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子どもの能力から考える

発達障害領域の作業療法アプローチ 改訂第2版

発達障害領域の作業療法アプローチ 改訂第2版
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筆頭著者 小西 紀一(編集) 小松 則登(編集) 酒井 康年 (編集)

メジカルビュー社

電子版ISBN

電子版発売日 2023年2月24日

ページ数 360

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-7583-1932-4

印刷版発行年月 2018年10月

DOI https://doi.org/10.18885/9784758319324

書籍・雑誌概要

本書は,2012年12月に刊行された『発達障害領域の作業療法アプローチ』の改訂第2版である。
子どもの発達にかかわる作業療法は「この疾患だから,このアプローチ」といった単純なものではなく,子どもによって状況が全く異なるため,症例に応じて適切なアプローチを考えて治療を行うこととなる。そのためには,子どもをどのように見て,どう評価するかが重要となるが,それにはある程度の経験が必要で,若手の作業療法士には少々難しい。
本書はそのような若手作業療法士のために,子どもの発達に長年携わっているベテラン作業療法士を執筆陣に迎え,臨床で子どもをどう見て,どう考え,どのように作業療法を実践しているのかを,症例を通して解説した書籍である。
実際の作業療法場面を動画で撮影し,そこから切り出した連続写真をオールカラーで掲載しており,これまでにはない子どもの動きを表した書籍となっている。さらに今回の改訂では,児童発達支援や放課後等デイサービス,特別支援教育の大きな動向の変化について加筆し,そして初版で掲載した事例は,可能なものについてその後の経過も追った。
「この症例ではこうしましょう」といったハウツー本ではなく,「子どもの見方,考え方」を示した本書は,確実に臨床力が身につく書籍である。

目次

第 I 部 小児作業療法の概要
 1章 発達障害領域の作業療法を考える  小西紀一
   1 発達障害領域で働く作業療法士として大切にしたいこと
   2 作業療法士としての素養
   3 発達障害領域の作業療法の独自性
   4 作業療法士になるために学んでおくべきこと
   5 発達障害領域の作業療法の歴史
   6 今後の発達障害領域の作業療法の予測と作業療法士に期待すること
   7 多職種との関係・連携
   8 Therapy should be FUNに込めた思い
   9 angel smile
 2章 発達障害の評価と日々の臨床の流れ
  1 発達障害の評価 HON@ASI.
   1 はじめに
   2 主訴と問題点の考え方
   3 面接方法
   4 行動の分析
   5 主訴と問題点の整理
   6 フローチャート図の作り方
   7 本節のまとめ
  2 運動障害系の日々の臨床の流れ  黒澤淳二
   1 はじめに
   2 基礎情報
   3 場面1 始まりのあいさつ
   4 場面2 予約票を手渡す
   5 場面3 トランスファー:支持面との関係調整と姿勢筋緊張,かまえの評価と作業療法
   6 場面4 支持面との関係性回復作業療法
   7 場面5 上肢−手の準備体操
   8 場面6 スイッチ遊び「ラジコンクレーン車」
   9 場面7 作業療法の終了
   10 その後のSくんと両親
 3章 小児作業療法における家族との関係性を考える  酒井康年
   1 保護者・家族について考える
   2 面接・フィードバックにおいて大切なこと
   3 再び,家族について

