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歴史から読み解く ワクチンのはなし
新たなパンデミックに備えて
筆頭著者 中山 哲夫 (著)
北里大学大村智記念研究所特任教授
朝倉書店
電子版ISBN 978-4-254-91713-0
電子版発売日 2023年5月22日
ページ数 212
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-254-10300-7
印刷版発行年月 2023年3月
書籍・雑誌概要
私たちの命と健康を守るために欠かせないワクチンについて,ウイルス学の専門家がわかりやすく解説。〔内容〕感染症とは/ワクチンのメカニズム/ワクチンの礎を築いた先人たち/現在国内で用いられているワクチン/ワクチンの未来。
目次
はじめに
目 次
Ⅰ章 ワクチンの基礎知識
1.1 まずは感染症を知ろう
1.1.1 感染症とは
1.1.2 病原微生物には何があるか?
1.1.3 さまざまな感染経路
1.1.4 ウイルスの組織親和性
1.2 ワクチンって何?
1.2.1 感染と発症は違うの?
1.2.2 病原微生物に感染すると,なぜ発症するのでしょう?
1.2.3 生ワクチンと不活化ワクチン
1.2.4 抗体産生のメカニズム
1.2.5 ワクチンの開発と製造
1.2.6 添加物の種類とその役割
1.2.7 アジュバントの役割と歴史
1.3 ワクチンの副反応と有害事象
1.3.1 ワクチンの主反応と副反応と有害事象
1.3.2 副反応はなぜ起きるのか?
1.3.3 ワクチンとアレルギー
1.3.4 最近問題となった副反応
1.3.5 ワクチンに関連する誤解
1.3.6 ワクチン接種への躊躇
1.3.7 改めてワクチンの果たしてきた役割とは
1.4 我が国の予防接種の現状
1.4.1 現在の予防接種制度
1.4.2 予防接種の変遷
1.4.3 ワクチンギャップ
1.4.4 筋肉注射と皮下接種
Ⅱ章 ワクチンの歴史
2.1 ワクチンの先駆者―ジェンナー
2.1.1 天然痘と人類の戦い
2.1.2 ジェンナーと牛痘接種法
2.1.3 種痘法の普及と改良
2.1.4 種痘伝来―日本のワクチン政策の始まり
2.1.5 天然痘根絶への道
2.2 狂犬病ワクチンの開発にいたるまで―パスツール
2.2.1 腐敗と微生物
2.2.2 感染症への挑戦
2.2.3 動物ワクチンへの発想
2.2.4 狂犬病ワクチン―初めてのヒト用ワクチンへの挑戦
2.3 細菌学の父―コッホ
2.3.1 病原体の発見がワクチン開発にもたらしたもの
2.3.2 フランスとドイツの先陣争い
2.3.3 コッホの発見―寒天培地と4 原則
2.3.4 抗体はどのように発見されたか
2.3.5 コッホと結核菌
2.3.6 結核ワクチンはその後どうなったのか?
2.4 自身も黄熱にかかりながら―野口英世とタイラー
2.4.1 黄熱と野口英世
2.4.2 黄熱ワクチンとマックス・タイラー
Ⅲ章 現在,我が国で使用されているワクチンについて説明しましょう
3.1 結核とBCG
3.1.1 結核はいつ頃からあったのか?
3.1.2 結核はどのような病気か
3.1.3 近年の結核発生状況
3.1.4 結核のワクチンBCG
3.2 ポリオワクチン
3.2.1 ポリオとは
3.2.2 不活化ワクチンの開発
3.2.3 生ポリオワクチンの開発
3.2.4 世界と日本におけるポリオの疫学
3.2.5 我が国のポリオの状況
3.3 麻疹と麻しんワクチン
3.3.1 麻疹とは
3.3.2 麻疹の臨床症状
3.3.3 修飾麻疹とは
3.3.4 麻疹の合併症―麻疹脳炎と亜急性硬化性全脳炎
3.3.5 麻しんワクチン開発の歴史①―麻疹ウイルスが分離される前
3.3.6 麻しんワクチン開発の歴史②―麻疹ウイルスが分離されてから
3.3.7 麻しんワクチン戦略の変遷
3.3.8 麻疹の疫学
3.3.9 なぜ,ワクチンを2 回も受けないといけないの?
3.3.10 世界の状況とこれからの麻疹をめぐる動向
3.3.11 麻しんワクチンの副反応
3.4 先天性風疹症候群と風しんワクチン
3.4.1 風疹の症状とワクチン開発の歴史
3.4.2 風疹の予防接種政策の変化と流行状況
3.4.3 自然感染の合併症とワクチンの副反応
3.4.4 世界の状況
3.5 ムンプスワクチン
3.5.1 ムンプスは男性不妊の原因になるのか?
