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≪15レクチャーシリーズ 理学療法テキスト≫
物理療法学・実習
筆頭著者 石川 朗 (総編集)
神戸大学生命・医学系保健学域
その他の著者等 日髙/正巳 玉木/彰
中山書店
電子版ISBN
電子版発売日 2021年12月20日
ページ数 208
判型 A4
印刷版ISBN 978-4-521-73670-9
印刷版発行年月 2014年2月
書籍・雑誌概要
物理療法は,運動療法と並んで理学療法の両輪をなす治療手段である.
このテキストでは,物理療法における各治療法の作用機序,適応と禁忌,実施上の注意点について,生理学的背景とともに理解することを主な目的としている.
また,個々の物理療法が使えるだけでなく,状態に応じて使い分けができるよう,物理療法の選択における臨床判断の仕方についても深く学ぶことを目標とする.
目次
LECTURE 1 物理療法の基礎 (日髙正巳)
1.物理療法の歴史
2.物理療法の現状
1)物理療法教育の現状
2)臨床面の現状
3)診療報酬の現状
4)学術・研究面の現状
3.物理療法の分類と種類
4.物理療法の臨床適用の流れ
1)治療仮説の立案(物理療法手段の選択)
2)治療の実施
3)治療の効果判定
4)運動療法との併用
5.物理療法の対象
1)疼痛管理
2)神経筋制御
3)創傷治療
6.物理療法機器開発の動向
7.物理療法研究の今後
Step up
1.企業に勤務する理学療法士の役割
2.診療報酬で認められている物理療法
LECTURE 2 温熱療法(1)-伝導熱:ホットパック,パラフィン浴 (藤野英己)
1.温熱療法
2.熱エネルギー
3.比熱容量と熱伝導率
4.熱の移動
1)伝導
2)対流
3)輻射
5.温熱に対する生体反応
1)局所的な生体反応
2)全身的な生体反応
6.ホットパック
1)ホットパック
2)ホットパックの作用機序
3)湿熱と乾熱
4)ホットパックによる生理的作用
5)適応と禁忌
6)利点と欠点
7)実施上の注意事項
7.パラフィン浴
1)パラフィン浴
2)パラフィン浴の作用機序
3)パラフィン浴による生理的作用
4)実施法
5)適応と禁忌
6)利点と欠点
7)実施上の注意事項
実習
1.ホットパック(湿熱・乾熱)
2.パラフィン浴
Step up
温熱に対する局所的な生体反応
LECTURE 3 温熱療法(2)-輻射熱:赤外線療法 (藤野英己)
1.光線と光エネルギーの特性
2.光エネルギーの特性
照射距離と照射角度
3.赤外線療法
1)輻射熱と赤外線
2)物質の温度と赤外線の熱エネルギーや強度との関係
3)赤外線の反射と照射強度
4)赤外線の作用機序・生理的作用
4.赤外線治療器
1)赤外線温熱治療器
2)発光性スポット赤外線治療器
3)直線偏光近赤外線治療器
4)適応と禁忌
5)利点と欠点
6)赤外線温熱治療器における実施上の注意事項
7)直線偏光近赤外線治療器における実施上の注意事項
実習
1.赤外線療法
2.直線偏光近赤外線療法
Step up
皮膚の構造と血管
LECTURE 4 温熱療法(3)-エネルギー変換熱:超短波療法,極超短波療法 (藤野英己)
1.エネルギー変換熱
1)高周波によるエネルギー変換熱の特性
2)エネルギー変換による熱の発生
3)誘電率と比吸収率
2.エネルギー変換熱の生理的作用
1)温熱効果
2)非温熱効果
3.エネルギー変換熱を利用した物理療法
4.高周波アプリケーター
1)容量板アプリケーター
2)誘導コイルアプリケーター
3)マグネトロン
5.超短波療法
1)コンデンサー電界法
2)らせん電界法
3)パンケーキ法(らせん電界放射法)
4)スペーサー
5)適応と禁忌
6)利点と欠点
7)超短波療法における実施上の注意事項
6.極超短波療法
1)ホットスポット
2)適応と禁忌
3)利点と欠点
4)極超短波療法における実施上の注意事項
実習
1.超短波療法
2.極超短波療法
Step up
1.マグネトロンの特性
2.ハイパーサーミア
LECTURE 5 光線療法-紫外線療法,レーザー療法 (髙木峰子)
1.光線療法
1)光線療法
2)光線療法の分類
3)光線療法の生理学的作用
2.紫外線療法
1)紫外線療法
