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心電図のみかた,考え方 基礎編
筆頭著者 杉山 裕章 (著)
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2023年8月10日
ページ数 352
判型 B5判
印刷版ISBN 978-4-498-03784-7
印刷版発行年月 2013年4月
書籍・雑誌概要
心電図の取り方や見かたが,楽しく気軽に読み進めていくにつれて自然と身に着けられる.著者自身が心電図に苦労して克服した経験があるからこそ出来る分かりやすい解説は,読者に語りかけるような会話形式で進み,実際の講義を受けているかのように頭に入ってくるだろう.ゼロから心電図を学ぶ人,どうしても苦手意識が消えない人も,きっと心電図の判読に自信を付けることができる,強くおすすめできる一冊だ.
目次
第1章 プロローグ
~不安と期待の入り混じる春~
第2章 勉強をはじめる前に ─持っておきたい心構え─
たくさん苦労しました
心電図が読める人とは
“一足飛び”を諦める
学習の手順
イントロ編
第3章 刺激伝導系のはなし ─本当に必要な知識のみを厳選!─
“電気仕掛け”の心臓
活動電位の知識は不要?
知らない方が得?
まずは概観
刺激伝導系と不整脈
洞結節から房室結節まで
目で見る刺激伝導系
洞結節以外の組織の自動能
悪い自動能
房室結節 ―日本人の大発明―
房室結節の役割
心房と心室をつなぐ唯一の関所
心房と心室の時間差作り
不整脈に対する“防波堤”
刺激伝導系と冠動脈
脚の走行
脚ブロック
[課外授業]❶副伝導路とWPW 症候群
[課外授業]❷房室結節の不思議と不整脈 アドバンス
第4章 心電図って何? ─やさしい話からはじめよう─
心電波形の表すもの
心電図記録の仕方
どこの方向から眺めるのか? ─ 12 誘導の意味─
肢誘導・胸部誘導と心臓の切断面
肢誘導を知ろう
円座標軸とI・II・III 誘導
aV 誘導の場所
胸部誘導を知ろう
方向性でグループ分け
[課外授業]❸肢誘導の原理も不要?
第5章 各波形の意味と表示ルール─心電図の世界の“お約束”を知る─
実際の波形を眺めよう
3 つの波が意味するもの
T 波は忠実な家来
洞結節や房室結節は?
波形表示ルール(1)
波形表示ルール(2)
[課外授業]❹心電図はなぜP 波から?
第6章 標準的な心電図記録スタイル ─方眼用紙に親しもう─
標準的な心電図記録法
チャンネル
キャリブレーション
“1/2 縮尺”心電図
余計な加工はケガのもと
第7章 QRS 波の命名法 ─“名付け親”になろう─
QRS 波の呼び方ルール
電位の基準点ーT-P ラインー
P 波が動いたら
QRS 命名法
波が小さければ小文字で
実例でやってみよう
少しだけレベル・アップ
練習問題
スクリーニング編
第8章 心電図を読む手順 ─ 1 つ1 つを着実に─
“秘密の呪文”登場
心拍数の計算(R-1)
次に調律診断(R-2)
電気軸なんて恐れるな(E)
波形の並び(AL)
異常Q 波(Q-1)
QRS 波の“寸法”チェック(Q-2)
ST 部分の上下
T 波は軽く
間隔チェック
“じっくり”読みは後半で
不整脈は別の機会に
[課外授業]❺ 忘れられない1枚─初心に帰らせてくれる心電図─
第9章 必殺!心拍数計算法(1)─とっておきの方法を伝授─
心拍数とは?
計算するんです
頻脈と徐脈
QRS 波の間隔を確認
R-R 間隔がイレギュラーな場合
マスと目盛り
心電図用紙を眺めると
1 目盛りは何秒?
オン・ザ・ラインを探せ!
心拍数の計算法(1)─マス目ぴったりなら瞬殺─
理由が必要ですか?
心拍数の計算法(2)─ R-R 間隔がマスぴったりでない場合─
練習してみよう
種あかし
練習問題
心拍数の計算法(3)─頻脈時には数拍まとめて─
早速やってみよう
オン・ザ・ラインがないとき
[課外授業]❻頻脈と頻拍の違い
[課外授業]❼ 神秘!心拍変動─私たちに潜む謎の暗号を解き明かせ─ アドバンス
第10章 必殺!心拍数計算法(2)─イレギュラーでも大丈夫─
イレギュラーなR-R 間隔に挑む
心房細動以外でも
検脈と同じ原理
5 秒×2 のカラクリ
R-R 間隔がイレギュラーな場合の心拍数
心房細動のときの心拍数の呼び方
さっそく実践
心房細動以外でも使ってみよう
心房心拍数
全部この方式じゃダメ?
