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高次脳機能障害を解きほぐす 臨床推論と理学療法介入
筆頭著者 渡辺 学 (執筆)
メジカルビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2018年7月30日
ページ数 176
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-7583-1926-3
印刷版発行年月 2018年3月
書籍・雑誌概要
高次脳機能障害は症状・背景ともに数多くの要素が絡み合っているため,リハビリテーション医療のなかでも特に難解とされている。本書は高次脳機能障害の理学療法場面において,多彩な症状をどう評価すればよいのか,どのように介入すればよいのかを整理し簡潔に示している。
「リーチがずれる」「左側に気づかない」など臨床症状に基づく構成とし,それぞれ関連する高次脳機能障害を挙げて,鑑別方法,理学療法評価,治療介入を示している。特に治療介入については「文献的エビデンス」で科学的根拠を充実させている。また,認知機能よりもさらに低次レベルからの介入として「視機能からの介入」も記述している。
目次
Ⅰ 概論
1 高次脳機能障害とは
認知機能とは
認知機能と高次脳機能との違い
認知心理過程
神経機能的認知処理過程
高次脳機能障害
階層的高次脳機能障害
2 高次脳機能障害と理学療法
感覚運動統合
環境適応のための行動要素
高次脳機能障害の評価における理学療法の役割
高次脳機能障害の治療における理学療法の役割
3 視機能と高次脳機能障害
視覚は現実か
視覚の脳内処理
視覚認知障害
視覚と視機能
視機能の障害
4 視機能と視覚認知
視野と視力
立体視と両眼視機能
大脳における階層的視覚処理
視覚性注意と恒常性
5 視機能と運動
眼と手の協調
視空間認知能力
眼球運動と姿勢
視覚と姿勢バランス
視覚と歩行
視覚的イメージと身体
他者の動きの知覚
一人称的イメージと三人称的イメージ
眼球運動の神経機構
6 視機能からの理学療法
眼球運動トレーニング
眼と身体の協応トレーニング
イメージ・トレーニング
メンタル・リハーサル
動作の言語誘導
動作の視線誘導
Ⅱ 行為の障害
1 リーチがずれる 主に頭頂葉損傷に由来するリーチ障害
2 握り方が不自然 主に頭頂葉損傷に由来するpreshaping 障害
3 物品を扱うのが拙劣 主に道具の使用障害
4 動作をマネできない 主に模倣障害
5 動作の手順がおかしい 主に系列的操作の障害
6 左右の手で反する行為をする 主に脳梁離断症候群
7 社会生活に適応できない 主に遂行機能障害
8 半身を動かそうとしない 主に運動無視
9 なかなか動き出さない 主に運動開始困難
10 同じことを繰り返す 主に運動性保続
11 勝手に行動を起こす 主に道具の強迫的使用
12 握って離さない 主に把握現象
Ⅲ 認知の障害
1 左側に気づかない 主に半側空間無視
2 左手を自分のものと思わない 主に半側身体失認
3 病識に乏しい 主に病態失認
4 椅子やベッドに不適切な姿勢をとる 主に頭頂葉損傷による空間定位障害
5 姿勢矯正に抵抗する 主にpusher 症候群
6 壁にぶつかる 主に視覚性注意障害
7 衣服を着るのが不適切 主に着衣障害
8 左右を間違える 主にゲルストマン症候群
9 物を探し出すことができない 主に視覚性失認
10 道に迷う 主に地誌的失見当識
11 周囲のものが気になる 主に注意障害