書籍・雑誌概要

嚥下調整食のいまとこれから－学会分類2013から2021へ
　2021年8月，8年ぶりの改訂となる「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類（学会分類）2021」が発表されました．今回の改訂では，これまで広く使用されていた学会分類2013の基本的な分類構造を踏襲しつつ，ユニバーサルデザインフードとの互換表が修正され，また，とろみの測定法が追加されるなど，この間の新たな知見や臨床現場の声を反映した，より実践的な内容に進化しています．
　本特集では，学会分類2021の概要とその改訂のポイント，そしてこれを活用するための注意点をはじめ，食形態を判定するための観察評価法や咀嚼評価法について，また，機能改善・QOL向上をめざすにあたって必要となる姿勢調整や口腔機能訓練の考え方など，摂食嚥下リハビリテーションにおいて近年注目されているテーマをご解説いただいています．
　職種を超えた包括的なアプローチが必須となる摂食嚥下障害患者への介入において，本特集が，より積極的な食支援の一助となれば幸いです．（編集部）

目次

「嚥下調整食分類2021」の概要と改訂のポイント　　栢下淳……18
「嚥下調整食分類2021」活用にあたってのポイント―質問の多い項目を中心に　　小城明子……27
適切な食形態判定のための観察評価のポイント　　藤谷順子……31
とろみに求められる物性とその評価―現状と課題　　山縣誉志江……37
食事形態決定における咀嚼評価の重要性　　菅武雄……43
食形態と姿勢調整のポイント　　稲本陽子……49
食形態の調整と口腔機能訓練のポイント　　源間隆雄……55
●巻頭カラー　 ビフォア・アフターでわかる！　管理栄養士のためのビジュアルデザイン入門　
第1回　紙媒体「掲示物・学会ポスター」　　田中佐代子……4　
●スポット　
食品重量の見積もり力トレーニング法　　吉本優子……10
オステオサルコペニア―骨粗鬆症とサルコペニアの併存　　井上達朗……13
●資料　
2022年 栄養関連学会カレンダー……61
●宮島流！　病棟栄養士のためのケースカンファレンス活用術　
CASE 1　代謝性アシドーシス　　宮島功……66　
●ビタミン栄養学UPDATE―新たな臨床的意義の確立に向けて　
1．総論：ビタミン欠乏と不足　　田中清……74　
●ORIGAMI ART―食に活かすおりがみ/食の教養　
チコリー　　西田良子，上田浩史……81　
●活動レポート　栄養ケア・ステーション　
認定栄養ケア・ステーション つがやす　　髙松友香，曽我光希，井筒紗彩，船戸佑香……84　
●ぷろらぼ　研究室で学んでみませんか　
より賢く，より美しく，栄養のスキルアップを　名古屋経済大学大学院　人間生活科学研究科 栄養管理学専攻　　柴田清……86　
●こんだてじまん　
じまんの一品料理　にんじんベースのグルテンフリーチキンカレー／医療法人財団順和会 山王病院　　水野真琴，山道大……88　
●Medical Nutritionist養成講座　
49．栄養投与量の決定：私の考え方（3）　　井上善文……94　
●Dr.雨海の男性臨床栄養学　
13．ウイルスと心筋（2）―劇症型心筋症と補助循環装置　　雨海照祥……103　
●『日本食品標準成分表』の活用でもっと深まる　食品と調理のキソ知識　
第33回　菓子類5　　渡邊智子……114　
●日本栄養士会医療職域　
2022年新年を迎えて　　原純也……129
自治体病院
外来化学療法室での栄養食事指導の取り組み　　細井みどり……130
精神科病院
第62回全国精神科栄養士研修会Web配信の報告「精神科栄養管理と栄養指導をアップデート」　　寺田和子……131
厚生労働省・消費者庁
東京栄養サミット2021の開催・他……132
●おしらせ　
女子栄養大学香友会主催 令和3年度 第1回専門家講座・他……134