2)紫外線の種類(分類)
3)紫外線による生理的作用
4)適応
5)禁忌
6)実施上の注意事項
3.レーザー療法
1)レーザー療法
2)レーザー光の特徴
3)固有波長によるレーザー光の分類
4)出力(強度)の違いによるレーザー療法の分類
5)レーザー光による光化学作用と光熱作用
6)生体に対するレーザー光の生理的作用
7)適応
8)禁忌
9)実施上の注意事項
10)照射方法
実習
1.最小紅斑量の判定
2.肩関節周囲炎に対する半導体レーザー療法
Step up
1.レーザー光発生の原理
LECTURE 6 寒冷療法 (玉木 彰)
1.寒冷療法
2.寒冷療法の分類
1)伝導冷却法
2)気化(蒸発)冷却法
3)対流冷却法
3.寒冷療法の種類と実施上の注意点
1)アイスパック
2)コールドパック
3)アイスマッサージ
4)冷水浴
5)コールドスプレー
6)持続的冷却
7)極低温療法
4.寒冷療法の生理学的作用
1)循環・血管系に対する作用
2)神経系・筋に対する作用
3)代謝系に対する作用
4)結合組織に対する作用
5)感覚系に対する作用
5.寒冷療法の適応と禁忌
1)適応
2)禁忌
実習
1.寒冷に対する過敏性の確認
2.各種寒冷療法の体験
3.RICE 処置
Step up
1.アイスパックによる皮膚温の変化
2.氷の形態による冷却効果の違い
LECTURE 7 水治療法 (玉木 彰)
1.水治療法
2.水の物理的特性
1)比熱・熱伝導
2)静水圧
3)動水圧
4)浮力
5)抵抗
3.水の生理学的作用
1)呼吸器系への作用
2)循環器系への作用
3)腎臓への作用
4)心理への作用
5)水温の身体への作用
6)成分による作用
4.水治療法の分類
1)全身浴
2)部分浴
5.水治療法の実際
1)渦流浴
2)気泡浴
3)交代浴
4)ハバード浴
5)プール療法
実習
1.渦流浴・気泡浴
2.交代浴
Step up
水中運動療法
LECTURE 8 超音波療法 (日髙正巳)
1.超音波
1)超音波発生の原理
2)超音波の特性
3)超音波による発熱機構
2.超音波療法の基礎
1)超音波の性能
2)導子の性能の確認法
3)超音波の強度
3.超音波の照射に影響を与える因子
1)照射周波数
2)超音波導子の大きさ
3)照射時間率
4)媒介物質
5)透過率
6)深達性
7)減衰率
8)超音波導子の操作法
4.超音波療法の作用
5.超音波療法の適応
1)温熱作用の適応
2)非温熱作用の適応
6.超音波療法の禁忌・注意事項
7.超音波療法の実施
8.代表的な疾患に対する超音波療法
1)肩関節周囲炎
2)大腿骨頸部骨折による手術療法後
3)変形性股関節症による人工関節置換術後
4)アキレス腱断裂縫合術後
5)褥瘡
実習
1.超音波の性能の確認
2.超音波の出力の確認
3.超音波療法
Step up
1.フォノフォレーシス
2.骨折に対する低出力超音波パルス療法
3.超音波画像検査法
LECTURE 9 電気刺激療法(1)-総論 (坂口 顕)
1.電気刺激療法
1)電気刺激療法
2)電気刺激療法の歴史
3)電気刺激療法の分類
2.生理学的基礎知識
1)静止電位と活動電位
2)神経線維の種類と機能
3.電気の基本
1)直流と交流
2)パルス電流
3)波形
4.電気刺激のパラメータ
1)刺激量と強さ-時間曲線
2)周波数
3)刺激の時間的変化率
4)極性
5)刺激間隔
6)電極
7)変調
5.電気刺激療法の禁忌
6.電気刺激療法の注意事項
7.電気刺激療法を行う際の配慮
実習
1.強さ?時間曲線
2.通電設定の違い
Step up
コンビネーション治療
LECTURE 10 電気刺激療法(2)-経皮的神経電気刺激,干渉波電流,微弱電流刺激 (坂口 顕)
1.痛みに対する電気刺激療法
2.痛み
1)痛みの定義
2)痛みの伝導路
3)疼痛患者の理解
4)急性痛と慢性痛症
3.電気刺激による疼痛軽減作用機序
1)局所神経ブロック
2)シナプス前抑制
3)内因性オピオイド物質の放出
4.経皮的神経電気刺激の実際
1)局所神経ブロック
2)シナプス前抑制
3)内因性オピオイド物質の放出
4)変調
5.干渉波電流
1)干渉波電流の原理
2)搬送電流
3)干渉波電流のメリット
6.微弱電流刺激
1)微弱電流刺激の作用機序
2)微弱電流刺激の実際