[課外授業]❽“定型外”心電図での心拍数計算法
第11章 洞調律の判定 ─クリアカットな基準で診断しよう─
調律って何?
心電図での判定のしかた
洞調律におけるP 波の極性
異所性心房調律
心拍数で洞調律を分類
洞性不整脈も知っておこう
変動の理由は正常呼吸
[課外授業]❾ 洞性不整脈あれこれ
[課外授業]❿ 洞性不整脈とHeart Rate Turbulence アドバンス
第12章 電気軸の攻略 ─チェックは一瞬ですませよう─
気軽にとらえる電気軸
肢誘導“座標”の再確認
正常な電気の流れ
矢印X を2 つに分解
電気軸は推定するもの
一番大きな波に注目せよ
電気軸の正常範囲
I 誘導とII 誘導の向きで分類
左か右かわからなくなったら
II 誘導それともaVF 誘導?
“どっちつかず”対策
電気軸診断チャート
右軸偏位は時に貴重
左軸偏位はイマイチ
最後に実践!
[課外授業]⓫ P 波の電気軸?─実はチェック済み─
第13章 波形の配列チェック(1)─ P 波の存在を意識して─
波形の並びの確認って?
とにかくP 波!
まずT 波
“安全地帯”を利用せよ
P 波探しの実例
隠れP 波を探せ
デバイダーは便利
QRS 波に埋もれている場合
P 波とQRS 波との関係
やってみよう
不整脈スクリーニング法
第14章 波形の配列チェック(2)─イレギュラーな不整脈を斬る─
イレギュラーなR-R 間隔を見たとき
期外収縮とは
心臓の中で起きていること
期外収縮は気にしない
名称に関して
期外収縮の心電図
心房細動とは
心房細動の診断
“弟分”の心房粗動
“その他”の考え方
[課外授業]⓬ “第3 の”期外収縮
[課外授業]⓭ f 波の命名者ルイス
第15章 QRS 波のチェック(1)─異常Q 波を見逃すな─
正常なQ 波
中隔性q 波の特徴
異常Q 波の意義
異常Q 波のポイント
存在自体がアウト
幅と深さの基準
深さ基準いろいろ
aVR 誘導は相手にしない
グループを意識して
III 誘導やaVL 誘導に惑わされるな
まとめと練習問題
[課外授業]⓮ 中隔性q 波のワケ─胸部誘導のQRS 波の成り立ちまで─
第16章 QRS 波のチェック(2)─ QRS 波の身長に注目─
QRS 波の寸法チェック
高さのチェック順(3 段階)
胸部誘導のR 波の増高
R 波の増高不良
別の応用もあるぞ
R 波の増高不良で考えること
移行帯って何?
移行帯の異常
実例で確認しよう
回転を見て考えること
QRS 波が高すぎる場合
高電位差の診断基準
よく見りゃ左側グループ誘導ですね
残るは有名な基準
QRS 波が低すぎる場合
低電位差を見て考えること
[課外授業]⓯ R 波の増高不良は無意味?
第17章 QRS 波のチェック(3) ─ QSR 波のウエストはどう?─
QRS 幅の異常
心室内伝導障害と脚ブロック
QRS 幅の正常と異常
QRS 幅の計測の実際
第18章 目でなぞるST 偏位 ─いつも虚血性じゃないぞ─
どこがST 部分?
ST 計測の基準点
ST 偏位とチェック法
V1~V3 誘導の特殊性
ホンモノなら怖い
早期再分極症候群
一部では病的?
ST 上昇の臨床的意義
ST 低下の拾い上げ
ST 低下の病的意義と冠動脈硬化症
冠動脈狭窄と心筋虚血
すべてのST 変化が虚血性ではない
安静時ST 低下の多くは心筋虚血じゃない
[課外授業]⓰ もう1 つのST 計測基準
第19章 T 波の向きと高さ ─アッサリつき合う方が良い!?─
T 波の種類
T 波の向きあれこれ
陰性T 波に思う
陽性T 波の異常の考え方
低すぎるT 波(平低T 波)
平低T 波をどう考えるか
第20章 間隔を調べよう ─“目で測る”習慣を身につけよう─
何を測るのか
どこを測るべき?
PR かPQ か?
PR 短縮はなぜ起きる?
WPW 症候群と発作性上室性頻拍
PR 延長は単純
QT 間隔とはどこぞや
本音を言うと
QT 間隔がやっかいな理由
肩の力を抜いて接する
[課外授業]⓱ PR 短縮のみならどうする? アドバンス
第21章 エピローグ ─基礎編を終えて─
~夕暮れの医局にてコーヒー片手に~