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中医看護の自然生命理論

中医看護の自然生命理論
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筆頭著者 呉 小玉 (著)

その他の著者 安達勇、小玉城 医学監修

日本看護協会出版会

電子版ISBN 978-4-8180-2485-4

電子版発売日 2022年5月23日

ページ数 176

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-8180-2285-0

印刷版発行年月 2020年10月

DOI https://doi.org/10.32181/9784818022850

書籍・雑誌概要

中国の“天人相応”思想を基にした「中医看護」を解説。“目から鱗が落ちる”ホリスティックな看護書が誕生!
今日、看護が対象とするのは「病人(患者)」にとどまらず「生活をする人」です。そこで役立つのが「人間と自然の統一と調和」を最終目標とする中国の“天人相応”思想をベースとした「中医看護」の理論。より具体的な「自然の陰陽五行の変化に相応した五臓六腑・経絡・気血水」「治未病」「三因制宜」などの考え方からは、“その人全体”をみて、どのようにケアをすればよいかのヒントが得られます。あなたの看護観にプラスαの視点が加わる、まさに“目から鱗が落ちる”看護書の誕生です。

目次

序論 中医看護の自然生命理論からユニバーサル自然看護モデルへ

①中医学・中医看護の普及が必要な理由
②「天人相応」という思想から築いた理論と中医学の重要な法則
③徐々に広まる日本の看護教育における漢方医学
④欧米でも注目される中医学・中医看護の技術
⑤中医看護の基本的考え方と導いた先人たち
⑥中医看護の思想を現代看護につなげる


第一部 「中医看護」の自然生命理論

第1章 中医看護の誕生
①「中医」の意味
②『黄帝内経』――歴史上、最初の医学書の誕生
③『黄帝内経』における「天人相応」の思想

第2章 「天人相応」の誕生の背景と構成
①人間の生命と自然との関係を統一的にみる「天人相応」
②「天」(=自然)の変化を表す「太極図」の形成
③「二十四節気」という自然変化の構成内容
④自然運動の法則に基づいた「五行説」の構成
⑤「太極」「陰陽」「五行」の関連
⑥中医看護における「陰と陽」の位置づけと意義

第3章 「天人相応」思想に基づく宇宙観で人間を理解する
①自然と生命を「天人相応」として把握する
②人間の生命は宇宙と自然の不可欠な一部

第4章 生命を理解する中医看護の主な概念と要素
①「天人相応」の意義
②「陰陽五行説」の意義
③自然における「五運六気」と健康の関係
④「天人相応」と健康目標との関係

第5章 中医看護における人体構造の理論
①「自然との一体性」をもとに生理機能や病理変化をみる
②「五臓六腑」の学説
③「経絡」の学説
④「気」「血」「水(津液)」の学説
⑤五臓六腑・経絡(経穴)・気血水の関係性


第二部 「中医看護」の活用

第1章 日常生活の看護
①季節の変化に相応する看護実践
②陰陽変化を活用した看護

第2章 身体の内部環境と外部環境を統合する看護
①「五臓六腑一体観」に基づく看護実践の展開
②「形神一体観」の考えに基づく看護実践の展開

第3章 中医の「処方」の意味から考える自然方位的な看護実践
①中医における「処方」の意味
②時間の流れを考慮した看護実践のために
③陰陽バランスを考えた「食事」と「睡眠」
④自然方位的看護実践で重要になる要素

第4章 中医看護の実践の基となる2つの重要な要素
①「治未病」と中医看護
②「三因制宜」と中医看護

第5章 文化・国際・災害に関わる視点と中医看護の展開
①時間・空間・方位の関係から考える文化と看護
②宇宙規模の概念から考える「国際看護」の実践
③地域の陰陽関係(内外)とエンパワメントの概念から考える「災害看護」
④“隔たり”を取り除く中医看護の力


第三部 「中医看護」の理論から導いたユニバーサル自然看護モデル

第1章 中医看護理論と人間・自然・健康・看護に関する重要な概念
①中医看護と現代医学の違いを検証する
②「陰陽バランス」と「時間・空間・方位」の活用

第2章 「ユニバーサル自然看護モデル」の提唱
①四層で構成される「ユニバーサル自然看護モデル」
②「ユニバーサル自然看護モデル」に影響を与えた学説と思想
③「ユニバーサル自然看護モデル」用語の定義
④人間と自然を調和する「ホリスティックな看護」の視点

第3章 「ユニバーサル自然看護モデル」の意義
①「中庸の道」に従うことで見えてくるもの
②時間・空間・方位の立体的な視野でグローバルに地域や人間を理解できる
③プライマリ・ヘルス・ケアとユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現をつなぐ

第4章 なぜ「天人相応」を人類の健康の最高目標にするのか
①「天人相応」に到達するために必要なもの
②「天人相応」に達するための3つの課題
③「ユニバーサル自然看護モデル」の看護実践とは
④ナイチンゲールの学説と「天人相応」学説の暗合


結語 中医看護と自然の調和による健康と国際平和の実現
①自然に発生した“外邪”を避けることで“健康”を保持する
②「国際平和」も“看護”に期待される大きな役割
③すべては「陰陽のバランス」から始まっていく