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極論で語る緩和ケア
筆頭著者 植村 健司 (著)
その他の著者等 香坂 俊
丸善出版
電子版ISBN
電子版発売日 2023年10月30日
ページ数 256
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-621-30848-6
印刷版発行年月 2023年10月
書籍・雑誌概要
「痛みの緩和」「治療のゴールの話し合い」「ケアの調整」。これらはがんの緩和ケアだけでなく、全ての重症疾患が対象です。臨床で「これって,本当に患者さんのためになっているのだろうか?」と疑問に思った時こそ緩和ケアが必要で、患者や家族の価値観に寄り添い、治療のゴールを共に考え、適切に介入します。緩和ケアの「極論」をご期待ください。
目次
第1部 緩和ケア総論
1章 緩和ケアとは?[What is palliative care?]
極論1 緩和ケアはがんだけでなく,全ての重症疾患が対象
極論2 緩和ケアは終末期だけにあらず
極論3 プライマリ緩和ケアは全ての医師が身につけるべき知識
極論4 生命延長だけがゴールではない
コラム1 ホスピス・緩和ケアの母 / コラム2 日本における緩和ケアの発展
2章 予後の予測[prognostication]
極論1 終末期病を見逃すな
極論2 危篤状態でも治癒の可能性は過少評価しない
極論3 大きく4つのトラジェクトリ―を把握せよ
極論4 緩和ケアはよりよく生きるためにあり
コラム1 小児緩和ケアでは意思決定や死の説明が難しい
3章 死の過程[imminent death]
極論1 死の過程は進行性かつ不可逆性である
極論2 治療のゴールを確認する
極論3 躊躇せず集中的症状緩和を試みる
極論4 comfort feedingで患者と家族をケア
極論5 緩和的鎮静の深さはRASSで測る
コラム1 在宅での看取り / コラム2 死の過程で生じる症状と対処法
4章 コミュニケーション[communication]
極論1 コミュニケーションのプロとして治療のゴールを話し合う
極論2 キャパシティーは判断内容と時間に依存する
極論3 「代理意思決定は複雑で難しい」と知る
極論4 コミュニケーションスキルで感情に対処する
極論5 SDMはソムリエの作業に似ている
コラム1 ヘッドラインと沈黙の効果 / コラム2 ACP の進め方
5章 精神的症状・機能障害[psychiatric symptoms & functional impairment]
極論1 重症疾患患者にうつ症状は多いが見逃しも多い
極論2 不安には非薬物療法も有効
極論3 せん妄はキャムの流れで評価
極論4 ADLとIADLで機能障害の低下を評価する
コラム1 不眠
第2部:疾患別の緩和ケア
6章 認知症[dementia]
極論1 認知症は死に至る病である
極論2 末期認知症患者を見逃すな
極論3 体重減少・嚥下障害にPEGやTPNはNO
極論4 痛みはあるが,その痛みは無言
極論5 定時投与で認知症患者の痛みをコントロール
コラム1 認知症患者はどのように亡くなるのか? / コラム2 認知症の留意点
7章 が ん[malignant tumor]
極論1 進行した固形がんは早期から緩和ケアする
極論2 がんの治療目的を患者と一緒に考える
極論3 緩和目的の放射線治療はその目的を明確にする
極論4 他科専門医を巻き込んで包括的なケアを提供
極論5 急変する血液がんは事前準備がとにかく大事
コラム1 嘔気について / コラム2 頭頸部がんはつらい症状が多く,多くの専門科との連携が必要
8章 心不全[heart failure]
極論1 心不全の死期予測はとにかく難しい
極論2 最も効果のある緩和ケアは心不全の治療
極論3 ゴールの話し合いも「最善を望み,最悪に備える」
極論4 終末期ではICDの停止も検討する
コラム1 destination therapyの是非
9章 肺疾患 [lung disease]
極論1 呼吸困難には全人的な評価・介入が必要
極論2 急性・慢性・強度・生活への影響で評価する
極論3 呼吸困難の緩和は原疾患の診断・治療を優先する
極論4 オピオイドは効果を見極めながら慎重に行う
極論5 人工呼吸器の中止は患者・家族の権利
コラム1 意思疎通できない患者はRDOSで評価 / コラム2 COPDの緩和ケア
10章 腎不全[kidney failure]
極論1 血液透析は万能ではない
極論2 腎不全患者のACPは緩和ケア医を巻き込む
極論3 腎不全患者の痛みを見逃さない
極論4 安全に使用できるオピオイドを知っておく
極論5 透析中止の判断は慎重に.予後プロセスも説明する
コラム1 透析を導入しない選択肢(+緩和ケア)もある
11章 痛みの処方箋(オピオイド基本編) [Pain management: Opioids part 1]
極論1 「オピオイドナイーブ」と「オピオイド常用者」に分けて考える
極論2 短時間作用型モルヒネは4時間効果が持続する
極論3 痛みの波に応じてレスキュー.目安は1時間毎
極論4 オピオイドローテーションはオピオイド治療の要
極論5 オピオイドローテーションの黄金律をマスターする
コラム1 持続静注か,間欠静注か
12章 痛みの処方箋(オピオイド応用編) [Pain management: Opioids part 2]
極論1 オピオイドの副作用は3つのキモを押さえる
極論2 PCAの有用性と禁忌を知る
極論3 PCAの持続速度変更は原則24時間以上経ってから
極論4 フェンタニルを使いこなす
極論5 パッチは血中濃度の把握が大事
コラム1 見逃されがちな副作用 / コラム2 フェンタニルパッチ / コラム3 神経障害性疼痛 / コラム4 非がん性慢性疼痛
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