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絶対成功する腎不全・PD診療 TRC(Total Renal Care) 第2版
治療を通じて人生を形作る医療とは
筆頭著者 石橋 由孝(監修・編著) 上條 由佳 藤本 志乃 (編著)
日本赤十字社医療センター腎臓内科部長 日本赤十字社医療センター腎臓内科医師 “食べる”を楽しむためのカウンセリングルームLe:self代表/臨床心理士・公認心理士
その他の著者等 山根朋子/武藤 崇/大塚 類/齋藤 凡/藤原玲子/会田薫子/清水哲郎/冨田ゆかり/山本則子/武藤真祐/榊原哲也
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2019年10月28日
ページ数 218
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-498-22429-2
印刷版発行年月 2019年10月
書籍・雑誌概要
医療技術の驚異的な進歩によって,慢性腎不全患者の長期生存が現実となったいま,医療者には,身体面の治療のみならず,患者のQOL(Quality of Life)を高めるための支援が求められている.
本書では,患者の精神心理・社会生活面を支援するためのTotal Renal Care(TRC.全人的・総合的腎疾患医療アプローチ)の実践と考え方を解説した.約3年半ぶりの改訂にあたり,TRC総論の改稿など,各所をリニューアル.
目次
目次
1章 全人的・総合的腎疾患医療アプローチ(Total Renal Care: TRC) (石橋由孝)
死の受容から生の受容へ
慢性疾患の診療に必要な医療者の視点
人間の個別性
心のステージ
心のステージと腎不全
絶望の淵から人生の価値へ
価値の言語化(人生の目標を言葉にする)
高齢者腎不全医療
死生観(の形成)
支援者と患者,および支援者間の距離とその調整,そしてAdvanced Care Planning
全人的・総合的腎疾患医療(Total Renal Care: TRC)
2章 こんな患者さん,あなたならどう介入しますか?
3章 PD診療のポイント
1.総論 (上條由佳)
身体的管理のポイント
PD離脱原因
2.腹膜炎予防の考え方
1 腹膜炎予防の考え方 (上條由佳)
腹膜炎制御の重要性 ―腹膜保護の観点から
原因からみた腹膜炎予防
PDCAを通した当院の腹膜炎予防実践
2 出口部ケアの考え方 (上條由佳)
1 急性期―A.テンコフカテーテル挿入周術期の管理
1 急性期―B.感染合併時の出口部管理
2 慢性期―C.維持期のケア
3.体液管理
1 食塩制限の重要性 (石橋由孝)
PD患者における体液管理の現状と重要性
体液管理の対策
*食事制限を実生活になじませるまで ―患者と家族の手記から
患者(70代男性)の手記
家族の手記
2 体液管理のための食事療法の実際 ―奪うのではなく人生の楽しみを引き出す栄養指導 (山根朋子)
味付けを1品のみにする!
副菜は食塩の少ない調味料や薬味を利用して美味しく食べる!
減塩の達人に聞こう!
腎臓食で旅行!
4章 患者教育(自己管理)
1.総論 (上條由佳)
慢性期腎疾患の診療 ―なぜ透析患者さんは難しいのか?
急性期疾患と慢性期疾患の視点の違い
PD患者の2つのカテゴリー
2.心理面
1 受容段階 (藤本志乃,武藤 崇)
慢性疾患の受容段階
実臨床での使用方法
症例
2 疾患受容が進まない背景を探る ―自己語りという観点から (大塚 類)
はじめに ―自分を大切にできない子どもたち
受容「しない」のではなく受容「できない」
語ることでしか自己は変化しない
おわりに ―「問わず語り」を引き出すために
3.患者指導のポイント (齋藤 凡)
何のために,誰に,何を伝えるか?
誰に教えるか?
患者教育をする人は?
患者教育のポイント
何を教えるか? ―指導する技能の種類
患者教育プログラムの作り方と評価
4.減塩指導のポイント (山根朋子)
食塩管理とは
栄養指導の実際
5.診療のポイント (石橋由孝)
受容段階が進んでいない場合の問診のポイント
受容段階が進んでいる場合の問診のポイント
要支援患者
6.院内システム構築 (上條由佳)
PD診療システム―当院のシステム構築を例に
5章 療法選択
1.総論 (上條由佳)
我が国の腎代替療法選択
療法選択とは
Narrative-based medicine(ナラティブ・ベイスト・メディスン)
ダイナミックな腎代替療法選択プロセス
2.実践 (藤原玲子)
医療者の役割は「意思決定支援」
意思決定のための支援方法
医療者間での情報共有
3.高齢者の療法選択
1 フレイルの知見を臨床に活かす (会田薫子)
フレイル ―高齢者医療とケアの新たな視点
ストレッサーへの脆弱性
透析療法の適否の判断―年齢ではなくフレイルを参照
透析療法の意思決定支援ツール
2 高齢者ケアに必要な視点―人間における倫理の成り立ち
《皆一緒》と《人それぞれ》のブレンド (清水哲郎)
《皆一緒》と《人それぞれ》の並存
現在の結果から遡って,歴史的経緯を推測すると
医療従事者-患者・家族関係における《皆一緒》と《人それぞれ》
質の高い《人間尊重》へ
臨床倫理の基礎となる考え方
6章 高齢者
1.総論 (上條由佳)
2.基幹病院の実践 (上條由佳)
基幹病院の役割
高齢者PDの実践
3.その人らしく在宅生活を送るために ―退院支援に必要なこと (冨田ゆかり)
対象
結果と考察
おわりに
4.サルコペニア・フレイルを中心とした高齢者の低栄養・身体機能低下 (上條由佳)
高齢者の加齢に伴う身体機能低下
高齢者CKD特有の病態
PEW・サルコペニア・フレイル
サルコペニアの病態
サルコペニア・フレイルの治療戦略
5.高齢者の心理と介護の問題について (山本則子,齋藤 凡)
6.地域高齢社会の先進国モデル (武藤真祐)
超高齢社会に求められる医療
在宅医療を通じた高齢社会への取り組み
ICTを活用した医療介護の情報連携
シンガポールにおける在宅医療・介護の展開
終章 医療現象学 ―個別化医療に必要な視点(榊原哲也)
はじめに
疾患と病い
患者の個別性を理解するための現象学的視点
個別化医療の目標としての「安らぎ」
まとめ
■資料集
資料1 救急外来腹膜炎対応マニュアル
資料2 出口部ケアシート
資料3 受容段階ワークシート
資料4 食事記録表
資料5 診療ワークシート
資料6 PDカンファランスシート
資料7 療法選択ワークシート
資料8 高齢者用ワークシート
■索引