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脳血管障害の解剖学的診断
筆頭著者 後藤 潤 後藤 昇 (著)
昭和大学医学部・東京都医学総合研究所
三輪書店
電子版ISBN
電子版発売日 2019年7月15日
ページ数 420
判型 A4
印刷版ISBN 978-4-89590-497-1
印刷版発行年月 2014年4月
書籍・雑誌概要
解剖学的な観点と病理学的な視点で臨床能力がUP
脳血管障害を診断する際は、他臓器の疾患に比べて解剖学的知識を多く必要とする。また、それと並行して病理学的知識を深めることで診断レベルを上げることが可能となる。これまで長年の臨床経験が必須であると誤って信じられてきたが、真に必要なのは解剖学・病理学とまたがり理解することが一番の近道である。しかし、臨床に即した解剖学的・病理学的な知見を得るための書物は乏しい。このような諸般の事情を十分に考慮して誕生したのが本書である。
本書では、脳・脊髄の基礎的知識に始まり、脳血管障害の病理学、脳・脊髄血管の解剖学を、鮮明なカラー図を豊富に掲載することで理解を容易にする工夫が施されている。また、臨床現場を意識した症例提示で、診断に対するコツがつかめる。さらに、非常に読み応えがあり、興味がそそられる、脳血管障害の神経症候・疾患概念や医学史などに関するものを「余録」、神経解剖学や神経病理学などの発展に寄与した医学者に関するもの「抄伝」として収録。
現在では、医師のみではなく、看護をはじめとする医療に携わるコメディカルの人たちにも中枢神経系を知ろうとする意識が高くなっている。本書は、まさに脳血管障害に関心のある全ての医療従事者に読んでいただきたい必携書である。
目次
序 説
第1章 脳・脊髄の解剖学概論
神経系の区分
大脳について
終脳
間脳
脳幹について
中脳
橋
小脳
延髄
脊髄
末梢神経
神経系の組織学
神経系の病理組織学
第2章 脳室系と髄膜
脳室系
脳脊髄液
髄膜
第Ⅰ部 脳血管障害の病理学
第3章 脳血管障害の統計
脳血管障害の分類
脳卒中の統計
第4章 脳ヘルニア
頭蓋内膨隆性病変と脳ヘルニア
下方へのテント切痕ヘルニア
眼窩回ヘルニア
大脳鎌下方ヘルニア
上方へのテント切痕ヘルニア
大後頭孔ヘルニア
第5章 脳梗塞
虚血性脳傷害について
脳の動脈硬化
脳血栓症と脳塞栓症
脳梗塞の病理学的分類
梗塞巣の経時的変化
貧血性梗塞と出血性梗塞
脳梗塞と大脳の動脈血供給
内頚動脈の閉塞
多発性脳梗塞
ラクナ梗塞
脳底動脈血栓症
脳幹小脳梗塞
小脳梗塞
後有孔質動脈症候群
脳底動脈分枝の梗塞
外側延髄症候群
第6章 脳内出血
脳内出血と微小動脈瘤
被殻出血
視床出血
皮質下出血
原発性橋出血
小脳出血
脳室内出血
第7章 クモ膜下出血
クモ膜下出血と動脈瘤
クモ膜下出血の重症度
クモ膜下出血の伸展
頭蓋内動脈瘤の種類
動脈瘤性クモ膜下出血の合併症
頭蓋内動脈瘤の特異な例
第8章 他の脳血管障害
特殊なクモ膜下出血・脳内出血
急性硬膜外血腫
急性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫
硬膜静脈洞血栓症
縊死脳
正常圧水頭症
血管性認知症
第Ⅱ部 脳・脊髄血管の解剖学
第9章 内頚動脈と椎骨動脈
中枢神経系の動脈血供給の原則
脳の区分と脳血管との関係
頭蓋腔に達するまでの経路
頭蓋腔内での走行
Willis動脈輪
第10章 大脳皮質・大脳髄質の動脈系
大脳動脈
大脳動脈皮質枝の微細構造
第11章 大脳核・間脳の動脈系
中心枝について
前脈絡叢動脈
大脳核の動脈血供給
間脳の動脈血供給
内包の動脈血供給
第12章 脳幹の動脈系
脳幹の動脈について
中脳の動脈血供給
後有孔質を経る動脈
橋の動脈血供給
延髄の動脈血供給
第13章 小脳の動脈系
小脳動脈
小脳動脈分枝の微細構造
第14章 脈絡叢・眼窩・内耳の動脈系
脈絡叢の動脈血供給
眼動脈と迷路動脈
第15章 脊髄の動脈系
脊柱管に達するまでの経路
脊髄枝
脊髄の動脈血供給
脊髄血管障害
第16章 脳の静脈系
脳の静脈血灌流の分類
大脳の表在静脈系
大脳の深部静脈系
脳幹小脳静脈系
脈絡叢からの静脈血灌流
下垂体門脈系
頚静脈孔以外の経路
上眼静脈と迷路静脈
第17章 硬膜静脈洞
硬膜静脈洞
第18章 脊髄の静脈系
内脊髄静脈
外脊髄静脈
脊柱管からの静脈血灌流
第19章 硬膜の血管
硬膜の血管とは
硬膜動脈
硬膜静脈
第Ⅲ部 症例集
第20章 脳梗塞の症例
脳梗塞の症例
第21章 脳内出血の症例
脳内出血の症例
第22章 他の脳血管障害の症例
他の脳血管障害の症例
付 録
付録A 脳・脊髄血管の研究方法
付録B ニトロセルロース包埋切片作成法
索 引
日本語索引
英語索引
ラテン語索引
フランス語索引
人名索引