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CTGエボリューション

ー胎児生理学からコンピュータ判読までー

CTGエボリューション
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筆頭著者 池田 智明 (編著)

三重大学医学部産科婦人科学教授

その他の著者 山口恭平

中外医学社

電子版ISBN

電子版発売日 2021年7月12日

ページ数 235

判型 A4判

印刷版ISBN 978-4-498-16018-7

印刷版発行年月 2021年7月

DOI https://doi.org/10.18886/9784498160187

書籍・雑誌概要

胎児心拍数陣痛図(CTG)は簡便な検査法として広く普及しており,胎児機能が健常を保っていることを示すのに有効である一方,その所見から障害の有無を確定診断するには不向きである.本書ではそのようなCTGの特性を深く理解し臨床の現場で適切に活用するため,胎盤循環や胎児生理学といったCTGの周辺知識,胎児機能検査法のなかでの位置づけや様々な症例における所見の解釈法など,CTGに関する情報を幅広く網羅し解説した.

目次

第1章 胎児心拍数陣痛図(CTG)の歴史と展望 〈池田智明〉
   1.胎児健康度モニタリングの始まり
   2.臨床現場における使用の広がりと期待感
   Column わが国へのCTGの導入と「Lateの恐怖」
   3.分娩前の胎児健康度検査としても使用
   4.CTG受難期
   5.新たな出発:臨床医の対応,医療訴訟,用語の統一
   6.分娩時の対応まで含んだガイドラインを求めて
   7.日本では5段階分類がガイドラインとして採用
   8.2008年以後の臨床的エビデンス
   9.問題点と今後の方向性

第2章 胎盤循環 〈山口瑞希,真川祥一〉
   1.胎盤の解剖と血液循環
   2.胎盤での物質交換のメカニズム
   3.拡散を規定する因子
   4.胎児への酸素供給
   5.二酸化炭素の胎盤輸送
   6.酸塩基平衡
   7.臨床との関連
  ■Topic 胎盤トランスポーターとmTOR 〈山口瑞希〉
   1.胎盤トランスポーター
   2.胎盤における細胞内シグナリング(主にmTOR)

第3章 胎児生理学 〈山口恭平,前田佳紀〉
   1.胎児循環の特徴
   2.血流の分配と調節機構
   3.心拍出量と血圧の変化
   4.心拍数の調整メカニズム
   5.胎児脳循環と代謝
   Column 胎児とホメオスタシス 〈山口恭平〉
  ■Topic Circadian Rhythm(サーカディアンリズム) 〈前田佳紀〉
   1.サーカディアンリズムとその調整機構
   2.胎児とサーカディアンリズム
   3.CTGとサーカディアンリズム

第4章 胎児アスフィキシアと脳障害 〈桂木真司,前田佳紀,中尾真大〉
   1.胎児アスフィキシアの病態生理
   2.周産期脳障害と臨床
  ■Topic 胎盤BOLD 〈真川祥一,二井理文〉

第5章 胎児心拍数モニタリングの原理 〈前田佳紀〉
   1.胎児心拍数の測定原理
   2.子宮収縮の測定

第6章 胎児心拍数変化―定義と病態 〈山口恭平〉
   1.胎児心拍数基線(Baseline fetal heart rate)
   2.胎児心拍数一過性変動
   3.心拍数基線の変化
   Column 30秒ルール
   4.特殊な胎児心拍数波形パターン
  ■Topic 心拍数細変動解析 〈前田佳紀〉
   1.Time domain analysis(時間領域解析)とFrequency domain analysis(周波数領域解析)
   2.非線形解析法(エントロピー解析)

第7章 CTGモニタリングパターンによる胎児アシドーシスの予測 〈田中博明〉
   1.CTGパターンと胎児・新生児アシドーシスの関係:4つの基本エビデンス
   Column 一過性徐脈の持続時間と深度の計測と新生児アシドーシス

第8章 CTG波形の経時的変化(エボリューション) 〈中尾真大,村林奈緒,桂木真司〉
   1.<パターン1>段階的変化(Phased evolution):Honのパターン
   2.<パターン2>突発的変化(Sudden evolution)
   3.段階的/突発的変化の原因

第9章 脳性麻痺児のCTGモニタリング 〈中尾真大〉
   1.CTGパターンと脳障害の発生時期
   2.日本における脳性麻痺の現状~産科医療補償制度のデータ~
   3.脳性麻痺発症を防ぐために行うべきこと:CTGパターンに基づいた対策
   Column 脳障害の受傷タイミング―基礎実験から 〈山口恭平〉

第10章 分娩時のモニタリング管理:日本産科婦人科学会5段階分類 〈村林奈緒〉
   1.3段階分類の特徴
   2.3段階分類の問題点
   3.5段階分類~原案~
   Column CTGモニタリングとトリアージ
   4.5段階と3段階の違い
   5.日本での5段階分類成立までの経緯
   6.波形レベルに基づく対応と処置
   7.保存的処置
   8.5段階分類による分娩管理の妥当性・有用性
   9.分娩中アシドーシス その他の評価法について

第11章 疾患背景を考慮した胎児心拍数波形パターンの読み方① 〈村林奈緒,真木晋太郎〉
   1.早産期の胎児
   2.感染と炎症
   3.胎児発育不全(FGR)
   4.薬剤

第11章 疾患背景を考慮した胎児心拍数波形パターンの読み方② 〈山口恭平,桂木真司,三好剛一〉
   1.双胎妊娠
   2.徐脈性不整脈
   3.頻脈性不整脈

第12章 妊娠中の胎児健康度評価 〈二井理文,古橋芙美〉
   1.妊娠中の胎児評価の意義
   2.Contraction stress test
   3.Non stress test
   4.Biophysical profile
   5.Modified biophysical profile
   Column 胎児の睡眠サイクル
   6.胎動カウント
   7.Doppler velocimetry
   8.妊娠中における検査の適応疾患と開始時期,頻度

第13章 分娩管理 〈池田智明,榎本尚助〉
   1.分娩誘発時期の問題
   2.分娩進行の見方
   3.子宮収縮の評価
   4.児先進部下降度と回旋の正確な評価
   5.器械分娩(吸引,鉗子分娩)
   6.分娩誘発

第14章 コンピュータ解析 〈真川祥一〉
   1.コンピュータ解析の歴史
   2.各種コンピュータ解析システムについて
   3.CTGモニタリングにおけるコンピュータ解析のエビデンス(システムごとのエビデンスについて)
   4.コンピュータ分析と機械学習

第15章 振り返りとシナリオシミュレーション 〈中尾真大〉
   1.CTGモニタリングの問題点:現場における知識と認識のギャップ
   シナリオ1―CTG(受講者用)
   シナリオ1―進行例(指導者用)
   シナリオ2―CTG(受講者用)
   シナリオ2―進行例(指導者用)

索引

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