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見えない悲しみをみつめて

内的対象喪失

内的対象喪失
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筆頭著者 矢吹 弘子 (著)

矢吹女性心身クリニック 院長

新興医学出版社

電子版ISBN

電子版発売日 2019年8月5日

ページ数 152

判型 B6変

印刷版ISBN 978-4-88002-591-9

印刷版発行年月 2019年7月

DOI https://doi.org/10.18887/9784880025919

書籍・雑誌概要

「内的対象喪失」は、思い通りにいかない、満たされないという、その人の中でおこっている失われた感覚です。本書では、特に親子のテーマ、心身症状を取り上げ、内的対象喪失が心身に及ぼす影響と、失った大事なことに気づき受け入れるためのプロセスについて、症例を通しわかりやすく解説しています。
 失った心に精神療法(心理療法)はどのように関わりうるのか―医療や臨床心理の専門家、さらには一般の方にも、おすすめの1冊です。

目次

はじめに
第一部 内的対象喪失から心身症を紐解くにあたって
第一章 対象喪失とは何か
一 対象喪失の種類
二 外的対象喪失と内的対象喪失
第二章 ライフサイクルの精神分析理論
一 フロイトの精神・性的発達論
二 エリクソンのライフサイクル論
第二部 親の愛情をめぐる内的対象喪失と心身症
第三章 満たされない愛情と心身症状
一 満たされない愛情と神経性過食症
二 満たされない愛情と多様な身体症状
第四章 乳幼児期と内的対象喪失
一 乳幼児の心理的誕生 ─マーラーによる理論─
二 喪の仕事に必要な抑うつ態勢 ─対象関係論による乳幼児の心の発達─
三 ウィニコットによる「ほど良い母親」と「偽りの自己」の理論
   ─心のなかの「自信の核」の発達と抑うつ態勢─
四 ボウルビイによる愛着理論、乳児の対象喪失 ─母性的愛着の剥奪─
第三部 大人になるということと内的対象喪失
第五章 思春期・青年期の親からの自立と内的対象喪失
一 ブロスによる青年期の発達理論
二 親からの期待との狭間で
三 青年期の自立に際する親の側の困難
第六章 結婚と内的対象喪失(結婚するしない・配偶者の選択)
一 結婚・配偶者の選択をめぐって
二 獲得の影にある喪失
第四部 親になること・親であることをめぐって
第七章 期待する子ども像をめぐる内的対象喪失と心身症(世代間伝達)
一 子を持つということをめぐって
二 子への期待と内的対象喪失
三 親の期待と子の世代の心身症状
四 子どもを持つということの獲得的意味と内的対象喪失
第八章 成人期・壮年期(中年期)と内的対象喪失
一 ライフサイクルにおける成人期・壮年期(中年期)
二 中年期における自分自身に関する対象喪失
三 中年期における子どもをめぐる対象喪失
第九章 中年期における親をめぐる対象喪失
一 介護問題と内的対象喪失
二 傷つけてくる母親と仮の和解
第十章 老年期の内的対象喪失と親子
一 老年期の内的対象喪失
二 親と子の逆転
三 高齢者の内的対象喪失 ─エリクソン夫妻による第9の段階─
第五部 満たされない気持ちを心に収めること
第十一章 対象喪失の喪の仕事とは ─精神分析の理論─
一 フロイトの対象喪失とフリース体験 ─精神分析の創始─
二 対象喪失の「喪の仕事」とは
第十二章 対象喪失の喪の仕事に必要な態勢と妨げるもの
一 原始的防衛機制
二 悲哀の仕事を妨げる躁的防衛
三 喪失の躁的防衛が下の世代に与える影響
第十三章 親をめぐる外的・内的対象喪失の喪の仕事
一 対象喪失と心身症状の精神療法
二 摂食障害発症の背景と外的・内的対象喪失
三 子の側の青年期の自立と親の側の中年期の課題をめぐって
四 精神療法の経過 ─共感について─
五 精神療法の展開と終結 

おわりに ─精神療法の仕事は喪の仕事─

あとがき
索引


※ 本書では、著者が過去に学会発表したケースを元に再考したものと、臨床経験を元に主旨を損なわない程度に脚色・合成したモデルケースを提示している。

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