3.5.2 ムンプスの合併症
3.5.3 ムンプスは何回も罹る病気なのか
3.5.4 ムンプスワクチンの開発
3.5.5 ムンプスワクチンの有効性と効果の持続期間
3.5.6 MMR ワクチンのスキャンダル
3.5.7 ムンプスの流行状況
3.6 水痘ワクチン
3.6.1 水痘と帯状疱疹
3.6.2 水痘の合併症
3.6.3 水痘ワクチンの開発
3.6.4 帯状疱疹とワクチン
3.7ロタウイルスワクチン
3.7.1 ロタウイルスとは
3.7.2 ロタウイルスワクチン開発の歴史
3.7.3 ロタウイルスワクチンの効果
3.8 インフルエンザ桿菌(Hib)ワクチン
3.8.1 インフルエンザ桿菌の発見
3.8.2 インフルエンザ桿菌感染のメカニズムと症状
3.8.3 Hib 感染症の疫学
3.8.4 Hib ワクチン開発の歴史
3.8.5 Hib ワクチンの接種スケジュール
3.8.6 Hib ワクチンはなぜ必要なのか?
3.9 肺炎球菌感染症とPCV
3.9.1 肺炎球菌ワクチン開発の歴史
3.9.2 肺炎球菌ワクチンの効果
3.9.3 肺炎球菌ワクチンの接種スケジュール
3.10 百日せきワクチン
3.10.1 百日咳の病原因子
3.10.2 百日咳の診断方法とその難しさ
3.10.3 ワクチン開発のはじまり
3.10.4 百日咳のサーベイランス(日本)
3.10.5 百日咳のサーベイランス(米国)
3.10.6 百日咳対策は新生児を守ること
3.10.7 百日せきワクチンのこれから
3.11 ジフテリア・破傷風トキソイドワクチン
3.11.1 原因菌の発見と毒素
3.11.2 ジフテリア・破傷風トキソイドワクチン
3.12 日本脳炎ワクチン
3.12.1 日本脳炎とは
3.12.2 日本脳炎ワクチンとADEM
3.12.3 日本脳炎ワクチンのこれから
3.13 B型肝炎ワクチン
3.13.1 肝炎とは
3.13.2 B 型肝炎ウイルスの発見
3.13.3 B 型肝炎ワクチンと抗HBs ヒト免疫グロブリン
3.13.4 ワクチン接種制度
3.13.5 B 型肝炎集団訴訟
3.13.6 B 型肝炎以外の肝炎ウイルス
3.14 インフルエンザワクチン
3.14.1 インフルエンザウイルス
3.14.2 インフルエンザパンデミックの歴史とウイルスの発見
3.14.3 インフルエンザの症状と脳症
3.14.4 抗インフルエンザ薬
3.14.5 ワクチン開発の歴史
3.14.6 現在の季節性インフルエンザワクチンとその限界
3.14.7 副反応の心配
3.14.8 新型インフルエンザとワクチン
3.14.9 今後のインフルエンザワクチンの開発
3.15 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
3.15.1 ヒトパピローマウイルスとは
3.15.2 HPV の感染経路と子宮頸がん
3.15.3 HPV ワクチン
3.15.4 HPV ワクチン接種後の副反応
3.16トラベラーズワクチン
3.16.1 短期旅行者向けのトラベラーズワクチン
3.16.2 長期滞在者向けのトラベラーズワクチン
3.16.3 今後の課題
Ⅳ章 現在,これからのワクチン
4.1 ワクチンの現状と課題
4.2 開発が期待される主なワクチン
4.2.1 RS ウイルスワクチン
4.2.2 ノロウイルスワクチン
4.3 これからのワクチン開発
4.3.1 ワクチン開発の新しい方向性
4.3.2 従来型ワクチンの進展
4.3.3 日本の新規ワクチン開発への姿勢
4.4 新型コロナウイルスの登場
4.4.1 パンデミック発生の経緯
4.4.2 コロナウイルスとは
4.4.3 新型コロナウイルスの感染メカニズム
4.5 新型コロナウイルスとそのワクチン
4.5.1 ワクチン抗原の選択
4.5.2 プラットフォームの選択
4.5.3 罹患者の免疫応答と効果の持続
4.5.4 変異株の出現
4.5.5 ワクチン臨床治験
4.5.6 ワクチン接種と副反応
4.5.7 ブレークスルー感染
4.5.8 国産ワクチンの開発
おわりに
参考文献
索引