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小児アレルギーのトリセツ

小児アレルギーのトリセツ
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筆頭著者 田中 裕也 (著)

その他の著者 笠井/正志 岡藤/郁夫

金原出版

電子版ISBN 978-4-307-87075-7

電子版発売日 2021年10月11日

ページ数 240

判型 B6変

印刷版ISBN 978-4-307-17075-8

印刷版発行年月 2021年10月

DOI https://doi.org/10.18888/9784307870757

書籍・雑誌概要

小児におけるアレルギー疾患は増加の一途をたどっている。今やアレルギー診療は小児医療にとってコモンスキルといえる。しかし、アレルギー診療は外来のなかで話を聞き、診察と鑑別を繰り返し、対応を考えるということを短時間に行わなければならない非常にタフな分野である。専門性の高い食物アレルギーや気管支喘息の長期管理などは専門医にお任せ、という医師も多いだろう。しかし「誰でも、アレルギーは診れる」。
本書は専門医ではないけれど、患者に相談されたときに的確に専門医レベルの対応ができるようになるためのマニュアルである。臨床で知りたいことがすぐわかる!「小児感染症のトリセツREMAKE」に続く、第一線・気鋭の単独著者による小児トリセツシリーズがついに始動。
「トリセツ」で小児科医療はもっと面白くなる。

目次

Chapter1 小児アレルギー診療の原則

1.こどものアレルギーを診るための基本事項
 1.なぜアレルギーを診るのか
 2.こどものアレルギーを診るときの大原則
 3.アレルギーの概念・病態・発症の機序(免疫とメカニズム)
  CoombsとGellの分類
  アレルギーマーチ
 4.アレルギーの診断
  問診
  アレルギー診療で用いる検査

2.こどものアレルギーに使う薬剤の基礎知識
 1.上手に薬を使いこなすための7ルール
  ルール1 新薬は「安全性」を確認し「エビデンス・使用感」を「短期間」でチェック
  ルール2 小出しにせず、徹底的に抑えてから減量(右)中止する
  ルール3 安定=減量/中止できないかを考える
  ルール4 いろいろな選択肢をもっておく
  ルール5 心に余裕をもつ
  ルール6 薬は患児が正しく使用してはじめて効果がある
  ルール7 薬の有効成分以外の要素も重要
 2.薬剤各論
  抗ヒスタミン薬
  ロイコトリエン受容体拮抗薬
  吸入薬
  外用薬
  点鼻薬
  点眼薬
 3.処方の実際


Chapter2 小児アレルギー診療の実践

1.アナフィラキシーをマスターする
 1.アナフィラキシーへの対応
  Step1 アナフィラキシーを認識する
  Step2 重症度を判定しアドレナリンを使うか判断する
  Step3 症状への対応
 2.初期対応後にするべきこと
  Step1 原因の評価
  Step2  再発防止の指導/症状出現時対応(エピペンRを処方するか)
 症例でレビューしよう!

2.気管支喘息をマスターする
 1.医療機関における急性増悪(喘息発作)の対応
  Step1  気管支喘息急性増悪の可能性を認識し、発作強度を判定する
  Step2  初期対応(酸素+気管支拡張薬)
  Step3  喘息急性増悪と診断し、治療を行う
  Step4  治療効果を判定し、方針(帰宅か入院)を決定する
 2.長期管理:二度と発作(入院)を起こさせない!
  重症度評価/長期管理薬決定
  具体的な患者指導
  外来での長期管理のフォローアップ

3.湿疹の診かた~こどもの肌をツルツルにする
 1.湿疹をきれいにすること
  こどもによくあるきれいにすべき湿疹
  湿疹へのアプローチと鑑別疾患
 2.湿疹をきれいにするやり方:スキンケア+抗炎症剤外用が基本!
  スキンケアは「洗って保湿」がキーワード
  湿疹部には抗炎症外用剤(ステロイド外用剤、タクロリムス外用剤、
  デルゴシチニブ外用剤):「ツルツル、スベスベ」がキーワード
  アトピー性皮膚炎の重症度マーカー:TARC
 3.アトピー性皮膚炎で注意すべき合併症
  眼合併症
  伝染性膿痂疹
  カポジ水痘様発疹症
  伝染性軟属腫(水いぼ)
 症例でレビューしよう!

