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人工関節のリハビリテーション 術前・周術期・術後のガイドブック
筆頭著者 杉本 和隆 (監修)
その他の著者等 美﨑定也/相澤純也(編集)
三輪書店
電子版ISBN
電子版発売日 2019年3月18日
ページ数 250
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-89590-507-7
印刷版発行年月 2015年3月
書籍・雑誌概要
遂に刊行、人工関節手術~術後リハまでの全容がわかる唯一の必携書
超高齢化社会が進みに連れて、股関節および膝関節の変形性関節症による要介護者が増加傾向にある。
その根本的な治療方法には人工関節手術があり、手術手技やリハビリテーション、材料の進歩によって、優れた長期成績を収めている。
手術件数は年々増加し、ますます人工関節の需要が高まるなか、われわれ医療従事者によるチーム医療の責務はより一層大きなものとなっている。
このような背景において本書は、人工関節の術前・周術期・術後および退院後を効率的に進めるために知るべき、手術関連の情報、疼痛管理、看護ケア、リハビリテーション技術等を容易に理解できるよう系統的・網羅的にまとめたガイドブックである。
また、エキスパートの思考・実践プロセスを伝えるために、多くの図を挿入し解説を加えることで、日々の臨床に直結できるよう工夫がされている。
チーム医療をより優れたものにするためにも、セラピストだけでなく、医師・看護師にとっても手元に置きたい一冊。
目次
第1章
人工股関節全置換術のマネジメント
第1節 変形性股関節症の特徴
1-1.病態,臨床症状,自然経過
1-2.疫学的特徴
1-3.原因(誘因)
1-4.正常な股関節の生体力学的特徴
第2節 治療の概要
2-1.予防法
2-2.保存的治療
2-3.観血的治療
第3節 人工股関節全置換術と術後管理
3-1.はじめに
3-2.手術計画
3-3.手術手技
1)術中体位
2)皮切(MIS-PLアプロ-チ)
3)関節包切開と骨頭摘出
4)大腿骨ブロ-チング
5)寛骨臼コンポ-ネントの設置
6)試験整復
7)寛骨臼ライナー,大腿骨コンポーネントの挿入および人工骨頭の装着
8)関節後方要素の再建
9)術後後療法
3-4.術後のベッド上での全身管理
1)循環動態の確認
2)術創部の確認
3)痛みの管理
4)合併症の予防
3-5.リハビリテ-ション看護-離床から退院まで
1)機能回復のための援助
2)二次的合併症の予防
3)痛みの管理
4)退院に対する心理的・社会的不安への指導・援助
第4節 術前の外来リハビリテ-ション
4-1.身体機能,痛みの軽減または維持
1)股関節機能の維持・軽減
2)痛みのマネジメント
4-2.術前の精神的不安の軽減とモチベーションの向上
1)痛みと身体機能の回復過程の提示
2)手術に対する期待,抱きやすい不安に対するアプローチ
3)術後合併症に対する患者教育
第5節 術前の入院リハビリテ-ション
5-1.術後プロトコルの説明
5-2.術後脱臼のメカニズムと予防についての指導
1)オシレーションアングルとインピンジメント
2)脱臼のリスクファクター
3)脱臼回避動作の指導
4)術後早期の病棟内でのADL指導
5-3.術前評価(スクリーニング)
1)股関節の機能評価
2)バランス能力
3)体幹・他関節の機能評価
4)循環機能の術前評価(スクリーニング)と管理
第6節 術後の入院リハビリテーション
6-1.円滑な離床に向けた合併症の予防と意識づけ
1)深部静脈血栓症の予防
2)術後の安静臥床による腰痛・下肢痛の予防
3)リハビリテーション開始に向けての意識づけとエンパワーメント
6-2.安全な離床・移動手段の獲得
1)離床動作の説明
2)歩行器歩行の指導
3)脚長差の評価と補正
4)術側下肢の運動学習
6-3.院内ADLの拡大と退院に向けての実用動作の獲得
1)筋の収縮・弛緩,分離運動のコントロール
2)術側下肢の荷重と杖歩行のトレーニング
3)セルフトレーニング
4)安全な日常生活動作・環境の指導
5)退院時指導
第7節 外来フォローアップ
7-1.術後の股関節における状態の把握と局所的機能改善
1)異常所見の確認
2)画像所見の確認
3)股関節可動域制限へのアプローチ
4)股関節周囲筋の機能低下へのアプローチ
5)脚長差(構造的,機能的,自覚的)へのアプローチ
7-2.機能低下と不良動作パターンの把握と日常生活制限の改善
1)起立・着座動作へのアプローチ
2)歩行能力・歩容へのアプローチ
3)階段昇降へのアプローチ