実習
1.経皮的神経電気刺激
2.干渉波電流
3.微弱電流刺激とPRICEの併用
Step up
イオントフォレーシス
LECTURE 11 電気刺激療法(3)-神経筋電気刺激,高電圧パルス電流,ロシアンカレント,筋電誘発電気刺激 (坂口 顕)
1.筋機能改善のための電気刺激療法
2.筋収縮のメカニズムとその障害
1)一次運動ニューロン
2)二次運動ニューロン
3)筋
3.神経筋の特性
1)運動単位と筋力
2)筋線維の太さ
3)筋線維のタイプ
4)筋力増強のメカニズム
4.電気刺激による筋力増強
1)動員される運動単位
2)収縮する筋線維タイプ
5.神経筋電気刺激の実際
1)刺激強度・パルス幅
2)ランプアップ─ダウン時間
3)モーターポイント
4)周波数
5)刺激間隔
6)治療時間・期間
7)拮抗筋の筋力増強
8)脱神経筋に対する電気刺激療法
9)痙性抑制
10)筋スパズム
6.神経筋電気刺激の適応
7.ロシアンカレント
8.高電圧パルス電流
1)高電圧パルス電流の特徴とメリット
2)高電圧パルス電流の適応
9.筋電誘発電気刺激
実習
1.電気刺激による筋収縮
2.電気刺激による筋緊張低下
Step up
さまざまな領域で用いられる神経筋電気刺激
LECTURE 12 電気刺激療法(4)-機能的電気刺激療法,バイオフィードバック療法 (金原一宏)
1.機能的電気刺激療法の目的
2.機能的電気刺激療法の原理,適応,作用
3.機能的電気刺激療法装置
4.電極
5.機能的電気刺激の条件
1)刺激波形
2)パルス幅,刺激周波数
3)刺激振幅
4)トリガー刺激
6.機能的電気刺激療法の臨床適応
1)上肢への機能的電気刺激療法
2)下肢への機能的電気刺激療法
7.バイオフィードバック療法
1)筋電図バイオフィードバック療法
2)その他のバイオフィードバック療法
実習
1.筋緊張緩和を目的としたHVPCを用いた機能的電気刺激療法
2.機能的電気刺激療法のプログラミング
3.バイオフィードバック療法
Step up
筋電誘発電気刺激療法
LECTURE 13 牽引療法 (金原一宏)
1.牽引療法の種類
2.牽引療法の効果
1)関節の離開
2)軟部組織の伸張
3)膨隆した椎間板の整復
4)牽引弛緩の繰り返しによる筋刺激効果(マッサージ効果)
5)各分節レベルでの運動効果
3.牽引療法の実施方法
1)脊椎に対する牽引方向
2)牽引力
3)牽引時間の連続性
4.治療方法
1)適応
2)禁忌
3)電動牽引装置の操作
4)牽引条件の設定
5)治療開始
6)治療終了
7)効果の確認と治療の検討
5.牽引療法実施時の注意点
6.牽引療法機器の点検
実習
1.腰椎牽引療法
2.頸椎牽引療法
3.自重牽引と徒手牽引の比較
4.腰痛ヘルニアに対する腰椎牽引療法
Step up
腰椎椎間板ヘルニアの位置と痛みの発生機序
LECTURE 14 マッサージ療法 (金原一宏)
1.マッサージ療法の目的
2.マッサージ療法の作用
1)循環改善作用
2)筋緊張調整作用
3)鎮痛作用
4)精神作用
3.マッサージ療法の実施方法
1)軽擦法
2)弛擦法
3)揉捏法
4)圧迫法
5)叩打法
6)振戦法
7)筋筋膜リリース
4.マッサージ療法の実践
1)マッサージの原則
2)障害特性に応じた治療手技の選択
3)ポジショニング
4)刺激の強度における注意点
5)禁忌
5.ハドマー
1)ハドマーの作用
2)ハドマーの実践
実習
1.頸部へのマッサージ療法
2.腰部へのマッサージ療法
3.頸肩腕症候群に対するマッサージ療法
4.ハドマー
Step up
猫背の痛みの発生機序
LECTURE 15 リスク管理 (日髙正巳)
1.リスク管理
2.物理療法機器のリスク
1)医療用機器と家庭用治療機器
2)物理療法機器によるリスク
3)絶対禁忌と相対禁忌
4)物理療法機器の劣化と点検の必要性
3.機器の点検
1)日常点検
2)定期点検
3)随時点検
4.医療事故と報告
1)ハインリッヒの法則
2)インシデント・アクシデントレポート
3)現場対処
5.危険予知トレーニング
6.EMC規格
1)EMC規格
2)EMC適合表示のガイドライン
実習
1.点検マニュアルの作成
2.非常時の行動マニュアルの作成
3.対応の検討
TEST 試験 (日髙正巳)