書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。

検索

カテゴリから選ぶ

地域包括ケア時代の

脳卒中慢性期の地域リハビリテーション

エビデンスを実践につなげる

脳卒中慢性期の地域リハビリテーション
本文を見る
  • 有料閲覧

筆頭著者 藤島 一郎(監修) 大城 昌平(監修) 吉本 好延 (編集)

メジカルビュー社

電子版ISBN

電子版発売日 2025年1月30日

ページ数 304

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-7583-1698-9

印刷版発行年月 2016年6月

DOI https://doi.org/10.18885/9784758316989

書籍・雑誌概要

脳卒中の慢性期には回復期とは異なる問題点が多々ある。病院内はバリアフリーで整備が行き届いているが,自宅や院外ではそうはいかず,転倒しやすくなる。介護者側の負担感は大きな社会問題にもなり,介護側の人にも医療的な視点で観察・対応する必要が生まれる。また患者さんの身体活動量が低下したり,脳卒中後の疼痛のために動きが制限され自宅に引きこもり,うつとなる状況も見過ごせない。就労の問題,再発予防の課題なども重要である。地域リハビリテーションの現場は,院内の状況とは視点を変えて対応することが欠かせない。本書では脳卒中慢性期特有の問題を項目に分け体系的に解説している。
一方,地域リハビリテーションの重要性はエビデンスの蓄積などにより格段に高まっている。本書では国内外のエビデンスを示し,それらをどのように活かすか,研究を研究のままで終わらせないように,実践の方法にも言及している。さらに,エビデンスを実践に応用するために,臨床推論の方法を解説。問題点を見出だすことができれば,それに対応できる専門職者に相談・依頼し,多職種連携により治療の幅を広げられる。
本書は,医療者が地域包括ケア時代に地域という広大な現場で広い視野をもてるように配慮しながら,個々の症状や医療的課題に対応できるように,それぞれを詳細に解説した脳卒中地域リハビリテーションの実践書である。

目次

第1章 地域リハビリテーションを取り巻く社会的背景の変化
1 急速に進行する高齢化と高齢者の介護問題
 1 高齢化の実態
 2 これからのリハビリテーションに期待されるもの
 3 まとめにかえて〜リハビリテーションと地域の力の増強
2 高齢者の地域リハビリテーション—訪問リハビリテーションの実態と課題—
 1 はじめに
 2 高齢者の地域リハビリテーションの現況
 3 社会保障制度からみた生活期リハ・サービスの質の検証
 4 地域における訪問リハビリテーションの課題
3 今後の地域リハビリテーションのあり方—QOLの向上に向けて—
 1 地域リハビリテーションとは
 2 予防活動
 3 連携とチームアプローチ
 4 超高齢社会の医療・介護サービスにおけるリハの位置づけ
 5 リハビリテーションが担える役割
 6 当院の取り組み
 7 おわりに

