していると思います。根底に流れるものに一貫性があってこそ、寄せ集めの共著とはならないと常々考えております。2000年代後半の手技の確立期に学んだ大森赤十字病院の千葉秀幸先生や東京大学辻陽介先生、2010年代に学んだ東京女子医大の野中康一先生、その後から今共に切磋琢磨している当院の村元喬先生・港洋平先生、志賀拓也技師に解説してもらいました。執筆は私の一門のみ、且つ少数精鋭であり、過去と融合した最新の我々の上部ESDスタイルの真髄を体現するに相応しいメンバーだと自負しております。また、全く新しい分野ですが十二指腸ESDに関してもボリュームを割いております。体系化された十二指腸ESDの項目は、それだけで一冊の本になるような読み応えのある内容です。

大腸のESDなど他臓器のESDから転用した技術、今の高周波をはじめとした周辺機器を用いた技術、新しい臓器でのESDの技術、この20年の進化の集大成として、あえて上梓した“古くて新しい上部ESD本”、ぜひ手に取りご活用いただければ幸いです。

目次

Ⅰ 上部消化管ESDの準備

1 周術期マネージメント
2 高周波装置の設定
3 内視鏡選択
4 処置具選択

Ⅱ 食道

ステップアップESD
1 基礎ESD
到達目標1 食道ESD は、“頭を使った”ストラテジーで
到達目標2 病変周囲マーキングのコツと注意点
到達目標3 デバイスさばきのコツ
到達目標4 スコープさばき
到達目標5 局注のコツ
到達目標6 止血のコツ

2 初級ESD
到達目標7 終点作りのコツ
到達目標8 辺縁トリミングのコツ
症例1 中部食道(重力対側)~C字切開とは~
症例2 中部食道~半周程度の病変~

3 中級ESD
到達目標9 生理的狭窄部(壁外圧排含む)病変での工夫と注意点
到達目標10 トンネルの作り方
症例3 頸部食道
症例4 食道胃接合部病変(主にBarrett食道腺癌)
症例5 食道亜全周性病変
症例6 食道全周性病変
症例7 食道全周性病変(その2)

4 上級ESD
到達目標11 CRT後症例
到達目標12 食道ESD困難例(高度線維化例、憩室例)
症例8 CRT背景にできた異所性食道癌
症例9 食道静脈瘤合併食道癌症例
症例10 高度瘢痕例~CRT後ESD中断症例~

トラブルシューティング
1 小さな筋層損傷から穿孔まで
2 後出血
3 遅発性穿孔
4 あきらめる時

特別編
1 まだら食道をどうするか
2 食道ESD後狭窄について
3 狭窄解除

Ⅲ 胃

ステップアップESD
1 基礎ESD
到達目標1 病変周囲へのマーキング
到達目標2 ITまたは先端系?~プレカットまで~
到達目標3 局注のコツ~こだわりの局注とは~
到達目標4 辺縁切開のポイント
到達目標5 剥離のコツ~至適距離とは~
到達目標6 剥離のコツ~エッジを取る~
到達目標7 剥離のコツ~始点と終点をコントロールする~
到達目標8 剥離のコツ~この粘膜下層は、切開モード?凝固モード?~
到達目標9 止血の極意
到達目標10 病変へのアプローチ~順方向(見おろし)か反転か~

2 初級ESD
到達目標11 トリミングの意義とそのコツ
到達目標12 スコープを安定させるために
到達目標13 皺を作らない
症例1 前庭部前壁
症例2 前庭部小彎
症例3 胃角前壁
症例4 前庭部大彎
症例5 体下部小彎

3 中級ESD
到達目標14 脂肪が多い部位の対処
到達目標15 スコープが届かない時
到達目標16 大彎処理とは
到達目標17 呼吸変動対策
到達目標18 穿通枝、太い動脈が見えたら
症例6 体中部小彎
症例7 体下部大彎
症例8 噴門部
症例9 体上部前壁
症例10 体上部後壁

4 上級ESD
到達目標19 高度な線維化対策
到達目標20 大型病変への対策
到達目標21 幽門病変対策
症例11 大型病変
症例12 穹窿部
症例13 体上部大彎
症例14 瘢痕
症例15 幽門を跨ぐ病変
症例16 残胃のESD

トラブルシューティング
1 治療中の高度な出血
2 後出血
3 術中穿孔
4 遅発性穿孔
5 あきらめる瞬間を知る

特別編
1 Hybrid ESD
2 経鼻内視鏡を用いたESD
3 トラクション法

Ⅳ 十二指腸

基本知識
1 治療方針
2 縫縮の意義・重要性
3 縫縮の手技と手法
4 偶発症のまとめ
5 適応外病変
6 周術期マネージメント
7 ESDをいつから始めて良いのか?

ステップアップESD
1 基礎ESD
到達目標1 適切なストラテジーを立てることができる
到達目標2 縫縮のストラテジー
到達目標3 マーキング
到達目標4 出血の対応

2 初級ESD
到達目標5 迅速にフラップ形成(初めが肝心)
到達目標6 無理に潜り込まない
症例1 下行脚 後壁
症例2 下行脚 外側

3 中級ESD
到達目標7 生検による線維化対策
到達目標8 深部で操作性が悪い時の対策~下部スコープ~
到達目標9 天地をひっくり返して~上から下へ~
到達目標10 垂直に対峙する病変
到達目標11 大きい潰瘍底の縫縮
到達目標12 球部は縫縮するか?
症例3 球部
症例4 下行脚 内側(膵臓側)
症例5 水平脚

4 上級ESD
到達目標13 巨大な病変の対策
到達目標14 広範囲線維化病変の対策
到達目標15 ドレナージ入れる?入れない?
症例6 サイズが大きい病変
症例7 亜全周性(3/4周以上)の病変
症例8 乳頭近傍病変
症例9 巨大な隆起性病変

トラブルシューティング
1 術中出血
2 後出血
3 術中穿孔
4 遅発性穿孔
5 OTSCトラブル
6 あきらめる症例