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高次脳機能障害・発達障害・認知症のための邪道な地域支援養成講座 実戦編

高次脳機能障害・発達障害・認知症のための邪道な地域支援養成講座 実戦編
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筆頭著者 粳間 剛 (原作)

その他の著者等 仙道/ますみ(まんが)

三輪書店

電子版ISBN

電子版発売日 2021年1月18日

ページ数 152

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-89590-699-9

印刷版発行年月 2020年8月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895906999

書籍・雑誌概要

「高次脳機能障害・発達障害・認知症のための邪道な地域支援養成講座」の”実戦編”

ADHDやASDといった発達障害のある当事者の困りごとの原因として、注意障害などがトピックとなってきた。問題の主体は、社会的コミュニケーションの問題、あるいは共感性の問題と呼ばれているものである。知能に問題がなくても、共感性、社会性に問題があれば、社会生活はできない。また、こうした社会性の問題は、知能の問題をも伴う高次脳機能障害でも認知症でもおきる。だからといって知能の問題だけに注目していていいだろうか?社会性の支援はどうしたらいいだろうか?

注意と感情を他者と共有することは、共感性の礎になる。そのため、本書では、まず共感性の基礎作りとなる注意の要素訓練(マインドフルネス瞑想)と感情を他者と共有する能力(情動の伝染)について紹介し、その応用段階である社会的な視点取得の解説へとすすみ、最終的には「当事者の視点に基づく支援」すなわち「ポジティブな行動支援」の具体的な話へと展開する。社会性の支援のためには、限りある当事者の「注意資源」を「社会性に割り振るためのコツ」が必要である。

あなたの知らない「社会リハビリテーション」がつまった新しい1冊である。

目次

漫画編
第1回 注意機能向上のためのマインドフルネス瞑想
第1.5回 注意は全ての認知機能の土台
第2回  「情動の伝染」と「ソーシャルタッチ」
第2.5回 情動の伝染と、慰め(consolation)の話
第2.75回 真の共感と偽の共感?―情動の伝染と自己投影の話
第3回 共同注意の問題とその支援
第3.5回 共同注意と言語の話―Loopingと認知バイアス
第4回 社会的コミュニケーションと視点取得
第4.5回 視点取得の成長と発達のプロセス,まとめ
第5回 心の理論theory of mindと,視点取得
第5.5回 心の理論はマトリョーシカ?―入れ子構造を理解しよう!
第6回 当事者の視点に基づく支援
第6.5回 医療者の視点に基づく支援も大事

文章で総復習編
1 視点取得の正常発達とその障害(発達障害)
  1.注意の共有―共同注意(生後10か月頃~)
  2.感情の共有(情動の伝染:5歳頃~)
  3.記憶(体験と知識)の共有
2 共感性の正常な老化とその障害(認知症等)
 A.共感性の正常な老化
  1.注意の老化
  2.記憶の老化
  3.その他の老化(含む,感情と社会的認知機能)
 B.認知症性疾患と高次脳機能障害に伴う共感性の変化
  1.アルツハイマー病
  2.前頭側頭型認知症
  3.後天性脳損傷(脳血管障害・脳外傷など)
3 当事者の視点に基づく支援
 A.当事者の視点とは
  「当事者の視点に基づく」とは,その人の感じる世界を追体験しようとすること(That’s共感)
  知識よりも共感に基づく当事者視点の取得をしよう
 B.ポジティブな行動支援
  PBSでは「医療者(支援者)の視点」を意識して抑えるべき場面がある
  目的論の観点が大事(「その行動は何のため?」「結局,何がやりたいんだろう?」
  PBSで共感性が必要なのは何のため?
 C.医療者(支援者)の視点
  社会的行動とは
  社会的行動と問題行動,セーフとアウトの線引き
  どこまで社会は環境調整できるのか?
  医療者の社会的役割(立場)と合理的配慮

おまけのページ
歩数を数える散歩
運動模倣―Moter mimicry
Loopingのいろいろ
心の理論課題難易度MAX問題
「ネコに天罰」