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心電図のみかた,考え方 応用編
筆頭著者 杉山 裕章 (著)
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2023年8月10日
ページ数 415
判型 B5判
印刷版ISBN 978-4-498-03786-1
印刷版発行年月 2014年3月
書籍・雑誌概要
「才能はいらない!」心電図の読み解く力が必ず身に着く,頼れるガイドブック.
心電図のみかたを軽妙な語り口と明確な判読方法で解説し,好評を博した書の「応用編」.主に波形異常を扱うカタチ編を中心に,前回の基礎編からより実践的な内容となっている.現場でよく見られる具体例を交え,心電図が丁寧に読み解かれていき,着目すべきポイントや考えかたを無理なく身に着けることができるだろう.「心電図には才能はいらない」と言う著者の言葉通り,必ず心電図を使いこなせる自信が持てる,頼りがいのある一冊だ.
目次
第1章 プロローグ ─応用編─
~薫風を感じつつ飛躍を誓う~
カタチ編
第2章 P 波の異常を斬る ─ 2 つの誘導に集中せよ─
P 波のカタチは軽めに
P 波は合作
P 波を分解してみよう
CT 像から考えるP 波形
心房負荷それとも拡大?
モリス・インデックス
なぜ横軸の単位だけ?
左房拡大の診断基準
3 つ全部必要?
右房拡大の診断基準
V1 誘導はどうする?
基準を両方満たしたら?
心房拡大を呈する病態
心室肥大
心室拡大
房室弁異常
[課外授業] ❶心臓内からP 波を見る─心臓電気生理学的検査─
[課外授業] ❷異所性心房調律─代表的な2 つのデドコロ─
第3章 PR 間隔の異常 ─短縮に重点を置いて─
まず復習から
PR 間隔の正常値と異常
WPW 症候群の心電図診断
なぜデルタ波ができる?
WPW 症候群といえば頻拍発作
房室リエントリー性頻拍
頻拍回路をイメージしよう
発作性上室性頻拍の実例
発作性上室性頻拍の特効薬
もう一つの頻拍は危険!
実例と心電図
心房細動が危険な理由
治療はどうしますか?
WPW 症候群のマネージメント
カテーテル・アブレーションの適応
場所がどこかは気にするな
PR 延長は簡単に
1 度房室ブロックへの対処法
[課外授業] ❸偽性心室頻拍はやめよう
[課外授業] ❹ WPW 症候群の根治療法─カテーテル・アブレーションの威力─
[課外授業] ❺副伝導路の部位予測─ 1 枚の心電図でどこまで?─ アドバンス
第4章 Q 波から考える(1) ─冠動脈疾患への誘い─
異常Q 波の定義
組み合わせがタイセツ
悩んだらT 波に聞け!
異常Q 波が意味するところ
心臓へのエネルギー供給源
冠動脈は大きくわけて3 本
虚血性心疾患のイメージ
心筋梗塞ができるまで
貫壁性心筋梗塞と異常Q 波
異常Q 波は消えない
理由なんて不要
第5章 Q 波から考える(2) ─心筋梗塞をイメージする─
異常Q 波と梗塞領域の関係
血管までわかればプロ
左室区分法はいろいろ
3 つの断面で議論
乳頭筋レベル中心で
左室壁区分と心電図誘導
心室中隔・前壁
心臓MRI で見る心筋梗塞 ─前壁中隔─
下壁梗塞
側壁には上下あり
残るは後壁 ─鏡像の世界─
V1,V2 誘導の高いR 波
後壁梗塞の診断基準
後壁だけは難しい
後壁は巻き添え多し
まとめましょう
循環器医を目指す君へ
さいごは腕だめし
[課外授業] ❻その壁はどの冠動脈支配?─原則を知っておこう─ アドバンス
第6章 QRS 波の高さに注目 ─左室肥大を中心に─
QRS 波異常の概略
低電位差と考える病態
高電位差の診断基準リバイバル
心室肥大とは何か
左室肥大の原因
圧負荷
容量負荷
3 つ目の原因
目で見る左室肥大
左室肥大の心電図
ストレイン・パターンを知る
ST-T 変化のバリエーション
本当に虚血ですか?
脚ブロックがあるとやっかい
右室肥大をきたす病態
右室肥大の心電図
右室肥大の心電図基準
1)右軸偏位
2)V1,V2 誘導
3)V5,V6 誘導
典型例ばかりじゃないぞ
両室肥大はどうしよう
[課外授業] ❼脚ブロックと左室肥大─ QRS 幅が広い場合どうする?─
第7章 幅広いQRS 波を見たら(1) ─右脚ブロックなら安心?─
心室内伝導障害アゲイン
脚の構成と脚ブロック
右脚なら良性
QRS 波がワイドならまず疑え
2 つだけ見ればよし
右脚ブロックの心電図
波形のナゼをちょっとだけ
完全か不完全か
実例でトライ
ST-T 部分を眺めると
不完全こそキッチリと
最初のr 波が大きい場合
右脚ブロックその後に ─ 2 枝ブロック─
プラス左脚前枝ブロック
左脚後枝ブロックかは慎重に
なぜかは聞くなかれ
3 枝ブロックとは何ぞや
2 枝・3 枝ブロックの病的意義
[課外授業] ❽ 3 枝ブロックの“品定め”─本当に予後不良なのか?─
第8章 幅広いQRS 波を見たら(2) ─左脚ブロックは要注意─
左脚はヤバイ
左脚の解剖
左脚ブロックの心電図
波形のナゼは気にしない
左脚ブロックから推定する病態
心精査の方針
左脚ブロックの弱点 ─ ST 変化とQ 波─
右脚ならどうなの?