第2章   脳卒中患者の問題点と地域リハビリテーションのエビデンスと実践
1 脳卒中患者の転倒・骨折
 1 転倒・骨折の発生状況
 2 転倒・骨折に関連する因子
 3 転倒・骨折予防のリハビリテーション評価
 4 転倒・骨折予防のアプローチ
2 身体活動量の低下
 1 身体活動量と障害による影響
 2 身体活動量低下の発生状況
 3 身体活動量低下に関連する因子
 4 身体活動量のリハビリテーション評価
 5 身体活動量の低下予防のためのアプローチ
 6 おわりに
3 移動能力の低下
 1 移動能力低下の発生因子
 2 移動能力低下の関連因子
 3 リハビリテーション評価(原因を明らかにするための評価方法)
 4 移動能力低下に対するアプローチ
 5 おわりに
4 慢性疼痛
 1 脳卒中発症後の疼痛
 2 慢性疼痛の発生状況
 3 痛みの関連因子
 4 慢性疼痛のリハビリテーション評価
 5 慢性疼痛に対するアプローチ
 6 おわりに
5.    高次脳機能障害
 1 はじめに
 2 高次脳機能障害について
 3 発生状況:脳卒中慢性期の高次脳機能障害について
 4 地域で生活する高次脳機能障害者の現状
 5 リハビリテーションにおけるエビデンスとその課題
 6 地域で実践可能な評価・アプローチ
 7 限られた資源の活用
 8 活動・参加に向けた年齢層別の支援
 9 おわりに
6 うつ・アパシー
 1 うつとアパシーの発生状況
 2 脳卒中後うつ・アパシーの診断と特徴の違い
 3 リハビリテーション評価
 4 アプローチ
 5 おわりに
7 脳卒中後の上肢運動障害
 1 脳卒中後に生じる上肢運動障害の発生状況
 2 脳卒中後における上肢運動障害の関連因子
 3 脳卒中後の上肢運動障害に対するリハビリテーション評価
 4 脳卒中後における上肢運動障害に対するアプローチ
 5 おわりに
8 脳卒中患者の排泄障害
 1 排泄ケアの考え方
 2 排泄障害の要因と種類
 3 在宅における排泄障害へのケアの現状と問題点
 4 在宅における排泄障害へのケアのポイント
9 摂食嚥下障害
 1 摂食嚥下障害の発生状況
 2 関連因子
 3 リハビリテーション評価
 4 アプローチ
 5 おわりに
10 コミュニケーション障害
 1 コミュニケーション障害の発生状況
 2 失語症に関連する因子
 3 リハビリテーション評価と治療プラン
 4 失語症のアプローチ
 5 おわりに
11 介護者の介護負担感
 1 発生状況
 2 関連因子
 3 リハビリテーション評価
 4 介護負担感に対するアプローチ
 5 おわりに
12 脳卒中患者の職業的・社会的役割の喪失
 1 脳卒中患者の状況とライフスタイル
 2 脳卒中患者の役割喪失に関する因子
 3 脳卒中患者の職業復帰に関する因子
 4 リハビリテーション評価
 5 職業的・社会的役割の喪失に対するアプローチ
 6 職業リハビリテーションの実践
 7 おわりに
13 重症患者—人工呼吸管理における呼吸ケア—
 1 人工呼吸管理を必要とする患者の発生状況
 2 人工呼吸管理の関連因子
 3 呼吸ケアと呼吸リハビリテーションの評価
 4 人工呼吸管理に対するアプローチ
 5 おわりに
14 脳卒中の再発
 1 脳卒中患者の再発率
 2 脳卒中の再発リスク因子
 3 再発予防におけるリハビリテーション評価
 4 再発予防に対するアプローチ
 5 おわりに

第3章  今後着目すべき脳卒中患者の問題点
1 疲労感
 1 現状
 2 原因・関連因子
 3 生活に与える影響
 4 評価
 5 治療
 6 おわりに
2 脳卒中患者の低栄養
 1 低栄養の現状
 2 低栄養の原因
 3 低栄養に関連する注意すべき問題
 4 リハビリテーション栄養アプローチ
 5 おわりに
3 睡眠障害
 1 睡眠障害の現状
 2 脳卒中の発症リスクとしての睡眠障害
 3 脳卒中患者における睡眠障害
 4 おわりに
4 終末期医療・ケアと看取り
 1 はじめに
 2 人間にとって「死」とは
 3 日本の「治す医療」は世界のトップレベル
 4 日本の「支える医療」の問題
 5 看取りの場所
 6 看取りに向けての説明
 7 看取りの流れ
 8 終末期のリハビリテーション
 9 地域包括ケア
 10 おわりに

第4章   まとめ
1 臨床推論—地域リハビリテーションにおける大切な考え方—
 1 臨床推論とは
 2 臨床推論のプロセス
 3 臨床推論における分析方法
 4 臨床推論における思考プロセス
 5 臨床推論における仮説の立案
 6 臨床推論における仮説の検証・修正と問題点の立案
 7 臨床推論における問題点へのアプローチ
 8 臨床推論の教育方法
 9 おわりに
2 多職種連携と地域連携の必要性
 1 地域包括ケアシステム
 2 「リハビリテーション」と「ケア」
 3 多職種連携の必要性
 4 多職種連携の具体策
 5 訪問・通所でのリハビリテーションの連携
3 総括
 1 地域リハビリテーションの「常識」を問い直す
 2 エビデンスと実践を結ぶ架け橋は何か
 3 リハビリテーションで改善可能なアウトカムを見つけ出す
 4 最後に

書籍・雑誌を共有

ツール

お気に入り登録
書誌情報ダウンロード

関連書籍