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The 外来看護 第2版
時代のニーズに応え、専門性を発揮する
筆頭著者 数間恵子 (編著)
日本看護協会出版会
電子版ISBN 978-4-8180-2818-0
電子版発売日 2024年6月28日
ページ数 256
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-8180-2769-5
印刷版発行年月 2024年4月
書籍・雑誌概要
看護の役割の1つの「療養上の世話」の視点で、退院後のセルフケア支援の重要性を感じた筆者は、外来での療養指導や外来看護に関する研究などを続けてきました。
本書では、「在宅療養指導料」を皮切りに、続々と新設される外来での看護にかかわる診療報酬の詳細を中心に、外来での看護に必要な技術、仕組みづくりなどをまとめました。
第2版は、2018年から2024年までの外来看護に関わる診療報酬改定などの変更に対応して、大幅な加筆を行っています。
≪本書は第2版第1刷の電子版です≫
目次
序章 外来での患者支援が必要と考えたきっかけ
1 胃切除後の患者への摂食指導に関する研究と患者相談
1 退院後の患者の食行動についての疑問
2 外科領域でも課題になっていた術後のQOL
2 研究データの収集とその後の患者相談から学んだこと
1 研究データの収集の中で患者の悩みに触れ、気づく
2 退院後の患者に対する相談・アドバイスを開始
3 患者相談の経験から学んだ看護の役割
第1部 外来看護の発展に向けて
第1章「在宅療養指導料」の新設を契機に開始した外来プライマリナーシング
1 在宅療養指導料が新設された背景
1 新規診療報酬についての日本看護協会のニュース報道
2 在宅療養指導料と医療法第二次改正
2 在宅療養指導料の対象と算定要件
1 対象
2 算定要件
3 「30 分以上の指導」の解釈
3 外来患者療養相談室の立ち上げと運営
1 外来患者療養相談室の開設と院内周知
2 相談の対象と体制
3 外来患者療養相談の記録と情報共有
4 事務部門との連携
4 在宅療養指導料を活かす仕組みとして外来患者療養相談室を発信
1 在宅療養指導料による外来での看護提供を周知する活動
2 見学者への対応
3 講演活動
5 外来患者療養相談の実態と効果
1 療養相談による成果の実際
2 活動全体の実態と患者による評価
3 糖尿病患者に対するプライマリナーシングの実際と評価
4 療養相談に携わった看護師の変化
5 外来患者療養相談の発信や研究がもたらしたもの
第2章「在宅療養指導料」の認知度・算定の実態などの調査
1 1回目の調査─誤った解釈が多かった
1 背景と調査の実際
2 調査の結果
3 調査を終えてわかったこと
2 2回目の調査─外来での看護の必要性は認識されたが実現が困難
1 調査の目的と方法
2 調査の結果
3 調査を終えて考えたこと
3 「在宅療養指導料」という名称が招いた誤解
1 「在宅療養指導管理料」と「在宅療養指導料」の混同
2 「在宅」という表現からの誤解
第2部 外来看護の充実を目指した研究
第3章 外来での看護に関する新たな研究と診療報酬評価
1 インスリンを使っていない糖尿病患者への看護に関する研究
1 在宅療養指導料の算定対象外の患者への看護提供が多かった
2 大病院に通院する患者は診療報酬の対象になっていなかった
3 インスリンを使っていない糖尿病患者への個別相談・指導の実態
4 個別相談・指導の効果・効率
5 今後は一般的な病院での長期にわたる検証が必要
6 調査・研究のその後
2 HIV / AIDS 患者への看護に関する研究
1 研究の背景
2 外来でのコーディネーターナースの看護の実際
3 ウイルス疾患指導料2 加算の評価と外来の看護師配置に関する研究
4 診療報酬評価後の動き
3 2つの研究から見えてきたこと
第3部 外来看護の過去・現在・未来
第4章 外来での看護にかかわる診療報酬評価の変遷
1 診療報酬制度と看護
2 医療法第二次改正以前の、医療提供施設外での治療・処置に対する診療報酬
3 在宅療養指導料が評価される前の外来での看護と診療報酬に対する意識
第5章 外来での看護にかかわる診療報酬評価の現状
1 外来患者は診療報酬上でどのように位置づけられているか
2 外来での看護にかかわる診療報酬にはどのようなものがあるか
3 外来での看護の評価はどのように進んで現在に至っているか
1 看護にかかわる診療報酬評価の進展
2 (B001・13 )在宅療養指導料
3 在宅療養指導料以外の看護にかかわる診療報酬
4 外来での診療報酬行為における看護の課題
1 医療提供施設以外の場での自己管理の支援が中心になるもの
2 医療提供施設(外来)での治療・訓練の実施に加えて帰宅後の自己管理支援が重要であるもの
3 説明・情報提供などによる不安軽減、意思決定にかかわるもの
第6章 外来での看護の発展と診療報酬評価がもたらしたもの
1 さまざまな研修や看護の大学院教育の進展
1 診療報酬行為の担当者に求められる要件の推移
2 認定看護師研修・教育課程
3 専門看護師教育課程
4 特定行為研修
5 それ以外のさまざまな研修
2 看護系学会等保険連合の設立と活動
1 新規技術が診療報酬評価に至るプロセス
2 新規技術に求められる要件と外来での看護にかかわる学会活動
3 看護外来の設置と発展
1 日本看護協会の外来看護にかかわる活動
2 一般メディアにおける看護外来の報道
4 診療報酬評価にかかわる要因の相互関係
第4部 外来看護に必要な技術と仕組みづくり
第7章 外来での看護に必要な技術
1 外来での看護の特徴
2 看護の提供内容
1 身体管理技術の提供
2 心理的適応の促進
3 社会資源の紹介・導入
3 看護の相談技術
1 The nursing processとnursing processの融合
2 相談技術の中核は「話を聴く」こと
4 看護相談に期待される成果
1 期待される成果とは─コントロール感覚の獲得
2 期待される成果につながる相談技術のポイント
3 期待される成果が得られたかどうかを知る
第8章 看護を届ける外来の仕組みづくり
1 看護外来などのシステムづくり
1 構造(ストラクチャー)
2 過程(プロセス)
3 成果(アウトカム)
2 施設内および施設を越えた仕組みづくり
1 施設内における連携の強化
2 施設外の保健・医療・福祉との連携
第5部 外来看護の実際
1 看護の専門性を発揮して患者の生活を支える─杏林大学医学部付属病院
1 外来看護の質向上を目指して
2 外来看護体制の整備
3 外来看護記録の工夫
4 外来における在宅療養支援システムの構築
5 外来看護師の教育
6 看護相談外来の運営
2 専門性を活かした看護外来の開設と運営の継続─神戸市医療センター中央市民病院
1 9 年間全国1 位を誇る救命救急センターをもつ地域基幹病院での外来看護
2 専門性の高い看護外来の開設と運営
3 専門看護外来以外の外来看護の実際
4 外来トリアージと救急患者への対応
5 現医療体制における外来看護の課題
資料
1 社会医療診療行為別統計からみる診療報酬の算定状況
2 外来看護をテーマにした学会発表・文献の動向と診療報酬評価
3 身体障害認定と外来での看護にかかわる診療報酬
COLUMN
① サルコペニアの評価にも活用できる同心円モデル
② 研究目的に最も適した測定尺度
③ 医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について
④ リハビリ実施中に看護職のケアが必要な患者は?
⑤ 「外来看護」と「看護外来」
⑥ The nursing processとnursing process
⑦ シンボルによって成り立つ世界
⑧ 行動変化(behavior change, change of behavior)と行動変容(behavior modification)