4.専門医へつなぐ食物アレルギー診療
 1.アウトライン
  分類・症状
  疫学・自然歴
  予知・予防
  検査
 2.乳児アトピー性皮膚炎(FA/AD)
 3.即時型の食物アレルギーの診療
  Step1 必要最小限の除去=食物アレルギーの正しい診断
  Step2 除去すべき食品の除去
  Step3 アレルギー症状出現時の対応
  Step4 他のアレルギー疾患のコントロール
  Step5 社会的対応
 4.経口免疫療法(OIT)
<食品別・食物アレルギーのトリセツ>
  卵
  牛乳
  小麦
  大豆
  甲殻類
  ピーナッツ
  ナッツ類
  魚卵
  魚
  軟体類:イカ、タコ、貝
  果物(花粉が関係しないもの)
  そば

5.鼻炎の診かた~鼻水や鼻づまりを見たら、鼻を診る
 1.アレルギー性鼻炎をなぜ診る必要があるのか
 2.診断する
  典型的症状がある→感染症ではなくアレルギーっぽいか→季節性か通年性か
 3.重症度を決定する
  問診
  鼻内所見~小児科医でも鼻の中をみる!
 4.対応
  介入するか決める
  感作を精査、抗原除去
  薬物療法

6.こどもの未来を変えるアレルゲン免疫療法
 1.アレルギーのこどもにアレルゲン免疫療法を行うことは正義である
  なぜ効くのか
  皮下免疫療法と舌下免疫療法
 2.舌下免疫療法の効果と安全性
  効果
  安全性
 3.舌下免疫療法の実際
  Step1 SLIT処方医になろう!
  Step2 対象/適応を考える
  Step3 SLITの説明+導入
  Step4 SLITの維持

7.薬剤による過敏反応
 1.薬疹と薬剤アレルギー
  即時型と遅延型を判断する
 2.重症薬疹の特徴~皮膚科医以外が判断するために
  SJSとTEN
  DIHS
  そのほか
 3.即時型、軽症の薬疹(遅延型)への対応
  まず原因薬剤の中止、治療
  原因検索
 4.臨床でよく経験する薬剤~抗菌薬、造影剤、解熱鎮痛薬、局所麻酔薬
  抗菌薬
  造影剤
  解熱鎮痛薬
  局所麻酔薬

8.アレルギーをもつこどもへの予防接種
 1.基本的な考え方
  注意事項:ステロイド薬による治療を受けている児
 2.食物アレルギー患者への予防接種
  インフルエンザワクチン
  その他のワクチン

9.花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)
 1.特徴
 2.疫学
 3.診断
  病歴聴取/鼻の診察
  皮膚テストが有用
  食べてみる
  血液検査
 4.治療と患者への説明

10.蕁麻疹
 1.蕁麻疹の診断
  Step1 蕁麻疹と湿疹を区別し、蕁麻疹であると判断する
  Step2 問診で原因を調べる
  Step3 蕁麻疹の改善方法の提案
 2.蕁麻疹の治療

11.消化管アレルギー
 1.消化管アレルギーとは
 2.疾患概念の理解
  原因食品
 3.いつ疑って診断するのか
  出生~離乳食開始まで
  離乳食開始以降
  血液検査
  診断
 4.診断後の対応
  消化管アレルギー管理のポイント
  治療乳選択のアルゴリズム
  消化管アレルギーにおける負荷試験
 症例でレビューしよう!

巻末資料1 筆者厳選の頻用アレルギー治療薬のトリセツ
巻末資料2 小児アレルギー診療に役立つウェブサイト