4)靴下着脱・爪きりへのアプローチ
7-3.隣接関節の痛み,機能障害の予防・軽減
1)膝関節痛の予防・軽減
2)腰痛の予防・軽減
7-4.身体機能の維持・向上のためのコンディショニング
1)体重の管理
2)患者立脚型アウトカムと身体機能の評価(パフォーマンスベース)
3)運動・スポーツ活動の推奨
4)パフォーマンス機能向上のための高強度トレーニング
5)定期診察による評価とトレーニング指導
第2章
人工膝関節全置換術のマネジメント
第1節 変形性膝関節症の特徴
1-1.病態,臨床症状,自然経過
1-2.疫学的特徴
1-3.原因(誘因)
1-4.正常な膝関節の生体力学的特徴
1)膝関節の構造と安定化機構
2)膝関節のアライメント
3)膝関節の運動学
4)日常生活動作時の膝関節にかかる負荷
第2節 治療の概要
2-1.予防
2-2.保存的治療
1)運動療法
2)徒手療法
3)物理療法
4)装具療法
5)薬物療法
2-3.観血的治療
1)関節鏡視下デブリドマン
2)高位脛骨骨切り術
3)人工膝関節置換術
第3節 人工膝関節全置換術と術後管理
3-1.はじめに
1)人工膝関節全置換術の構造
2)人工膝関節全置換術のデザイン
3)MIS-TKA
4)人工膝関節単顆置換術
3-2.術前の手術計画
3-3.手術手技
1)皮切
2)展開,関節包切開
3)骨切り
4)トライアルの挿入
5)コンポーネントの挿入
6)関節包の縫合と皮膚閉創
3-4.術後のX線評価
3-5.術後のベッド上での全身管理
1)循環動態の確認
2)術創部の確認
3)痛みの管理
4)合併症の予防
3-6.リハビリテーション看護-離床から退院まで
1)機能回復のための援助
2)二次的合併症の予防
3)痛みの管理
4)退院に対する心理的・社会的不安への指導・援助
第4節 術前の外来リハビリテーション
4-1.身体機能,痛みの軽減または維持
1)膝関節周囲筋に対するアプローチ
2)関節可動域制限に対するアプローチ
4-2.痛みのコントロール
1)痛みの軽減を目的としたアプローチ
2)痛み回避動作の指導
4-3.隣接関節の機能維持・改善
1)股関節機能に対するアプローチ
2)足関節機能に対するアプローチ
4-4.術前の精神的不安の改善
1)術後の身体機能および疼痛の回復過程の提示
2)手術に対する期待,抱きやすい不安に対するアプローチ
第5節 術前の入院リハビリテーション
5-1.患者の自己効力感の向上と早期離床を図るためのオリエンテーション
1)自己効力感を向上させるための術前オリエンテーション
2)理学療法士によるオリエンテーション
5-2.術前評価に基づく術後の回復過程および予後予測
1)術前評価に基づく予後予測
第6節 術後の入院リハビリテーション
6-1.リスク管理と早期回復
1)安全に離床を進めるための情報収集
2)全身状態管理を伴うベッドサイドでの術後リハビリテーション
3)歩行器による歩行自立までのチェックポイント(起居動作,立ち上がり動作,歩行器歩行)
4)痛みの管理(アイシング,ポジショニング)
5)回復過程を把握するための術後評価
6)手術侵襲によって起こる問題点の把握
6-2.積極的な運動療法
1)術後の回復経過を考慮した下肢の筋力増強トレーニング
2)疼痛に応じた膝関節可動域の拡大
3)非対称性荷重の改善
4)エルゴメータによる持久力維持と膝関節協調性の改善
6-3.安全に日常生活を過ごすための退院時指導
1)杖歩行・階段動作の獲得
2)床上動作の獲得
3)退院時指導(退院後のトレーニング,禁忌動作の再指導)
第7節 外来フォローアップ
7-1.術後の状態把握と局所的な機能改善
1)術後の状態確認
2)画像所見の把握
3)膝関節の局所的な機能維持・改善
7-2.機能低下および動作不良パターンの把握,動作能力の改善
1)起立・着座動作の改善
2)歩行能力・歩容の改善
3)スムーズな階段昇降動作の獲得
4)kneeling動作の可否の把握と患者教育
5)自転車駆動能力の改善
7-3.身体機能の維持・向上を目的としたコンディショニング方法の定着
1)術後の身体活動量の維持・向上
第3章
代表的な評価尺度
・日本整形外科学会股関節機能判定基準(JOA hip score)
・日本整形外科学会変形性膝関節症治療成績判定基準(JOA knee score)
・日本整形外科学会股関節疾患評価質問票
・手術した人工関節への意識に対する質問票
・日本語版lower extremity functional scale
第4章
患者指導用パンフレット
・人工股関節手術を受けられた患者へのホームエクササイズ例
・人工膝関節手術を受けられた患者へのホームエクササイズ