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患者・医療者の診療記録共有
世界の流れと群馬大学医学部附属病院における取り組み
筆頭著者 対馬 義人 小松 康宏 斎藤 繁 塚越 聖子 (著)
群馬大学医学部附属病院放射線部長/群馬大学医学部附属病院医療の質・安全管理部長/群馬大学医学部附属病院病院長/前群馬大学医学部附属病院 副病院長・看護部長/現公益社団法人群馬県看護協会常任理事
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2022年11月25日
ページ数 135
判型 A5判
印刷版ISBN 978-4-498-14834-5
印刷版発行年月 2022年11月
書籍・雑誌概要
診療記録は究極の個人情報であり,決して医療従事者の私的な記録やメモではありません.国際的には診療記録を患者と共有する流れが進んできており,日本においても近い将来,患者が当たり前のように診療記録へアクセスしているかもしれません.そのとき,個人としても病院としてもカルテを患者に見せられますか? 患者参加型医療が叫ばれて久しいですが,具体的に何から始めたらよいのか,臨床医目線でも病院管理者目線でも有用な一冊となっています.
目次
序文
謝辞
本書で用いる基本的用語
1 ● 患者参加型医療とは何か― 21 世紀の医療と患者参加 〈小松康宏〉
背景
患者参加型医療とは
患者さんが自らの治療・ケアに参加する
患者参加型医療を進めるうえでの課題
2 ● 診療記録の共有をめぐる国際的状況 〈小松康宏〉
患者ポータル
診療記録共有“OpenNotes”
患者ポータルの利用や診療記録の共有が医療の質に与える影響と課題
わが国における診療記録共有と患者ポータル
医療産業の国際化とデジタル活用
3 ● 群馬大学におけるこれまでの経緯と診療記録の共有(積極的開示)の開始 〈斎藤 繁〉
4 ● 診療記録とはなにか〈対馬義人 小松康宏〉
法的な位置づけ
5 ● 診療記録の共有(積極的開示)の目的・正当性・問題点〈対馬義人〉
診療(記)録作成・保存・開示の法的義務
診療記録の開示請求による開示
診療記録の共有(積極的開示)の目的
診療記録の共有(積極的開示)の正当性
診療記録の共有(積極的開示)の実際的な問題点
診療記録の共有(積極的開示)を前提とした診療録、看護記録の記載
診療記録の共有(積極的開示)は本当に可能なのでしょうか
6 ● 診療録や看護記録のあるべき姿 〈対馬義人〉
7 ● 配慮すべき情報と共有(積極的開示)を求めることができる者〈対馬義人〉
すべてあますことなく開示すべきなのか
誰が診療記録の共有(積極的開示)を求めることができるのか、また拒絶すべき場合があるとすればどのような場合か
配慮情報
配慮情報機能
8 ● 検査結果などのハードコピーを患者さんなどにお渡しする場合の注意点〈対馬義人〉
コピーを患者さんにお渡しすることは推奨されるか
どのような注意点があるか
9 ● 診療記録の共有(積極的開示)の実際 〈対馬義人〉
10 ● 3 年間の記録─医師・看護師の意識変化と患者さんの声〈小松康宏 塚越聖子 対馬義人〉
医師の意識
看護師の意識変化
共有(閲覧)申し込み件数とアンケート結果
入院患者さんに対するアンケート
あとがき
付録
索引