第 II 部 小児作業療法の実際
 1章 移動すること,動き出すこと
  1 自分で動き,環境に働きかけることを支援する  松本政悦
   1 はじめに
   2 症例紹介
   3 作業療法の実践
   4 家庭での姿勢保持具の試用
   5 作業療法実践のまとめ
   6 その後のA さんの様子
  2 印象を変えるために  森 祐子
   1 はじめに
   2 ビデオでの評価
   3 振り返り
   4 おわりに
  3 だっこから学ぶ,だっこで育てる  松本茂樹
   1 はじめに
   2 事例紹介
   3 椅子に座らないA くん
   4 座る機能を育てる(定型発達から学ぶ)
   5 器具への適応能力を育てる(だっこから学ぶ)
   6 成長に伴う生活様式の見直し(作業療法の継続の必要性)
   7 姿勢保持のアイデア
   8 まとめ
  4 中枢性視覚障害をもった子どもの「移動すること」  古野優子
   1 はじめに
   2 症例紹介
   3 作業療法の目的
   4 作業療法プログラム
   5 入院中の変化
   6 まとめ
  5 入所児に対する車椅子を用いた外出移動支援  安本大樹
   1 症例紹介
   2 作業療法評価
   3 作業療法計画
   4 支援の妥当性および考察
  6  超重症児の「動き出すこと」「移動すること」そして,「移行すること」  黒澤淳二,吉田真衣
   1 はじめに
   2 超重症児とは
   3 彼らは何を「している」のか?
   4 自己身体の空間定位(orientation of self in space)の構築
   5 「動き出すこと」のための指向性:「そこ」への定位
   6 「移動すること」−「ここ」から「そこ」へと移ること−
   7 「移行すること」−大きな時流:生活の場を移すということ−
   8 事例
 2章 食べること  小松則登
   1 作業療法士が扱う食べることの障害の考え方
   2 現在・過去・未来において食べることを考える
   3 リハビリテーション再考
   4 ケースを通して食べることの障害を考える
   5 摂食嚥下障害と作業療法
 3章 やり取りすること  嶋谷和之
   1 やり取りするとは
   2 やり取りすることを考える
   3 事例を通して
 4章 仲間と過ごすこと  石原詩子
   1 「仲間」について考える
   2 仲間と過ごすとは?
   3 実践:仲間と過ごすこと(集団療育)
   4 まとめ
 5章 動きすぎてしまうこと  灘 裕介
   1 はじめに
   2 事例を通して
   3 実際の作業療法
   4 おわりに
 6章  なかなか見つけられないこと  灘 裕介
   1 はじめに
   2 事例を通して
   3 おわりに
 7章 覚えること:手を使うこと(物の操作)を覚える  岡田洋一
   1 はじめに
   2 症例の概要
   3 作業療法の実践
   4 まとめ
 8章 うまく扱うこと  嶋谷和之
   1 「うまく扱う」ということ
   2 事例を通して
   3 おわりに
   
第 III 部 小児作業療法の展開
 1章 地域での活動
  1 町の職員として  石原詩子
   1 作業療法士が「町」で働くということ
   2 京丹波町での作業療法
   3 まとめ
  2 フリーランスから事業家作業療法士として  灘 裕介
   1 はじめに
   2 あーと・ねっとの業務形態
   3 事業としての広がり
   4 フリーランスから,事業家として働くとは
   5 今後の課題,フリーランスから事業家としての難しさ
   6 おわりに
  3 地域作業療法の展開  酒井康年
   1 はじめに
   2 治療構造としての理解
   3 治療構造のヒント
   4 主訴のもち主と主訴の絡み合い構造について
   5 作業遂行モデルに立脚して考える
   6 作業療法士であることの価値
   7 地域支援でのさらなる展開
   8 事例
  4 特別支援教育のなかでの展開  本間嗣崇
   1 特別支援学校とは?
   2 特別支援学校の教員として
   3 特別支援教育における作業療法士の関与
   4 おわりに
 2章 小児にかかわる作業療法士として
  1 小児にかかわる作業療法士の臨床力向上のために  小松則登
   1 はじめに
   2 発達障害領域の作業療法を考える —なぜ私は小児の作業療法士になったのか—
   3 発達障害とリハビリテーション
   4 occupational therapy と作業療法
   5 発達支援と生活支援,遅滞モデルと欠損モデル
   6 子ども領域の作業療法士として
   7 手入れ論と手当て論
   8 まとめと,発達障害領域の作業療法士がやるべき仕事 —マトリョーシカ人形理論—
  2 研究者・教員として  有川真弓
   1 はじめに
   2 臨床から距離を置いた立場から眺めた作業療法実践
   3 研究活動にかかわることへの思い・意気込み
   4 作業療法士の育成にかかわる部分で感じていること,考えていること
   5 おわりに
  3 発達支援センターの責任者として  福田恵美子
   1 はじめに
   2 法律改正に伴った現場の動き
   3 非営利組織(NPO)と法人の立ち上げの動機
   4 医療機関での作業療法のメリット
   5 地域支援での作業療法のメリット
   6 新たな施設を作ったことのメリット
   7 責任者が日常的に行う仕事
   8 まとめ

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