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産科危機的出血への対応
筆頭著者 関 博之(編集) 山本 晃士(編集) 松永 茂剛 (編集)
メジカルビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2020年1月13日
ページ数 216
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-7583-1760-3
印刷版発行年月 2019年4月
書籍・雑誌概要
凝固系や疫学,妊婦の特殊性などの,産科における出血のメカニズムを視覚的に理解するための書籍である。
一次施設においては,説明がきちんとなされていなかった搬送のタイミングなどについての理由を示し,妊婦の病状の進行を予想して早めに対応することを促す内容となっている。一方,高次医療機関においては,妊婦の特殊性を理解した上で,適切な対処が早めに行える内容を示している。手技を示す項目では,イラストで手順・手技を示している。
産科危機的出血を理解し,実践的に現場で対応するための決定版である。
目次
1 産科危機的出血の疫学
母体死亡の原因
産科危機的出血への対応指針2017
産科DIC スコア
産科危機的出血と診断するための出血量の目安
2 凝固線溶系の基礎知識
凝固系のしくみ
凝固制御系のしくみ
線溶系のしくみ
凝固線溶系とカリクレイン・キニン系
3 妊婦の循環動態の特殊性
循環血液量の増加
凝固の亢進と線溶の抑制
側副血行路の発達
4 産科危機的出血の特殊性
希釈性凝固障害
・希釈性凝固障害とは
・フィブリノゲンの重要性
・低フィブリノゲン血症による出血症状
消費性凝固障害
・消費性凝固障害とは
・消費性凝固障害を診断・治療するための臨床検査
・産科領域での消費性凝固障害
出血量の評価
血管虚脱
5 産科危機的出血の原因疾患
産道損傷
弛緩出血
常位胎盤早期剥離
前置胎盤
子宮内反症
羊水塞栓症
・病型・病因・病態
・診断
・対応
6 産科危機的出血の止血法
薬物療法
・弛緩出血に対する子宮収縮薬
・凝固因子補充
・トラネキサム酸(TXA)
外科的処置
・軟産道裂傷に対する縫合
・uterine compression suture
・動脈結紮
・子宮内タンポナーデ(ガーゼ・バルーン)
・癒着胎盤に対するballoon occlusion 法
・TAE
7 産科危機的出血への輸血療法
産科危機的出血に対する輸血療法の特殊性
・hemostatic resuscitation
大量出血における凝固障害の発生機序
凝固障害の増悪過程
消費性凝固障害における凝固障害の発生機序と増悪過程
・massive transfusion protocol
massive transfusion protocol とは
massive transfusion protocol の実際
・damage control surgery(DCS)
damage control surgery(DCS)とは
DCS の実際
POCT(point of care testing)
フィブリノゲンの補充療法
・フィブリノゲン製剤
フィブリノゲンとは
FFP とフィブリノゲン製剤の比較
フィブリノゲン製剤の投与が臨床的アウトカムに与える影響
・クリオプレシピテート
その他の血液製剤
・トラネキサム酸
・ⅩⅢ因子製剤
・活性型Ⅶ因子製剤
・プロトロンビン複合体製剤
・トロンボモジュリン製剤
・その他の抗凝固薬およびC1 インヒビター
8 異型適合血輸血
濃厚赤血球
新鮮凍結血漿(FFP),濃厚血小板
9 産科麻酔
鎮静・鎮痛
酸素投与
気道確保とバッグ・マスク換気
アシドーシス・低体温・電解質異常の補正
循環血液量を維持するための輸液とモニタリング
REBOA
・REBOA の概要
・REBOA の実際
10 産科領域における貯血式自己血輸血の利点と限界
自己血輸血とは
適切な貯血量
11 産科危機的出血の搬送システム