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近代ボバース概念による正常発達分析

脳性まひの治療示唆

近代ボバース概念による正常発達分析
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筆頭著者 紀伊克昌(監修) 金子断行 (著)

三輪書店

電子版ISBN

電子版発売日 2022年7月11日

ページ数 180

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-89590-750-7

印刷版発行年月 2022年6月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895907507

書籍・雑誌概要

12カ月8段階の正常発達分析から脳性まひリハビリの糸口を見つけ出す

ヒトには発達のための遺伝的プログラミングが備わっていますが、脳性まひのこどもは、このプログラミングがうまく作動せず、無理に環境へ適応している状態にあります。
本書は、こどもが生まれてから二足直立を獲得するまでの12カ月に焦点をあて、その姿勢コントロールを分析することで、脳性まひのこどもの姿勢制御に必要な要素を導き出し、適切な発達支援に活かすことを目的としています。著者は長年、発達分析から考察したアイディアを脳性まひのこどものリハビリテーションに応用し、一人ひとりの生活スタイルに合わせた環境への適応方法を模索してきました。本書ではそれらの治療のヒントも余すことなく紹介しています。
はじめに、発達分析に必要なポイントを紹介し、次に、こどもの12カ月までの発達を8段階に分けて丁寧に解説。段階ごとに分析し、その時期に必要な治療へのアドバイスを多数紹介しています。
専門用語はコラムとして抜き出して解説を加えているため、初学者でも躊躇なく読み進めることが可能です。また、臨床で役立つテクニックや症例への適応方法を多数の図・写真を用いて紹介しています。脳性まひのこどもに関わるPT、OT、ST、医師などの医療従事者、こどもの家族、また成人疾患の治療者や福祉教育、発達支援事業の関係者にとっても役立つヒントが満載です。

目次

contents

第1章 正常発達概論
 1 正常発達とは
 2 正常発達分析
 3 脳性まひの発達とは

第2章 胎児期の発達

第3章 各段階における正常発達の分析 ―脳性まひの治療示唆
 1 新生児期
 2 生後 1 ~ 2 カ月
 3 生後 3 カ月
 4 生後 4 ~ 5 カ月
 5 生後 6 カ月
 6 生後 7 ~ 8 カ月
 7 生後 9 ~ 10 カ月
 8 生後11 ~ 12 カ月

第4章 発達を促す治療テクニック
 1 乳児への抱っこ
 2 足部構造の育成と下肢感覚の組織化
 3 コアコントロール

第5章 治療の実際
 1 NICU 退院直後の乳児の治療
 2 痙直型四肢麻痺の学童児の治療

索 引

column
[第1章]
◆ 二足直立の概念
◆ 身体各部位の相互作用
◆ 多裂筋,腹横筋,骨盤底筋群の活動
◆ 垂直軸オリエンテーション
◆ 内臓受容器(重力受容器)
◆ 感覚受容器
◆ 姿勢コントロールシステム障害
◆ 脳性まひ児の身体図式
◆ 環境因子
◆ 先行性随伴性姿勢調節とは?
◆ 手の接触性指向反応(CHOR)とは?
◆ 時間的空間的適応とは
◆ 姿勢コントロールの発達は, 移行期となる4段階で特徴づけられる
◆ 脳性まひ児の姿勢コントロール
◆ 姿勢アライメント

[第3章]
◆ 口腔内感覚
◆ 馴化と感作
◆ 参照枠(reference frame)とは
◆ コアスタビリティの重要性
◆ 鰓弓筋からの発生
◆ 咬筋
◆ 脳性まひの原始反射
◆ 母子関係への介入
◆ 愛護的ハンドリング
◆ 新生児期の脳性まひ
◆ 生後1カ月の方向特異性
◆ 脳の全体機能
◆ 3カ月までの脳性まひ児の特徴
◆ 両まひ児の腹臥位
◆ 頭の従重力コントロールの重要性
◆ 視覚と手の協調
◆ ひとまとめパターン(en bloc posture pattern)と方向特異性
◆ 立ち直りと平衡の維持
◆ 協調した安定性の発達が移動へつながる
◆ 質量中心
◆ 「長い手」とは?
◆ 姿勢コントロールの本質
◆ 神経回路の生成
◆ 多裂筋
◆ 片膝立ちと両膝立ち
◆ 抗重力空間への欲求
◆ 姿勢コントロールの統合
◆ サルとヒトの重心線
◆ 垂直軸と二足直立姿勢コントロール
◆ 身体の質量中心(COM)と上肢帯
◆ 二足直立での抗重力筋の筋肉特性
◆ 立位姿勢評価
◆ 二足直立歩行の獲得
◆ 両まひ児の歩行
◆ 不確帯とは
◆ 二足直立機構の破綻と社会適応

治療示唆
◆ 環境への馴化
◆ 抗重力活動を容易にする姿勢の準備
◆ 情緒を安定させるための働きかけ
◆ 過剰刺激からこどもを守る
◆ 哺乳と呼吸のための姿勢コントロール
◆ 骨盤周辺・下肢の支持基底面の知覚
◆ 「指しゃぶり行動」の改善
◆ 両まひ児の発汗コントロール
◆ 3 カ月のこどもへのさまざまな働きかけ
◆ 過緊張を緩和するアプローチ
◆ 下肢の交互性を誘発する
◆ 治療における側臥位の重要性
◆ 空間認識を高める
◆ 両まひ児の「長い手」の育成
◆ 四つ這いによる治療の注意点
◆ 座位の多様性を広げる
◆ 「長い手」の育成
◆ 床面からの知覚を促す
◆ 抗重力活動のためのきっかけ
◆ 中枢性パターン発生器の賦活
◆ 感覚の取り込みに対する援助
◆ エネルギーを使う快感の充実
◆ あらゆる運動に学習を組み込む
◆ 平衡維持のための働きかけ
◆ 全身の垂直伸展を促進する
◆ 脳性まひ児の足底の治療
◆ 振り出しの学習
◆ 手指の自由度を広げる
◆ アテトーゼ児の手の発達
◆ 身体図式を発達させる工夫
◆ 課題設定は段階的に
◆ 二重課題への取り組み