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プライマリケアで診る発達障害

プライマリケアで診る発達障害
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筆頭著者 黒木 春郎 (著)

中外医学社

電子版ISBN

電子版発売日 2018年2月12日

ページ数 160

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-498-14542-9

印刷版発行年月 2016年5月

DOI https://doi.org/10.18886/9784498145429

書籍・雑誌概要

一般小児科医である著者が,かかりつけ医としての強みを生かし,いかにして発達障害診療に取り組むようになったか.その軌跡とノウハウをまとめた1冊.豊富な事例も掲載.

目次

序章 かかりつけ医こそ発達障害診療を
  発達障害と関わることは医療者の義務
  発達障害診療の必要性と医療体制のギャップ
  かかりつけ医こそ発達障害診療の基盤となるべき
  どのようにして発達障害を学ぶか
第1章 発達障害の社会的背景
  発達障害は増加しているか
  医療化という概念
  発達障害の医療化
  発達障害は<認知の多様性>
  発達「障害」という言葉をめぐる問題
  発達障害に医療が介入することの意味
第2章 当院の診療体制
  プライマリケアで発達障害診療に取り組んでみて
  課題その1―採算性
  課題その2―新しい疾患概念を診療に取り入れる方法
  具体的な診療体制
第3章 発達障害を理解するために
  発達障害を理解するためのポイント
  専門外の医師が発達障害に取り組むには
  <認知の多様性>を理解し生物学的基盤を身に付けること
  疾患の具体的なイメージを持つこと
  一人の患者さんとご家族から深く学ぶ
  文学と発達障害
  発達障害をどうとらえるか
第4章 システム神経科学からみた発達障害―自閉スペクトラム症における時空間処理と感覚統合
  システム神経科学と発達障害
  時間順序判断課題とは
  時空間処理に関係する脳の活動
  認知リハビリテーションの方法開発へ
第5章 学校教育の現場について
  教育現場との連携の必要性
  医療と教育は交わらない
  個人情報に関する考え方の違い
  医療の目的と教育の目的の違い
  教育現場では何をしているのか
  大原小学校の取り組み
  学校の先生と患者さんの個人情報について話すときに注意すべきこと
  学校の先生と連携するには
  カンファレンスの具体例
  子どもにとって学校とは何か
  学校と様々な発達障害
  具体的な役割分担を明確にすること
  学校からの情報提供
第6章 薬物療法の実際
  ADHD治療薬
  合併疾患に対する治療薬
  発達障害と医療・薬物療法
  投薬の適応
  合併する身体症状の治療
第7章 家族看護の視点から
  研究成果1) 発達障害児を養育する母親の気づき
  研究成果2) 発達障害児を養育中の母親の精神的健康の現状
  研究成果3) 発達障害児を養育する家族のエンパワメントに関連する要因
  研究成果4) 親が感じる養育上の自信のなさ
  研究成果5) トリプルP(Positive Parenting Program)の実施効果
  研究成果6) 児の診断と児への告知

症例編
  症例1 N. S. 君(2歳 男児):乳幼児期のASD児に見られる特徴
  症例2 B. R. 君(5歳 男児):幼児期のADHD児に見られる特徴
  症例3 M. S. 君(8歳 男児):小学校低学年のASD児の症例
  症例4 T. V. 君(9歳 男児):小学校低学年のADHD児に見られる特徴 その1「多動衝動」
  症例5 W. W. 君(8歳 男児):小学校低学年のADHD児に見られる特徴 その2「不注意」
  症例6 T. W. さん(12歳 女児):ASD児の身体症状としての遺糞への対応
  症例7 B. N. さん(8歳 女児):発達障害の診断告知の難しさが際立った症例
  症例8 D. T. 君(12歳 男児):より早期に治療を開始することが適切だったと思われるADHD児の症例
  症例9 C. D. 君(13歳 男児):スクールカウンセラーの勧めで受診し治療が奏効したADHD児の症例
  症例10 A. T. 君(8歳 男児):保護者との信頼関係構築後に治療的介入が可能となった症例
  症例11 K. T. 君(12歳 男児):思春期を迎えた本人の意志で投薬を中止した症例
  症例12 T. J. 君(8歳 男児):母親に困り感がなく,投薬を中断して経過観察となった症例
  症例13 T. M. 君(8歳 男児):憔悴する母親の負担感を軽減することに主眼を置いた症例
  症例14 O. S. 君(9歳 男児):心理検査(WISC―IV)結果のフィードバックを通じた学校との連携例
  症例15 M. K. 君(10歳 男児):心理検査(K―ABCII)結果のフィードバックを通じた学校との連携例
  症例16 T. N. さん(15歳 女児):ASD児の不眠と激しい常同運動に甘麦大棗湯が著効した症例
  症例17 D. N. さん(18歳 女児):ASD児の不眠と激しい常同運動に抑肝散加陳皮半夏が著効した症例
  症例18 E. I. 君(6歳 男児):選択性緘黙の児に抑肝散加陳皮半夏が著効した症例
  症例19 C. A. 君(9歳 男児):ADHD治療薬の副反応に漢方薬が著効した症例
  症例20 T. K. さん(15歳 女児):うつ状態の背景にASDが存在した症例
  症例21 E. N. さん(47歳 女性):児の診察を契機に発見された成人のADHD症例7
  症例22 Z. Z. さん(24歳 男性):難治性うつの背景に成人の発達障害が存在した症例
  症例23 J. S. 君(13歳 男児):思春期の反抗挑発症の背景にADHDが存在する症例
  症例24 U. H. 君(12歳 男児):思春期の素行症の背景にADHD,ASDが存在する症例


巻末資料
  資料1 亀田クリニック発達外来問診票 問診票(保護者の方へ)
  資料2 外房こどもクリニック 心理相談 問診表
  資料3 外房こどもクリニック発達検査問診票

終わりに―多様性の受容または他者理解の可能性