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愛知県がんセンター 頸部郭清術
筆頭著者 長谷川 泰久 (著)
金芳堂
電子版ISBN
電子版発売日 2023年4月5日
ページ数 136
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-7653-1691-0
印刷版発行年月 2016年11月
書籍・雑誌概要
頸部郭清術は甲状腺を含む頭頸部がんの外科治療における基本術式である。画像診断の進歩による進展範囲の診断の精度の向上に伴い、症例の進展度に応じた手術が求められ、選択的頸部郭清術、さらに個別的頸部郭清術へと展開してきていることを踏まえて書き下ろした。
頸部郭清術を行う場合、年齢、全身状態、原発巣・頭頸部転移の進展度や病理組織的悪性度などを考慮して郭清範囲を決定するが、本書ではそれらの知識の解説はなく、頸部郭清術だけに焦点を絞っている。
1章で頸部郭清術の欧米およびわが国の歴史の紹介、2章でリンパ節と筋肉の解剖、続いて3章では術式の分類、4~11章までは愛知県がんセンター方式の手術手技を豊富な画像(術中写真)とカラフルな図解を駆使して解説、最後12章で頸部郭清術の均一化を図った研究班の成果にも触れ、系統的に書かれている。
画像診断の進歩も著しく、郭清範囲が検討されるようになった今日、頸部郭清術の基本はしっかり抑えて、「機能温存」と「低侵襲性」をキーワードとして頸部郭清術の新たな展開に対応した解説書とも言える。
もっとも中核となる「第7章 全頸部郭清術」の一部をサンプルとして公開中!
目次
推薦のことば
はじめに
1章 頸部郭清術の歴史
2章 リンパ節と筋膜の解剖
1 筋膜の解剖
2 リンパ節の解剖
3 その他の重要な解剖構造
-1.頸動脈
-2.内頸静脈
-3.頸神経(頸神経叢、腕神経叢、横隔神経)
-4.脳神経(顔面神経、迷走神経、舌下神経、副神経)
-5.胸鎖乳突筋
-4 頸部解剖のポイント
3章 頸部郭清術式の分類
1 これまでの頸部リンパ節分類法と頸部郭清術分類法
2 放射線治療研究グループによるレベル分類
3 本邦の頸部郭清術の分類
-1.JNDSG分類
≫①頸部郭清術の分類と名称に関する2005年案の考え
≫②頸部リンパ節領域
≫③頸部郭清術の分類と名称
≫④術式の簡略表記法
≫⑤JNDSG2010頸部郭清術分類の改訂点
≫⑥頸部郭清術の呼称
≫⑦頸部郭清術のタイミング
≫⑧AAO-HNS・AHNS2008年分類との違い
4章 頸部郭清術の概念(楕円柱を切り出す)
5章 手術手技の基本
1 メスとハサミの扱い方
-1.メスを用いた頸部郭清術の基本手技
-2.頸部郭清術でのメスの扱い方
-3.ハサミ(剪刀)
2 皮膚切開法
3 手術に用いる器材
6章 頸部リンパ節転移に対する治療の適応と選択
1 治療法の選択
2 頸部郭清術
-1.治療的郭清と選択的郭清
-2.術式
-3.潜在的転移
-4.転移パターンと予防的郭清術での郭清範囲
-5.頸部郭清術の選択と適応
3 放射線治療
4 アジュバント療法
7章 全頸部郭清術
1 ND(SJP)
2 ND(SJP/VNM)(根治的頸部郭清術)
3 ND(SJP/VM)とND(SJP/M)
8章 選択的頸部郭清術
1 ND(SJ1-2)
2 ND(J)
3 その他の選択的頸部郭清術
-1.ND(JP/VNM)
-2.ND(JP/VM)とND(JP/M)
-3.ND(SJ)
4 前後アプローチ
5 原発部位との連続性
9章 その他の郭清術
1 気管周囲郭清術〔ND(C1)、ND(C1-2)〕
-1.反回神経の走行
-2.甲状腺癌右葉峡部切除での郭清の手順
2 咽頭後リンパ節郭清術
-1.咽頭後リンパ節のリンパ流
-2.咽頭後隙
-3.咽頭後隙を含む副咽頭間隙に対するアプローチ
-4.下方アプローチによる咽頭後部郭清術の概念と手技
-5.側下方アプローチ
3 後頭側頸部郭清術(Posterolateral neck dissection)
10章 頸部郭清術後の合併症と対応
1 喉頭浮腫と反回神経麻痺による気道閉塞
2 乳糜漏
-1.経頸法による胸管結紮術
3 頸部郭清術後のQOL
11章 化学放射線治療後頸部郭清術
12章 頸部郭清術の均一化
あとがき
文献・日本語索引・外国語索引