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MISt手技における側方経路椎体間固定術(LIF)入門
OLIF・XLIF®を中心に
筆頭著者 日本MISt研究会 (監修)
三輪書店
電子版ISBN
電子版発売日 2021年10月4日
ページ数 272
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-89590-630-2
印刷版発行年月 2018年4月
書籍・雑誌概要
安全なLIF手技を体系化したMIStバイブル第2弾 !
OLIF、XLIF®をはじめとするLIF(lateral interbody fusion:側方経路椎体間固定術)は、変形に対する強い矯正力、間接除圧が可能であるなど、今までにない特長が魅力である。2013年に日本に紹介・導入された手術手技にもかかわらず、急速に普及してきている。すでに導入2年後の2015年のセミナーには、日本において第一線で実際に手術をしている整形外科系脊椎外科医の20~25%が参加するほど、関心がもたれている。
一方、近年、従来法での腰椎前方固定の手技を経験したことのない若手の脊椎脊髄外科医が増えてきている。しかし、これらの経験のない脊椎脊髄外科医も、LIF手技を導入または導入希望している。さらに、2016年にはLIF施行後の重大な合併症も発生し、LIF手技に対する教育、ライセンス制についても討議、決定されてきた。しかし、そういう状況においても、系統だったLIFの手技書は存在していない。
今回、日本MISt研究会の監修のもとに、LIFを始めたばかりの脊椎脊髄外科医やこれから学ぶ希望のある脊椎脊髄外科医などに向け、腰椎前方や後腹膜腔の解剖、適応、リスクマネージメント、基本手技などの内容を中心に入門書の出版を企画した。本書の執筆は、日本へのLIF導入時から本術式にかかわり、精通しているエキスパートにお願いした。ふだん、学会やセミナーで述べられている内容を改めてテキストとして著述していただいた。脊椎脊髄外科医には本書を利用し、安全にLIFを施行されることを願っている。また、指導医の先生にも、本書をスタッフの教育に活用していただければ幸いである。
目次
A章 総論
1 LIF(側方経路椎体間固定術)の概念・意義・・・金村徳相
2 LIFの歴史・・・田中雅人
3 海外でのLIFの現状と今後の予想・・・石井 賢
B章 LIFに必要な解剖
1 腰椎の一般的解剖・・・富田 卓
2 腰椎の血管系解剖(分節動脈を中心に)・・・野尻英俊
3 胸腰椎移行部の一般的解剖(肋骨,横隔膜を中心に)・・・小谷善久
4 後腹膜腔の解剖(膜の理解を中心に)・・・金村徳相
5 造影3D-CTによる解剖の把握・・・星野雅洋
C章 LIFの優位性
1 間接除圧のメカニズムとケージの位置・大きさ・・・塩野雄太・石井 賢
2 前弯獲得のメカニズムとケージの位置・大きさ・・・大槻文悟・藤林俊介
3 側弯矯正のメカニズムとケージの位置・大きさ・・・森平 泰・種市 洋
4 骨癒合・・・海渡貴司
D章 LIFの適応
1 腰椎変性疾患への適応・・・鈴木喜貴・佐藤公治
2 変性脊柱変形への適応・・・原田智久・高取良太・槇尾 智
3 椎体骨折への適応・・・時岡孝光
4 椎体骨折後変形・偽関節への適応・・・篠原 光・曽雌 茂
5 初心者における症例選択―外来スクリーニング時における選択基準・・・星野雅洋
6 OLIF, XLIF®の適応の違い, 優位性・・・齋藤貴徳・石原昌幸
E章 手術手技(腰椎)
1 OLIF(oblique lateral interbody fusion)
1)腰椎変性疾患への基本手技1(ポジショニングを含む)・・・大鳥精司・折田純久・稲毛一秀
2)腰椎変性疾患への基本手技2(ポジショニングを含む)・・・星野雅洋
3)変性脊柱変形への基本手技1・・・福田健太郎
4)変性脊柱変形への基本手技2・・・小谷俊明
5)high iliac crest, ミッキーマウスサイン, 右側アプローチなどの困難例への対処(angled instrumentsを含む)・・・藤林俊介
2 XLIF®(extreme lateral interbody fusion)
1)腰椎変性疾患への基本手技1(ポジショニングを含む)・・・蜂谷裕道
2)腰椎変性疾患への基本手技2(ポジショニングを含む)・・・石井 賢
3)変性脊柱変形への基本手技1・・・齋藤貴徳・石原昌幸
4)変性脊柱変形への基本手技2・・・細金直文
5)腸腰筋内電気刺激の意義・ピットフォール・・・二階堂琢也・茂呂貴知・紺野愼一
6)high iliac crest, ミッキーマウスサイン, 右側アプローチなどの困難例への対処(angled instrumentsを含む)・・・高取良太・成田 渉
F 章 手術手技(胸腰椎移行部)
1 胸腰椎移行部へのアプローチ手技とピットフォール・・・小谷善久
G章 手術手技(椎体骨折, 偽関節, 転移性腫瘍, 感染など)
1 椎体骨折, 偽関節に対する最小侵襲側方人工椎体置換術・・・篠原 光・曽雌 茂
2 転移性脊椎腫瘍, 感染に対するLIFの応用・・・中西一夫・長谷川 徹
3 隣接椎間障害に対するプレート併用LIF・・・八木 満・美馬雄一郎・石井 賢
H章 LIF における先進的手術支援
1 ナビゲーションによる支援・・・小谷善久
2 拡散テンソルトラクトグラフィー―LIFに有用な体位による腰神経走行の把握・・・江口 和・及川泰宏・大鳥精司
I 章 移植骨
1 自家骨採骨と自家骨不足への対処・・・有薗 剛
2 人工骨単独使用法とその成績・・・大森圭太
J 章 トラブルシューティングと安全性への取り組み
1 大血管損傷, 分節動脈損傷・・・福田健太郎
2 血管走行異常(duplicated vena cava, 卵巣動静脈, 精巣動静脈など)・・・大島 寧
3 神経損傷・・・水谷 潤
4 腎損傷, 尿管損傷・・・折田純久・稲毛一秀・大鳥精司
5 腹膜損傷, 腸管損傷(retrorenal colon を含む)・・・江幡重人・大場哲郎・波呂浩孝
6 前縦靱帯損傷・・・岡田英次朗・藤田順之
7 術中椎体終板損傷, 術中椎体骨折・・・鶴田尚志・山﨑浩司
8 LIF後の除圧不足による馬尾障害・神経根障害への対処・・・中川幸洋
9 X線被曝の低減・・・日方智宏・石井 賢
10 アプローチ側の下肢筋力低下, 下肢疼痛は合併症か ? ・・・大森一生
K章 新しい機器の導入
1 OLIF 12度ケージの概要・意義・・・金子慎二郎
2 側臥位でのL5/S1前側方椎体間固定術(OLIF51® : Hynes technique)・・・小谷善久
3 DLIF(direct lateral interbody fusion)―navigated neuromonitoringによる安全性および自由度の高いアプローチ・・・世木直喜・金村徳相
4 日本で開発したアシスト機器・・・成田 渉・高取良太
5 XLIF®に対する内視鏡支援の有用性・・・高野裕一・稲波弘彦
L 章 LIFの日本における将来・希望
1 LIFの日本における将来・希望・・・佐藤公治
索引