ケース1 ─まずは冠動脈を疑え─
ケース2 ─突如出現する左脚ブロック─
ケース3 ─重症心不全でも─
徐脈は後ほどに
分枝ブロックの扱い
いま左脚ブロックが熱い?
[課外授業] ❾心臓再同期療法─新しい心不全の非薬物治療─
第9章 ST 変化に注目(1) ─心筋虚血をイメージしよう─
ST 計測おさらい
冠循環システムはすごい
心筋虚血が生じるワケ
デマンド・イスケミア
運動負荷心電図検査
労作性狭心症と冠動脈狭窄
トレッドミルの代わりは?
こんな人には危険!
“やり損”も避けたい
サプライ・イスケミア
冠攣縮性狭心症もあるぞ
プラーク破綻と急性冠症候群
冠動脈硬化症の進行
冠動脈疾患のまとめ
第10章 ST 変化に注目(2) ─急性冠症候群は時間との闘い─
時間を意識せよ
診断ツール
心筋マーカー
トロポニンも知っておこう
迅速定性キットは?
急性冠症候群の分類 ─ STEMI かそうでないか─
ST 上昇の見方
対側性ST 変化 ─もう一つの補助所見─
STEMI と見なすべき病態
実例で確認しよう
低下だけなのにSTEMI ?
ST 上昇がない場合 ─ NSTE-ACS ─
NSTE-ACS の心電図所見
冠動脈インターベンション
冠動脈バイパス術
急性冠症候群の治療方針
初期治療覚え書き
STEMI なら単純
NSTE-ACS はどうする?
敵は動いた
第11章 ST 変化に注目(3)─ STEMI 心電図の流れを知ろう─
STEMI シークエンス
シークエンスは後から前へ
T 波増高は難しい?
ST 上昇
ST 偏位の機序なんて不要?
上昇パターンは議論しない
誘導の組み合せは妥当か?
心筋梗塞の部位診断
対側性ST 低下は重要
正反対の意味するところ
胸部誘導に対側はない
対側性ST 低下は重症サイン?
異常Q 波とタイミング
異常Q 波は根深い
ST 回復とT 波の陰転化
ST が再び上昇したら
お餅のように膨れます ─心室瘤─
冠性T 波
第12章 ST 変化に注目(4)─実践! STEMI 症例から学ぶ─
前壁中隔梗塞は特にヤバイ
心室細動と電気的除細動
心肺蘇生できますか?
さらに上を目指す人へ
下壁梗塞のバリエーション
陣取り合戦
右冠動脈の走行
下壁梗塞の対側性ST 低下は難しい?
しばし待つ姿勢も大事
右室梗塞は一大事
右室梗塞をどう診断するか?
V1 誘導のST 変化は“八方美人”
実例で確認しよう
“右室専用”心電図を作れ ─右側胸部誘導─
右側胸部誘導は“いつ”とるか?
房室ブロックの合併
側壁は“控えめ”
冠動脈“戦国時代”
後壁は誰のもの?
チャンポンは難しい
[課外授業] ❿ 左前下行枝閉塞と心電図所見─病変部はどこだ?─
第13章 ST 変化に注目(5)─ STEMI“以外”のST 上昇を知ろう─
ST 上昇の“その他”
冠攣縮性狭心症おさらい
冠攣縮性狭心症の原因
目で見る冠攣縮性狭心症
冠攣縮性狭心症と心電図
冠攣縮性狭心症の診断検査
ホルター心電図は有用かも
ホルター心電図の検出例
急性心膜炎ふたたび
急性冠症候群と紛らわしい時も
最後に応用問題
STEMI は認めるとして
どこの梗塞か?
[課外授業] ⓫ 冠攣縮はいつもST 上昇か?─“オキテ破り”もあるぞ─
第14章 ST 変化に注目(6) ─ロシアン・ルーレット的ST 上昇─
忍び寄る夜の死神 ─ブルガダ症候群─
右脚ブロック“もどき”だが
J 点からのアプローチ
ブルガダ型心電図
どれくらいいるの?
ブルガダ症候群の診断
心臓電気生理学的検査(EPS)
誘発試験は誰に?
本当にブルガダ?
ブルガダST は気まぐれ?
ホルター心電図の応用
抗不整脈薬で“魔法”をかける
その他のcoved 型誘発法
ブルガダ症候群の治療法
無症候性をどうするか?
微妙な症例
調べ過ぎは“余計なお世話”
早期再分極症候群の話題
[課外授業] ⓬ 危険な早期再分極症候群─善人が時折見せる“裏の顔”─
第15章 T 波から先はまとめて ─いよいよファイナル─
正常なT 波のカタチ
陰性T 波を見たら
急性冠症候群では
陳旧性なら
左室肥大で説明できないか
右室肥大は?
その他(1) ─脚ブロック─
その他(2) ─“オバケ級”陰性T 波─
アタマの病気でも
結局言いたいこと
T 波の高さは力を抜いて
電解質は直接測れ!
U 波って何?
U 波増高は気にしない?
陰性U 波にはご用心
左室肥大のオマケ
冠動脈疾患では一過性に
循環器医におトクな情報
最後の最後にQT 間隔を
第16章 エピローグ ─すべてを終えた夕暮れの医局で─