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糖尿病プラクティス

プラクティス 36巻5号

国際化時代の糖尿病診療-東京五輪・パラを目前にした新在留資格施行元年に-

プラクティス 36巻5号
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医歯薬出版

電子版ISBN

電子版発売日 2020年12月21日

ページ数 120

判型 A4

印刷版ISSN 2435-0907

印刷版発行年月 2019年9月

書籍・雑誌概要

国際化時代の糖尿病診療-東京五輪・パラを目前にした新在留資格施行元年に-
 近年,わが国の医療の国際化には著しいものがあり,糖尿病診療の領域においても,この点は言を俟たない.のみならず,糖尿病の治療に生活習慣が大きく関与することから,食文化の違いが直接に影響を与えるなど,糖尿病診療への国際化の波は,他疾患に比べてより大きいといって過言ではないであろう.
 “所変われば品変わる”という諺がある.英語における同様の表現として“So many countries, so many customs.”というものが挙げられるが,南谷かおり先生には,それ以上に多様な背景を有する外国人の診療実態について,現状の俯瞰とともに,糖尿病診療にも焦点を当てつつご解説いただいている.大野直子先生と石川ひろの先生には,文化と言語の面からのコミュニケーション論を中心に,具体的な方策についておまとめいただいた.
 このように,外国人患者の糖尿病診療では,文化の違いや言語の障壁を正しく認識することの重要性が提起されるが,のみならず,医療制度の側面からも十二分な配慮が必要になってくる.今回の企画を担当した編者も,単著で,あるいは杉山雄大先生,岸本美也子先生,相良理香子先生との共著で,外国人糖尿病診療の実情や疫学的・臨床的事項について,制度的側面をも含めて本企画内で論述しているが,ことに相良理香子先生との項目では,医療費の支払いや病院選びの課題についても触れている.また,井花庸子先生には,糖尿病をもつ海外渡航者へのアドバイスについて通覧していただいている.
 今号では,糖尿病診療における国際化の重要性に鑑みて,当該分野に造詣の深い諸先生方にご執筆をお願いしているが,とりわけ,厚生労働省の「訪日外国人旅行者等に対する医療の提供に関する検討会」の座長をお務めの遠藤弘良先生には,この方面での政府の取り組みなどに関して貴重な言及を賜っており,また,日本医師会常任理事の松本吉郎先生には,“特別寄稿”として,外国人医療に関する日本医師会の取り組みについて,日本医師会を代表してご紹介いただいている.
 このように本特集は,外国人患者の糖尿病診療はもとより,その枠を超えて,外国人診療一般に関しても,深い論考と多彩な視点を有した,資料的価値をもそなえる保存版ともいうべき内容になっている.陽の当たる表の面のみならず,見落としがちな陰の側面にも広く光を当て,具体的な留意点について述べられている点も特徴であろう.
 ご執筆の先生方のご尽力を多とするとともに,本特集によって,東京五輪・パラ五輪を目前にした,新在留資格施行の元年でもある令和の幕開けに,国際化時代の糖尿病診療についての読者の理解が格別に深まれば,編者として大きな喜びである.(野田光彦/国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科,梶尾 裕/国立国際医療研究センター病院 糖尿病内分泌代謝科,中島直樹/九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター)

目次

MAIN THEME 特集  国際化時代の糖尿病診療―東京五輪・パラを目前にした新在留資格施行元年に― 
特集にあたって  野田光彦,梶尾裕,中島直樹  529
特別寄稿:外国人医療に関する日本医師会の取り組み  松本吉郎  531
I.国際化への対応を求められるわが国の医療の現状
1.在留外国人・訪日外国人の診療実態―重症患者への対応も含めて  南谷かおり  535
2.国際化する日本の医療―制度・体制の現況と近未来展望 
2-1.在留外国人・訪日外国人とのコミュニケーション論  大野直子・他  542
2-2.海外からの患者の保険医療を含めた法制度や認証制度の現状  中島直樹  548
3.政府の取り組みと訪日外国人旅行者等への医療の提供に関する検討の現状  遠藤弘良  552
II.国際化時代の糖尿病診療とは
4.世界と日本における糖尿病の現況と,糖尿病診療の趨勢  杉山雄大・他  557
5.国際化時代の糖尿病診療―外国人患者への社会的留意点 
5-1.外国人糖尿病患者の諸問題―コミュニケーション,宗教から支払いの注意まで  相良理香子・他  563
5-2.外国人糖尿病患者の実際と具体的な課題―具体例を含めて  岸本美也子・他  569
6.糖尿病のある海外渡航者へのアドバイス  井花庸子  574
医師・医療スタッフが行く 全国病院・クリニック訪問  あきた東内科クリニック 
医師と医療スタッフのチームワークが患者と糖尿病医療とをつなぎとめる  取材/菅原まゆみ  520 
FORUM 
病因と診断 
第2回 ヘパトカインセレノプロテインPは糖尿病合併症を加速させる  御簾博文  589 
合併症I―骨と糖尿病― 
第2回 糖尿病と骨代謝の相互関連性  金沢一平  591 
合併症II―デルマドローム― 
第2回 糖尿病の代表的な間接デルマドローム  新井達  595 
薬剤 
第2回 糖尿病に合併した肺結核の治療薬  砂川智子・他  598 
食事 
第2回 米国糖尿病学会の2019年版診療ガイドラインの紹介 炭水化物・たんぱく質・脂肪  細川雅也  603 
運動 
第2回 運動と妊娠糖尿病(2)運動は妊娠糖尿病の予防に有効か?  田畑尚吾  605 
自己管理 
第2回 自己管理継続をささえる療養指導(2)  下田ゆかり  609 
OVERSEAS 
ダパグリフロジンを含むSGLT2阻害薬の心血管リスク低減とeGFRの改善はクラス効果である:EXSCEL試験のプラセボアームの解析  高木荘太郎・他  613 
SERIES  糖尿病と保険診療 
第44回 糖尿病と膵臓移植  中島尚登  616 
SPOT  酒と煙草と血圧と 
第5回 たばこと心血管疾患,死亡率  河野雄平  621 
糖尿病の療養指導Q&A 
HbA1cの測定法や検査機器による偏りや差  村上正巳  624 
慢性便秘症の対処法と新しい薬剤  鳥居明  626 
CLINICAL RESEARCH 
発見年齢による2型糖尿病患者治療経過の差異(JDDM 48); CoDiCを用いた多施設共同研究  川井紘一・他  629 
プレフィルド型ペン型インスリン製剤の精度に関する比較検討  秋山滋男・他  636 
重症低血糖による救急搬送患者155人の臨床的特徴とリスク因子の検討~福岡県八女市の地域医療の観点から~  佐藤秀一・他  642 
STUDY  そこが知りたかった 糖尿病の大規模臨床試験 
第9回 LEADER  住谷哲  649 
ESSAY  鉄・輪だより―鉄人糖尿病ドクターによる銀輪の旅― 
第8回 第62回日本糖尿病学会年次学術集会  山下滋雄  653 
REPORT  子どもたち/AYA世代の糖尿病―活動・実践ダイアリー― 
[第29回広島もみじの会サマーキャンプ活動報告]「もみじのなかまは一生の宝」です  神野和彦  656 
CIRCLE  リス☆カン フライデー レポート 
#46 那珂記念クリニックにて Part1  岸本美也子・他  658 
CONGRESS 
(社)東京臨床糖尿病医会 第163回例会  伊藤景樹  665 
WHITE BOARD 
(社)東京臨床糖尿病医会 第165回例会  612

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